2013年3月1日 (金) 掲載

◎函中部高が金賞…全日本中学高校Webコンテスト

 全国の中・高生を対象にした「第15回全日本中学高校Webコンテスト」で、函館中部高校のパソコン研究部が高校生の部で最高位に次ぐ金賞を受賞した。受賞作品は「遺伝子医療時代」と「宇宙の開拓者たち」。昨年を上回る成績に部員たちは「うれしい。次はトップをねらいたい」と意気込んでいる。

 同コンテストは学校インターネット教育推進協会が主催。中高生がチームを編成し、自作ウェブサイトの教材としての出来栄えを競う。今回、高校生の部は315チームが参加。3次予選を通過した同校の2チームを含む9チームが、23日に東京で行われたファイナリスト選考会に臨んだ。

 「遺伝子医療時代」は6人で制作。遺伝子DNAとタンパク質、iPS細胞など、遺伝子医療の基礎的な分野を取り上げ、イラストやアニメーションで分かりやすさを追求。リーダーの金子真輝君(2年)は「視覚的に充実したサイトになった。金賞はそれぞれが専門性を発揮し、全員で力を合わせた結果。うれしいです」と喜ぶ。

 「宇宙の開拓者たち」は、ペンシルロケットから現在に至る日本のロケットの歴史や探査機「はやぶさ」などについて、3人のキャラクターが対話形式に説明する内容。リーダーの木下岳弥君(2年)は「中学生でも理解しやすいように、会話の流れを端的にまとめた。引き込ませる文章を作るのが難しかった」と振り返る。

 同部は第1回目のコンテストから参加し、昨年は金賞と銀賞を受賞。来年もコンテストに挑戦する予定で、部員の高木達崇君(1年)は「今回得た経験を次に生かし、金賞の上のプラチナ賞を目指したい」と話している。 (平尾美陽子)



◎3日に「平和の日」函館の集い

 日本ペンクラブ(浅田次郎会長)など主催の第29回「平和の日」函館の集いが3月3日、函館市民会館(湯川町1)で開かれる。七飯町在住の作家新井満さんら日本を代表する作家8人が参加予定で、実行委は大勢の市民の来場を呼び掛けている。

 同クラブは英国ロンドンに本部を持つ「国際ペン」の日本センターで、言語表現の自由を守る目的で、1935年に島崎藤村を初代会長として創立。84年からは3月3日を「平和の日」と定め、毎年各地で講演会や対談形式のイベントを行っている。

 今回は市制90周年を記念し、道内の初開催地として函館が選ばれた。テーマは「平和の日に想う 環境・ことば・歴史・まつり」で、浅田会長と新井さんのほか、俳人の黛まどかさん、北海道アイヌ協会理事の秋辺日出男さんなど8人のゲストが、2人づつバトルトークを繰り広げる。

 午後1時開演。入場は無料で参加希望者はEメールに住所、氏名、同行者氏名(1人まで)、電話番号などを記し、「heiwa.hako@city.hakodate.hokkaido.jp」宛てに送る(先着順)。

 問い合わせは同課(電話0138・21・3464)へ。(小川俊之)



◎台湾で道南の魅力PR…2市1町の各首長がトップセールスに出発

 定期航空路で結ばれた台湾からの観光客を呼び込むため、函館近郊の関係者で構成する「台湾観光客誘致訪問団」が28日、函館空港から台湾に向けて出発した。2市1町の各首長が顔をそろえた圏域合同のトップセールスは初めて。3日までの日程で、道南の魅力をPRするほか、青森県内の関係者も合流し、青函圏全体への波及効果を狙う。

 函館市や経済界による海外セールスはこれまでも実施しているが、北海道新幹線開業を見据えて、函館圏域の連携を強化しようと北斗市、七飯町に参加を呼び掛けた。訪問団には工藤寿樹函館市長、高谷寿峰北斗市長、中宮安一七飯町長と3市町の議会議長、函館商工会議所の松本栄一会頭と4副会頭、渡邉兼一函館国際観光コンベンション協会会長ら計30人で構成した。

 一行は1日に定期航空路を開設したエバー航空、復興航空の両社を訪問し、今後の安定運航を依頼。これまでチャーター便の運航実績がある中華航空や、旅行会社、台北市近郊の港湾都市基隆(キールン市)も訪れる。同日の交流会には青森、弘前、八戸、十和田の青森県4市の関係者約40人が合流し、観光名所や交通アクセスの状況など幅広い魅力をアピールする。

 函館空港で開かれた出発式で工藤市長は「台湾観光客はリピーターが多く、何度も来ていただくためには、北斗、七飯に広がっていくことが必要。青函連携も深め、3年後の新幹線開業をにらみ、成果を持ち帰りたい」とあいさつ。高谷市長は「1人でも多くの人たちに北斗市の名前をPRしてきたい」と話し、中宮町長は「台湾からもっとお客さまを連れて帰ります」と意気込んでいた。(今井正一)


◎「まちづくり成果見える年に」…工藤市長が執行方針 函館市議会開会

 函館市議会の第1回定例会が28日開会し、工藤寿樹市長が市政執行方針演説を行った。今年が任期折り返しとなる同市長は「市民にまちづくりの成果がはっきりと目に見え、手応えを実感いただける年となるよう、取り組みをさらに加速させていく」と表明。閉塞感が続く函館再生に向け、新たな活性化策に挑戦する意気込みを示した。

 同市長は人口減少や少子高齢化、経済の低迷などを受け、「これまでにない発想で地域特性を生かしながら、新たな価値を創造し、まちの発展可能性を広げていかなければならない」と力説。

 主要施策では中心市街地活性化基本計画に基づき、駅前地区で「はこだておもしろ館」や、育児に関する情報交換ができる「子育て世代活動支援プラザ」の開設を挙げた。また、本町地区での開設を目指す「市民交流プラザ」には、若手起業家らが利用できるコワーキングスペースを備える考えを示した。

 福祉・教育面では日吉4丁目団地跡地での福祉コミュニティエリアの整備構想策定着手や、地元農水産品の学校給食への活用拡大などを表明。本年度実施した学校の耐震診断を受け、緊急度の高い学校から耐震改修を進める。大間原子力発電所に対しては「法的措置も視野に入れながら、引き続き国に対して無期限凍結を要請する」と述べた。

 また、市教委の山本真也教育長も教育行政執行方針演説を行い「保護者や住民と一体になって、学力向上やいじめ問題への対応など課題解決に努める」と述べた。    (千葉卓陽)