2013年2月22日 (金) 掲載

◎来月9日、箱館戦争テーマに郷土学講座

 道南ブロック博物館施設等連絡協議会(田原良信会長、27団体)は3月9日午後2時、市中央図書館(五稜郭町)で、第3回郷土学講座・歴史編「箱館戦争—開陽丸と五稜郭の調査から」を開く。同協議会ブログ上に、学芸員がリレー形式で投稿する記事をアドベントカレンダーに見立て、講座をPRしている。

 道南各市町の博物館や美術館、郷土資料館の学芸員が提供する人気企画で、2011年から年に1回開催している。今回は、江差町教委の藤島一巳主幹が「江差沖から引き揚げられた開陽丸」、田原会長(市立函館博物館長)が「五稜郭の調査から分かった箱館戦争」と題して研究成果を発表する。

 講座を盛り上げようと、アドベントカレンダーを取り入れた。同カレンダーは通常、クリスマスまでの期間中に1日ずつ窓を開けてカウントダウンを楽しむ。これを応用し、同8日まで毎日、学芸員26人が幕末維新や箱館戦争をテーマに記事を投稿。このうち、一番手を務めた厚沢部町郷土資料館の石井淳平さんは、松前藩が築城した町内の館城を紹介し、大きさが松前城とほとんど同じことや、五稜郭は館城の6倍の面積があることなどを解説している。

 市立函館博物館の野村祐一主査は「日替わりの投稿で盛り上げていくので、当日はぜひ会場に足を運んでほしい」と話している。

 資料代200円が必要。直接会場へ。問い合わせは同協議会事務局(市立函館博物館内)電話0138・23・5480へ。(山崎大和)



◎大沼の冬満喫、シンガポール観光大賞受賞者ら

 【七飯】18日から函館を訪れているシンガポールエクスペリアンスアワード(観光大賞)受賞者6人や引率者の計10人が21日、函館七飯スノーパークや大沼国定公園を訪れ、霧氷やスノーモービルなど、道南の冬の風物詩を体験した。

 1994年から同賞の副賞として、雪のある時期に来函しており、函館シンガポール協会(山那順一会長)の引率で毎年、大沼を訪れている。まず同パークで、水の粒が樹木に付着してできる霧氷現象を観賞した。

 大沼公園ではスノーモービルや氷上ワカサギ穴釣り、氷の滑り台を楽しんだ。ワカサギ釣りでは、仕掛けを下ろす高さや誘い方を教わり、約1時間に多い人で20匹、全員で約50匹釣り、天ぷらにして味わった。

 この日が誕生日というV・A・ムーティさん(54)は「今日は殺生を控えたいので、釣った魚はリリースした」。釣りが趣味というチャンドラモハン・ラマリンガムさん(33)は「マレーシア近海でシーバスなどを釣っており、ワカサギのような小さな魚は初めてで楽しかった」と話していた。

 一行は22日夜に函館を出発し、帰国する。(山崎純一)



◎「デマンドバス」運行へ、函館バス新年度

 函館バス(森健二社長)は21日、利用者の要望に応じてバスを走らせる「デマンドバス」を、東山見晴台団地—日吉営業所間で実施することを明らかにした。市内では初めてで、利用したい住民に事前予約してもらうことで、運行本数が少ない地域での利便性向上を図る狙いがある。

 同日市役所で開かれた、市生活交通協議会で同社が示した。

 デマンド方式を取り入れるのは、同バスの34系統(日吉営業所—函館大学前間、1日5往復)。東山見晴台団地エリアでは、五稜郭を経由して市役所前まで結ぶ3系統が1日3往復運行しているが、時間帯が通勤・通学時に限られるため、周辺住民から通院や買い物に使える時間帯での運行を求める声が上がっていた。

 そこで、沿線にスーパーが多数点在している34系統を活用。5往復中、午前9〜10時台と午後1時台に発車する2往復で、運行の2時間前までに日吉営業所に電話予約することで、起点を同営業所から東山見晴台団地下まで約3`延ばして運行する。

 同社によると、デマンド方式は今金町の温泉施設で、利用客が訪れた際に施設が連絡し、乗り入れしているケースがある。

 同社はまた、新年度の路線再編案を提示し、協議会から了承を得た。主なものでは14系統(滝沢町—函館駅前間)の起点を日吉営業所とするほか、94系統(函館駅前—昭和営業所間)を国道5号と亀田支所、日吉方面を結ぶ路線に変更。北斗市上磯地区と函館駅前を結ぶ111系統は亀田支所・五稜郭回りに変更して新たに151系統とし、国道278号(漁火通)から本町・五稜郭方面に乗り入れる86系統を廃止する。(千葉卓陽)


◎地球温暖化学ぶ、三育小で特別授業

 函館三育小学校(小原義信校長、児童26人)は21日、同校で地球温暖化をテーマにした特別授業を行った。講演などを通じて自動車が排出する二酸化炭素などの温室効果ガスが、温暖化に与える影響について学んだほか、排出ガスを出さず災害時にも役立つ電気自動車の利用を体験した。

 環境教育の一環として毎年実施。この日は児童20人が参加した。函館中央三菱自動車販売のミーブ推進室長、力石嘉孝さんが電気自動車について「走っているときは排出ガスも騒音もない車」と説明。

 道地球温暖化防止活動推進員のピーター・ハウレットさんが、七飯町大沼の結氷開始が以前より1カ月ほど遅れるなど、身近に忍び寄る温暖化の影について解説した。「地球が熱を出している」と危機を訴え、石油に替わって太陽光や風力、地熱など自然エネルギーの利用推進を呼び掛けた。

 講演後、突然地震が発生したとの想定で、ブレーカーを落とし校内を停電状態にし、児童たちは力石さんが用意した電気自動車「ミニキャブ・ミーブ」の走行用バッテリーから電気を取り出し、電磁調理器でお湯を沸かしてホットココアを作った。

 3年生の山川詩唯奈(しいな)さん(9)は「氷が溶けたために、別の氷を探して長距離を泳ぐシロクマがかわいそうだった。なるべく環境を大事にしたい」と話していた。(山崎大和)