2013年2月3日 (日) 掲載

◎JR江差駅で開通時のにぎわい再現

 【江差】JR江差駅で2日、同駅が開通した77年前のにぎわいを再現しようと、特別歓迎が行われた。行商や芸者、女学生らに扮(ふん)した住民100人がホームに集い、「ようこそ江差へ」と笑顔で交流を深めた。

 特別歓迎は、陣屋町内会(室井正行会長)が、JR北海道に協力を持ち掛けて実現。JRが江差線木古内—江差間の2014年度初頭廃止案を示す中、同町内会は「陣屋町に住所がある江差駅と江差線への思いは強く、長年、地域の暮らしに寄り添ってきた。その存在を見つめ直し、鉄路の功績を振り返ろう」と準備に励んだ。

 午後1時ごろに列車が駅に入ると、ホームは歓声に包まれ、約20人の乗客も注目。町内会メンバーが江差線に感謝する合唱を披露し、最後は全員で万歳を繰り返した。

 函館市の会社員近藤勇介さん(36)と長女の愛胡さん(9)は「この歓迎に参加したくて函館から来た。すごい熱気で江差に来て良かった」。山梨県の会社員白井敦史さん(36)は旅行の途中で江差に立ち寄り、「大歓迎に驚き、地域に愛されている駅の存在を感じた。江差線がなくなるかもしれないので寂しさもある」と話していた。(田中陽介)



◎ブリを学校給食に、函館市が検討

 函館市は、近海の定置網で採れるブリを学校給食で活用しようと検討を進めている。南茅部地区などで定置網にかかるブリは2年前から大漁が続いているが、販路も少なく魚価が安いため、給食に活用できると見込んだ。新年度からの提供を目指し、各学校の栄養教諭らが献立づくりに着手している。

 函館近海でのブリ漁は夏から秋にかけて行われている。戸井漁協は一本釣りで漁獲される天然ブリのブランド化に乗り出しており、東京都内の有名デパートで販売された実績があるが、近海で獲れるブリは大半が定置網にかかったもの。

 道水産現勢における2005〜11年の市内での漁獲量をみると、最も少なかった08年で270トン、多かった05年でも2200トン台だったが、11年は5538トンと一気に増加。一方で、魚価は08年の1キロあたり447円に対し、豊漁だった11年は同122円。サケの同549円、イカの同266円を下回り、魚価の維持が課題となっている。

 市は一方で、本年度の学校給食から地場産水産加工品を本格的に活用。サケはサイコロ状にカットした約10グラムの冷凍切り身を使用したが、限られた給食費とのコストが合わず、各調理場での調理方法にも制限がある。そのため、地元産ブリを活用し、魚価維持とともに消費拡大につなげようと着目した。

 昨年12月には、市水産物地方卸売市場が設置している魚食普及対策協議会の事業として、ブリを含む魚食の新メニュー開発に向けた研究会を実施。函館短大付設調理製菓専門学校の橋梁を得て、栄養教諭が献立作りに着手した。

 市農林水産部は「年によって漁獲量の変動が大きいが、子どもの魚離れが進んでいることへの危機感は強い。調理場の条件を踏まえ、献立に合ったブリの加工品を考えたい」と話している。(千葉卓陽)



◎大谷短大シニア特別入学の願書受け付け

 函館大谷短期大学(福島憲成学長)では、満50歳以上を対象にした「シニア特別入学」を設け、2013年度入学者の願書を受け付けている。同制度では入学金と授業料が免除となり、同大は「学ぶ意欲を持つ年配者を応援したい」と話している。

 同制度は子育てが一段落しても経済的理由で学べない人や、さまざまな事情で大学に通えなかった人などのシニア層を応援しようと、2006年から設置。大きな特徴は入学金は無料(22万円免除)、授業料は30万円(63万円免除)となり、コミュニティ総合学科の入学者のうち、2人(総合判定)は授業料全額免除になる。

 同学科ではカラーコーディネーター、情報処理士など、専攻科では介護福祉士の資格も取得可能。同大は「年配者の社会経験や旺盛な向上心は、若い学生の見本にもなる」と話す。

 同制度入学生からは経済的負担が軽減するとともに、若い世代と大学生活を楽しめ、専門的な分野を学べると好評。在学する1年の今野琴美さんは同大のシニア学生との出会いをきっかけに、入学を決意した。

 生け花や幼稚園訪問の授業が新鮮と言い、「なじめるかどうか不安もあったが、今では分からないところがあれば聞き合える仲」と今野さん。授業の合間などはサークル活動にも精を出し「いままで知らなかった事に触れられる。学ぶことは楽しい」と笑顔で話す。

 出願期間第1期は2月12日まで。第2期は同18日〜3月4日(専攻科は第2期のみ)。問い合わせは同大フリーダイヤル0120・007・290、TEL0138・51・1786へ。(平尾美陽子)


◎金森ホールでチャリティー茶会

 市民や観光客が気軽に本格的な茶を楽しむ「第28回チャリティー茶会」(竹田峰水会、金森赤れんが倉庫主催)が2日、函館市末広町の金森ホールで始まった。来場者は歴史あふれる建物の中で、日本の伝統文化に触れていた。3日まで。

 はこだて冬フェスティバル(実行委主催)協賛イベントとして毎年開かれている。表千家流茶道竹田峰水会(竹田君子会長)の会員約40人が協力。2日間で合わせて約1500人の来場を見込んでいる。

 この日は寒さが緩んだこともあり、午前中から大勢の来場者でにぎわいをみせていた。提供される菓子は節分(3日)に合わせ「赤鬼」と「青鬼」をイメージしたものが用意された。

 同会の指導を受けている遺愛女子高茶道部の渡邊莉子さん(1年)は「本格的な茶会は初めて。気持ちが引き締まり、いい経験になった」と話していた。

 3日は午前10時から午後4時まで。茶券は500円。益金は「函館市西部地区歴史的街並み基金」に寄付される。(小川俊之)


◎雪と氷の祭典が開幕

 【七飯】「第47回大沼函館雪と氷の祭典」が2日、大沼公園広場で開幕した。心配された天候も祭りが始まるころには回復。道南の冬を代表する一大イベントを心待ちにしていた家族連れや、国内外の観光客でにぎわった。

 恒例の大沼湖水氷を使った長さ20メートルのジャンボ滑り台では、子どもたちが大はしゃぎ。大人もその速さを体感し笑顔を浮かべる姿が見られた。また、地元の小中学生が制作した雪像や、彫刻を施した芸術的な氷像が並ぶアイスカービング大会で来場者を魅了した。

 「環駒 冬の味覚市」では、七飯、森、鹿部の3町が参加し、地元の農・海産物を生かした加工品などを販売。山川牧場の牛乳にはちみつを加えたホットミルク(七飯)、トマトのスープパスタ(森)、スケトウダラの三平汁(鹿部)が用意され、冷えた体を温かい料理で癒していた。

 祖父母と祭りを楽しんだ小樽市の工藤大輝ちゃん(5)は「寒かったけど滑り台がおもしろかった」と満足気な表情だった。

 祭典は3日までで、味覚市のほか大沼婦人会館でのフリーマーケット、雪像などの各コンテストの表彰式などが実施される。また、同時開催の流山温泉会場でも、スノーラフティング、流山ふゆマルシェ、コロコロアイスクリームづくり、ちびっこソリゲレンデ、森のカーリング体験などが楽しめる。(小杉貴洋)