2013年2月26日 (火) 掲載

◎函商高+ローソン+日糧製パン、りんごとホイップのデニッシュ開発

 函館商業高校(難波繁之校長、生徒597人)と大手コンビニエンスストア「ローソン」、日糧製パン(札幌)が「りんご坊やのパン工房 りんごとホイップのデニッシュ」を開発した。シャキシャキとしたリンゴ煮とホイップの甘さがミックスされた一品。26日から全道のローソン581店で期間限定販売する。

 生徒60人から商品アイデアを募集した後、生徒たちはローソン、日糧製パンの助言を受けながら5点に絞って試作。味に加え、原材料のコスト、販売価格、日持ちするかどうかなどを考慮し、今回の商品に決定。北海道乳業(昭和)の牛乳を練り込ませたデニッシュで、青森産のリンゴを使ったリンゴ煮とホイップクリームを包んだ。

 パッケージも生徒がデザインを考案。「りんご坊や」と「ミルク坊や」それぞれのキャラクターが牛乳、リンゴを持っているかわいらしい仕上がりだ。

 荒木菜摘さん(18)は「青函のいいところを凝縮した菓子パン。ぜひ味わってもらえれば」、ローソン北海道商品部(札幌)の井上豊さんも「お手ごろな価格。ほどよい甘さも売りです」とPRしている。

 1個130円。3月11日まで販売する。

 ローソンは道と食の振興などを目的に包括協定している。道教委が2年前、道内の高校に「地域の特徴を生かした商品開発」の実践校を募集。全道6校のうち、道南では唯一函館商業高校が選ばれ、流通ビジネス科の生徒が昨年5月から準備してきた。(長内 健)



◎市電車両、丸ごと売却へ

 函館市企業局は、2010年3月に廃車とした路面電車「1006号車」の車体を一般競争入札で売却する。40年間市民に親しまれた車両を市内で現状のまま保管活用してもらいたい考えで、初の試み。予定最低価格は5万7600円で、入札参加は法人、個人を問わない。3月6日まで参加資格申込書の提出を受け付け、同13日に入札を実施する。

 1006号車は1955年製造の東京都交通局「都電7000形」の1台。70年に市交通局(当時)が10台を購入し、「市電1000形」として運用した。同形車両が次々と姿を消す中で1006号車は最後の1台として10年まで現役で走行。廃車が決まっていた09年7月からはクリーム色に赤のラインを入れた都電カラーに塗り替え、ファンを喜ばせた。

 市交通部施設課によると、廃車車両は通常、保守用の部品としたり、解体後の鉄くずを売却することはあるが、形を残したままの保管を前提とした入札実施は初めて。11年に熊本市交通局がインターネットオークションを活用して路面電車の車体を売却した実績があるが、全国的にも珍しい試みだという。

 車体の全長は12・5メートル、幅2・2メートル、高さ3・7メートル、重さは約8トン。売却対象は台車や床下機器、パンタグラフを除いた車体部分。5年間は転売せずに市内で保管することなどが条件で、駒場車庫からの搬出手配、経費は落札者の負担。

 22日に駒場車庫で実施した物件公開には2社が訪れ、関心を示したという。同課は「一般市民の方が気軽に見学できるような活用をしてもらえれば」としている。入札の詳細は同局のホームページで公開。問い合わせは同局経理課(電話0138・27・8722)へ。(今井正一)



◎函館山 夜空に浮かぶ

 北海道付近で気圧の谷の通過と冬型の気圧配置が続く影響で、道南でも冷え込みが厳しく、雪の量が多くなっている。函館の平年は20日を過ぎると、一日の平均気温は氷点下1度前後になるが、今年は連日、同5度を下回っている。函館海洋気象台によると、25日午後6時現在の積雪は50センチで、平年の2倍となっている。

 標高334メートルの函館山は、夜になると真っ白な山肌が街の明かりに照らされ、西部地区の夜景と共に函館港に浮かんで見える。夏の山は木の葉で覆われ、津軽海峡で操業するイカ釣り漁船のいさり火が夜空を明るくするため、山は漆黒になって浮かぶ。夏と冬は反対のコントラストとなる。

 同気象台によると、26日の道南は低温だが、27日からは平年並みに戻る見込み。(山崎純一)


◎函工高が「長期型養成課程」認定校に

 函館工業高校(青木一明校長、生徒710人)が、電気科、情報技術科で無線従事者の資格が取得できる「長期型養成課程」の認定を受けた。同課程の認定は全道の工業系高校などで8校あるが、渡島管内は初。3年間の履修で「第二級陸上特殊無線技士」の国家資格が得られる。

 同校では15年以上、冬休みなど長期の休みに集中して行う「短期型養成課程」を実施、情報技術科の生徒を対象に毎年40人近くの無線従事者を育成していた。今回新たに電気科を加え、新年度の入学生から履修対象となる。

 昨年道教委を通じて道総合通信局に申請。同通信局による校内設備や実習機器などの調査を経て22日に認定された。

 今後、電気基礎、電子技術など無線の知識や実技に関する科目を従来通り3年間履修すれば、総務省から免許が得られる。電波法の授業がやや増える程度。同技士の資格は国家試験でも取得できるが、「3年間真面目に授業を受ければ誰でも取得できるのは生徒にとって大きい」(同校角谷勝教諭)という。

 青木校長は「より高いレベルで技術者を育成していく。有資格者には進学でも就職でも積極的に生かすよう努める」と話す。昨年から申請手続きをしてきた角谷教諭も「警察や消防、役所の防災行政無線、さらには電力会社といった現場での活躍が期待できそうだ」と喜んでいる。(長内 健)