2013年2月2日 (土) 掲載

◎地元の魚「ドンコ」料理に挑戦 日新中学生

 函館日新中学校(安達幹彦校長、生徒41人)で1日、戸井地区の地場産業を学ぶふるさと学習が行われ、全校生徒がドンコ(エゾイソアイナメ)料理に挑戦した。講師の手ほどきを受けながら、ドンコのすり身汁やフライを作り、出来立てを味わった。

 総合学習の授業の一環。同校では漁協や近隣町会の協力を得て、各年ごとにイカ、サケ、ドンコをメーンにした調理体験を行っている。

 はじめに瀬田来町会の細田レイ子会長がさばき方を説明。100匹のドンコが用意され、生徒一人がそれぞれ一匹をさばく体験をした。慣れない作業に戸惑っていたが、ウロコを取り、内臓を引っ張り出す作業一つ一つを確認しながら、丁寧にさばきあげていった。持ち帰り用に干物も作り、干す作業なども行った。

 その後は全員で試食。コクがあってふわふわとろけるすり身汁などを堪能した。

 池田小夏さん(1年)は「初めて魚をさばいた。ぬるっとして難しいと思ったが、慣れてきたら楽しかった」と話していた。(平尾美陽子)



◎あぐりへい屋できょう鍋イベント

 【北斗】JA新はこだて(畠山良一組合長)のファーマーズマーケット「あぐりへい屋」(北斗市東前、工藤寛生店長)は2日から、毎週土・日曜限定で道南の旬の鍋料理を楽しんでもらうイベントを始める。冬場の集客対策の一環で、地元の魚や野菜をたっぷり使った三平汁やゴッコ(ホテイウオ)汁を店内で販売。郷土料理の良さを発信していく考えだ。

 「道南郷土の味 鍋(汁)を楽しむ」と題して今月限定で行う。2、3両日は地場産ダイコンやニンジン、ジャガイモ、長ネギにスケトウダラが入った三平汁、9、10両日はゴッコ汁、16、17両日はカジカを使った三平汁を予定。この時期一番おいしい近海産の魚を食べてもらう。23、24両日は野菜だけの鍋料理を準備している。

 三平汁、ゴッコ汁ともに道南ではなじみの深い料理。店内には三平汁の由来を説明するボードも張り、歴史に触れながら味わうことができる。

 各日とも午前10時半から、1杯100円で販売する。1日当たり100杯を用意する予定だ。

 同JA大野基幹支店の田山光幸営農センター長は「この施設は直売所だけでなく、農業や郷土料理を伝える役割も担っている。今月は『恵山ごっこまつり』など各地で郷土料理を楽しむイベントがあり、JAとしても応援していきたい」と話している。

 問い合わせは同店TEL0138・77・7779へ。(山崎大和)



◎日銀1月の道南経済「持ち直しの動き一服」

 日銀函館支店(中川忍支店長)は1日、1月の道南地方の金融経済動向を発表した。震災の影響を脱した観光の回復傾向が鈍化し、海外経済減速などの影響で電子部品の生産水準が下がったことから、同支店は景気判断を1年1カ月ぶりに引き下げて「持ち直しの動きが一服している」とした。

 景気の判断は、昨年12月まで「一部に弱めの動きがみられるものの、全体として持ち直し傾向を維持している」と据え置いてきた。今回は主要項目の「住宅投資」を引き上げた一方で「観光」と「生産」を下方修正し、全体の判断を引き下げた。

 項目別の判断では「個人消費」が横ばい。主要小売店売上高(12月、10社)が4カ月ぶり前年を上回ったが、衣料品は伸び悩んだ。新車登録台数は普通・小型車が3カ月ぶりに前年割れだったものの、軽自動車は新型車投入効果もあり15カ月連続でプラスとなった。

 一方、「観光」は主要ホテル宿泊客数が前年同月比0・8増の14万3700人と10カ月連続で前年を上回ったものの、国内便客や主要観光施設(函館山ロープウェイと五稜郭タワー)の利用者が前年を下回ったことが判断を引き下げる要因となった。

 「住宅投資」は新築住宅着工戸数(12月、函館市)が持ち家、貸家ともに前年を上回った。

 先行きについては「当面横ばい圏内の動きで、各種経済対策の効果で持ち直しの動きの経路に戻る」と予想。中川支店長は「景気はいったん踊り場に入ったが、持ち直しの動きの基調は変わらない。公共工事発注への期待感があるほか、観光も2月は台湾人客が多く訪れるとみられ、明るい材料は多い」との見方を示した。(松宮一郎)


◎今年はグロードさんの追悼公演に 函館野外劇の会 

 NPO法人市民創作「『函館野外劇』の会」(中村由紀夫理事長代行)は1日、市中央図書館で2013年総会を開いた。今年は、昨年12月に亡くなったフィリップ・グロード前理事長の追悼公演と銘打ち、7〜8月に全11回を予定。懸案だった事業の赤字解消も目標に、PR強化に努めることを確認した。

 25人が出席。昨年の入場者が全12回公演で8403人(前年比363人増)、券売数8936枚(同178枚増)。149万円の単年度赤字となったほか、累積未払い金も約1700万円あることなどが報告された。

 新年度は、照明や舞台制作など支出を抑制すると同時に、地元企業や学校、団体などに支援を呼び掛けながら1万2000枚の券売を目指す。ポスターも500枚増やして2500枚にするほか、昨年好評だったプレステージも実施して集客を図る。函館出身の人気バンド、GLAYの函館公演と連携させた企画も検討中とした。

 中村理事長代行は「年々来場者も売り上げも右肩下がりだが、グロードさんの追悼公演を何としても成功させたい」と述べた。里見泰彦事務局長も「チケットがあと1000枚売れれば黒字になる。盛り上げていきたい」と話した。

 今年の日程は7月5〜8月10日。国の特別史跡・五稜郭跡で行う。今後配役やスタッフなどを募る。(長内 健)