2013年2月27日 (水) 掲載

◎岡田さん 日本人初V 仏のピアノ国際コンクール

 函館出身のピアニストで、現在パリ国立高等音楽院修士課程2年の岡田奏さん(21)が、22〜24日にフランス・ポントワーズ市で行われた「第12回ピアノキャンパス国際コンクール」で優勝した。岡田さんの父でピアニストの照幸さんによると、日本人初の優勝という。岡田さんは「精神力を鍛えることができた。今後の演奏活動の励みになる」と話している。

 同コンクールは16〜25歳を対象に年1回開催。最初のDVD・書類審査で応募者100人以上から12人を選考。その後の予選で3人に絞る。岡田さんは見事に予選を通過、ソロ、ピアノ協奏曲が課されるファイナルに臨んだ。

 ソロではドビュッシー作曲「半音階のための練習曲」など2曲、協奏曲ではグリーグ作曲「ピアノ協奏曲」第1楽章など2曲を披露。岡田さんは、結果を意識せず、出演機会が与えられた喜びを感じながら「無我夢中で鍵盤に向き合っていた。協奏曲では北国の情景を思い浮かべながら理想的な演奏ができた」と振り返る。その一方、「ファイナルの舞台は計3回。そのつど集中力を保つのが大変で、いい勉強になった」と話す。

 600人を収容するホールは満員で、歓声に沸く瞬間も多かったという。審査結果を聞き、疲れや緊張感が吹き飛んだという岡田さんは「初めてステージ演奏する曲が多く、自分にとって挑戦する気持ちで臨んだ。こうした形で評価されてとてもうれしい」と喜び、「まだまだ通過点。音色づくり、音量の変化だけではなく、聴衆の心と一体化できる演奏を目指していく」と張り切っている。

 岡田さんは函館鍛神小、函館本通中学校を卒業後、単身渡仏。2010年6月にパリ国立高等音楽院を首席で卒業、同年10月には「ショパン国際ピアノコンクール」に出場した。今年5月には、283人が応募したDVD審査を通過、世界的に権威があるコンクールで知られる「エリザベート王妃国際音楽コンクール」に出場するほか、7月には故郷の函館でコンサートも予定している。(長内 健)



◎個性光る野菜スイーツ 大妻高校でコンテスト

 野菜を使ったスイーツコンテストが26日、函館大妻高校(池田延己校長)で開かれた。食物健康科1年生39人がニンジンやカボチャ、枝豆などを用いてタルト、シュークリーム、モンブランなど、見た目にもおいしい洋菓子に仕上げた。

 市青果物地方卸売市場活性化対策委員会の主催。野菜消費拡大策を同校に相談し、開催が決まった。生徒たちは1月から授業だけではなく、放課後も自主的に試作品づくりに取り組んできた。審査員は食生活改善推進員2人、野菜ソムリエの資格を持つベジフル函館のメンバー2人と市場関係者の5人が担当し、創造性や外観、食味など、5項目で評価した。

 テーブルには、ムラサキキャベツやニンジンの色を生かしたタルト、ニンジンのロールケーキなど、味わいだけではなく、工夫を凝らしたケーキが並び、審査員を楽しませた。市食生活改善協議会の渡辺たえ子会長は「よく野菜の味も出ていた。これからも創造性豊かなお菓子作りに励んで」と講評した。

 優勝作品の「かぼちゃのチーズケーキ」を5人で作った班長の橋場真緒さん(16)は「チーズとカボチャの味のバランスを出すのが難しかった。優勝できると思ってなかったのでうれしい」と喜んでいた。 (今井正一)



◎ドラマ「北の国から」カレーとスープに 五島軒とコラボ

 函館の老舗レストラン「五島軒」(若山直社長)は、富良野を舞台にした人気ドラマ「北の国から」とコラボレーションした商品の発売を始めた。商品は、道産の素材を使い、ドラマの名シーンをイメージして仕上げたカレー、スープの全3種類。同社は「北海道新幹線開業に向け、道内にある企業として、北海道を盛り上げていきたい」と意気込んでいる。

 商品は「懐かしのライスカレー」(525円)、「五郎さんのとうきびスープ」(420円)、「誠意のかぼちゃスープ」(420円)。昨年から開発を進め、カレーは雪子おばさんが手作りしたものをイメージして道産の牛肉と野菜を入れるなど、それぞれドラマの登場人物に絡めた。

 テレビドラマとのコラボ商品は今回初の試みといい、同社は「根強いファンが多いドラマとコラボでき、光栄に思う。全国に北海道の魅力をPRできれば」と話している。

 商品は本店(末広町4)、函館カレーEXPRESS五稜郭タワー店(五稜郭町43)などで発売されている。問い合わせは五島軒上磯第一工場TEL0138・49・8866へ。  (平尾美陽子)


◎函館市議会「新函館駅」決議案提出へ

 函館市議会の北海道新幹線新函館駅(仮称)開業に関する調査特別委員会(出村勝彦委員長)が26日開かれ、新駅の駅名を「新函館」などとする決議案を28日開会の第1回市議会定例会で提出する方針を示した。3月13日の同委員会で、決議案の内容も含めて最終決定する。

 出村委員長が開業を見据え「函館市議会として何らかの意思表示をしたら良いのではと思った」とし、提出の方針を各会派に提示。協議した結果、市民クラブと共産党の2会派が「会派内で検討したい」と述べ、持ち帰った。

 決議案の内容は新駅名称の他に、新駅とのアクセスに関わり▽電化整備▽アクセス列車への新型車両の導入▽在来線駅舎の整備—を想定。提出が正式決定した場合、3月25日の同定例会最終日に議案として出される。

 出村委員長は「決議案は出す方向で考えている」と述べ、「可決されたら早急にJRに申し入れたい」と話した。

 新駅の名称をめぐっては工藤寿樹市長が「新函館」を主張しているが、北斗市議会は昨年6月に「北斗函館」にすべきとの決議案を賛成多数で可決。駅名はJRが道や地元自治体の意向を考慮して決める。  (後藤 真)