2013年2月21日 (木) 掲載

◎「ベビーダンス」好評

 赤ちゃんを抱っこしながらステップを踏む「ベビーダンス」が、育児中の母親たちの間で話題になっている。七飯町在住のベビーダンスインストラクター三木洋子さん(38)が函館、七飯で講座を開き、日本ベビーダンス協会の認定講師は道南で1人だけ。赤ちゃんの寝かしつけや産後エクササイズに効果があり、参加者から好評を得ている。

 ベビーダンスは日本で2007年に考案され、首がすわった生後3カ月〜24カ月頃までの赤ちゃんを抱っこひもで抱えて踊る産後エクササイズ。サンバ、ブルース、ワルツの曲に合わせて簡単なステップを踏み、親子のスキンシップを深めながら運動不足が解消できると、全国的な広がりを見せている。

 三木さんは2児の母。奈良に帰省中に同ダンスを知り、11年7月に資格を取得。同年10月に講座を開設したが、自身の産休で一時休止。昨年秋頃から再開し、函館と七飯で各月1回開いている。

 講座の流れは子どもをマットの上に寝かし、歌に合わせてくすぐったり、マッサージしたりすることから始まり、その後ベビーダンス。動いた後はおもちゃ作りや参加者とおしゃべりタイムを楽しむ。

 三木さんは「家にひきこもりがちなお母さんたちの交流の場になれば」とし、「北斗や江差などにも広めたい。イベントなどができたら」と話している。

 体験会が3月9日午前10時から、はこだて子どもセンター(亀田本町19)で開かれる。体験料500円。問い合わせ・申し込みは三木さんTEL090・6690・3399へ。(平尾美陽子)



◎教育大OBら小学教員養成機能維持へ文科省に署名

 【東京】道教育大函館校で2014年度の新学部設置に伴い、小学校の教員養成機能の廃止が検討されている問題で、函館校OBら道南の教育関係者でつくる「道南の教育を考える会」(安島進代表)は20日、機能存続を求める嘆願書と約1万5000人の署名を、文部科学省に提出した。

 昨年10月に約2万人の署名を同省に提出したことに続く取り組み。今回は昨年12月から1月末までに、約1万5000人の署名を集めた。嘆願書では教員養成機能維持とともに、教育の質向上の観点から附属学校と幼稚園の存続を求めた。

 この日は橋田恭一副代表と天野哲征事務局長が、同省の芦立訓国立大学法人支援課長に嘆願書と署名を提出。前田一男衆院議員、横山信一参院議員も同行し、広大な道内各地域で機能を維持する意義などを訴えた。芦立課長は「地元の思いを十分考慮したい」と述べるにとどめた。

 橋田副代表は今後も署名を継続していくとした上で、「函館校と協力しながら講演会やフォーラム開催を続け、機能存続への機運を盛り上げていきたい」と話していた。(千葉卓陽)



◎桧山のニシン復活へ期待、産卵の可能性、本格調査へ

 【江差、上ノ国】江差と上ノ国の両町で、かつて地域の繁栄を支えたニシンがまとまって水揚げされ始めている。熟した卵を有する魚体が多く、一帯で産卵活動が行われている可能性が高い。3月4日には、江差かもめ島付近で産卵藻場の本格調査が行われることが決まった。関係者は「産卵が確認されれば、桧山のニシン漁の復活に大きな弾みがつく」と期待している。

 調査は管内各町と桧山振興局、ひやま漁協などでつくる「ひやま地域ニシン復興対策協議会」(会長・工藤昇上ノ国町長)が主体に実施。潜水士らが海藻などへの付着を確認するほか、写真・ビデオでも記録、海岸に流れ着いた海藻への付着状況も調べる。

 同協議会は今季から専用の刺し網で資源状況を把握。13日には江差で62匹、上ノ国で13匹、14日には上ノ国で200匹の水揚げがあった。サイズは平均で30センチ前後、重さは250〜300グラムで「立派なニシンで今にも産卵しそうなものばかり」(同協議会)という。

 近海では例年、わずかながらもニシンの水揚げはあるが、大群の産卵で海面が白く濁る「群来(くき)」は途絶えて久しく、最後に確認されたのは1913年ごろとされている。

 ニシンの復活は桧山地域の悲願であり、同協議会は2011年2月に発足以降、ふ化放流試験や資源調査などを重ね、09年度から桧山振興局が独自に取り組んできた事業を含めると、本年度までに稚魚を約23万匹放流してきた。事業費は年間約200万円で、道の補助を受けながら関係機関で連携し、「この藻場調査で産卵が見つかれば事業への理解は一層深まる」と関係者。

 今季水揚げされた魚体は専門機関でDNA検査をし、桧山産かを見極める。桧山南部地区水産技術普及指導所によると新年度内には判明する見込み。

 工藤会長は「放流した稚魚が桧山に戻って来ているのかは現時点で不明だが、『まかぬ種は生えぬ』という言葉があるように漁業関係者が努力している。希望を持ち、3月の調査結果を楽しみにしている」と意欲を見せている。(田中陽介)


◎市立博物館で6月に新島襄企画

 市立函館博物館(青柳町、田原良信館長)は、同館で6月14日〜9月1日に企画展「新島襄と幕末の箱館」(仮称)の開催を計画している。函館ゆかりの新島に光を当てた初の企画展で、貴重な資料や実物100点以上を展示予定。市は打診している医学部誘致を念頭に、同志社大(京都)との連携を強めたい考えだ。

 新島(1843〜90)は国禁を犯して函館から米国に渡って学び、同大を創立。同志社の原点である市内大町の「海外渡航の地」では毎年6月14日に、碑前祭が行われている。

 現在放映中のNHK大河ドラマ「八重の桜」で妻の八重(1845〜1932)が主人公を務めていることや、来年で新島が脱国した1864(元治元)年から150年の節目を迎えるのを前倒しして、新島の生涯や業績を広くPRする絶好の機会として大規模な企画展を計画。同館の2013年度のメーンイベントに据える。

 企画展では、同大や学校法人新島学園(群馬)、安中教会(同)、安中市学習の森(同)から借りた新島の日記や書などの品を一堂に展示。函館千歳教会(松陰町、井石彰牧師)が保管する新島の遺髪も借りる方向で調整している。このほか、新島夫妻が1887(明治20)年の北海道旅行で函館に立ち寄った歴史も振り返る。

 また、幕末に国内で初めて開港した貿易港の一つとして繁栄した函館の様子を、展示物を通じて紹介する。

 開館日数は69日間で、期間中5000人以上の来館を目指す。入館料は一般300円、大学・高校生150円、小・中学生100円。

 6月14日はオープニングセレモニーのほか、市中央図書館で講演会(学校法人同志社主催、市立函館博物館共催)を予定。

 今年は「八重の桜」放映に合わせ、八重に関する企画展が全国各地で開かれているが、新島襄に目を向けた企画展は珍しいという。

 同館の野村祐一主査は「えりすぐりの資料を通じ、新島襄や幕末の函館の姿を伝えたい」と意気込んでいる。(山崎大和)