2013年3月19日 (火) 掲載

◎函館大学が末広町にサテライト校

 函館大(溝田春夫学長)は4月1日、末広町22の旧金森美術館内に「ベイエリア・サテライト」を開設する。地域課題に対応し、連携・貢献に向けた教育研究拠点。学生に本学(高丘町)以外で学ぶ場を提供するのは初めて。

 18日、五島軒本店で開いたエゾシカカレープロジェクト活動報告会のあいさつで、溝田学長が明らかにした。

 文科省の助成を受けて開設。同館は1911(明治44)年に建築され、市景観形成指定建造物のレンガ造り2階建て。

 同学長によると、所有者の金森商船(渡邉兼一社長)から1階部分を借り、2部屋で延べ113平方b。常勤の教職員は置かず、学生20〜30人が収容可能という。パソコンや無線LAN、プロジェクター、スクリーンといった設備を整え、学生に市場調査や討論、企業担当者の話を聞くなど活用してもらう。一般市民向けの公開講座「社会調査」「社会福祉論」も開講予定。

 函大は、エゾシカ肉の普及に代表される地域課題に取り組んでおり、地域づくりの参画に向けて中心部の拠点が欠かせないと判断。溝田学長は「受け身一方では実社会の問題解決につながらない。外に出ていくことで、教育と研究をより深められる」と話している。 (山崎大和)



◎大火繰り返さない…市消防本部が防火診断

 函館大火(1934年3月21日)の日を前に、市民の防火意識を高めようと、市消防本部は18日、東川町と高盛町の一般住宅を対象に防火診断を行った。

 防火を点検、指導するともに、函館大火の様子を伝えるチラシを配る狙いで、消防職員が民家を1軒1軒訪ねた。

 このうち東川町は約450軒が対象。北消防署の堀慎司さん(36)と酒井岳さん(27)が木造密集地帯の約30戸を回り、「空気が乾燥し、風も強まる春先は火災が起こりやすいので十分に注意を」と呼び掛けた。また、住宅用火災警報器が未設置の住宅には、早急に付けるよう要請した。

 19日は栄町、宇賀浦町を回り、2日間で職員約100人が参加する。

 20日には、市役所正面の東雲広路で消防訓練がある。 (山崎大和)



◎来月19日に西部地区バル街

 函館市内の西部地区をスペインの伝統的な立ち飲み居酒屋「バル」に見立て、はしご酒を楽しむ「函館西部地区バル街」(実行委主催)が4月19日に開かれる。19回目の今回は、西部地区の飲食店を中心に青森県などから68店が出店する。

 西部地区の街並みを歩きながら、参加店が用意したピンチョス(つまみ)と酒を楽しんでもらうイベント。2004年から春と秋の年2回開催され、同様のイベントが全国に拡大するなど人気を集めている。

 また、着物で来場した人にドリンクを振る舞う「きものdeバル」、地元ミュージシャンによるジャズやウクレレの音楽ライブなど協賛イベントも多数予定されている。

 深谷宏治実行委員長は「西部地区の夜の雰囲気や建物を観光客だけではなく函館の人にも味わってもらえるきっかけになれば」と話している。

 共通チケット制で、チケット1枚で飲み物1杯とピンチョス1品が楽しめる仕組み。前売り券は5枚つづり3500円で松柏堂プレイガイド各店や参加店などで販売している。

 当日券は4000円、当日に市地域交流まちづくりセンター(末広町4)内に開設する案内所「バル街i」で販売する。

 問い合わせはレストラン・バスク(TEL0138・56・1570)まで。(金子真人)


◎今野君(ラ・サール高)が中国語検定で最高位に合格

 函館ラ・サール高校の今野周君(1年)が、中国政府公認の中国語検定「HSK」で最高位の6級に合格した。世界共通基準の資格として世界各国で実施され、高校生の合格は全国でもまれという。今野君は「合格通知が届き、やっと実感が湧いてきた」と笑顔で話す。

 6級は聞き取り、読解、作文の3つの試験からなり、5000語以上の常用中国語単語の習得が必要。会話や文章から自分の意見を口頭などで表現することが求められ、社会人、大学生の受験が大半。HSK日本実施委員会によると6級の合格率は約40%という。

 今野君は小2から北海道地域限定通訳案内士のチンイーピンさんに中国語を教わり、発音や文法などを勉強。2人の会話は中国語でおこない、週1回習っている。

 小4の時に旧HSKを受けたことがあり、中学生の時に中国を訪れたのを一つのきっかけに、今回の受験を決意。「試験は普段の授業の延長みたいな感じだった。毎回先生から出される作文の宿題に慣れていたおかげで、作文の試験で力を発揮できた」と今野君。

 6級の合格ラインは3つの試験をトータルした180点(満点300点)以上。今野君は全てで8割以上を取り、見事合格。今野君は「さまざまな場面で対応できるよう、中国語に磨きをかけていきたい」と話す。

 陳さんは「バランスよく点数を取れたのはすごいこと。私もうれしい気持ちでいっぱいです。これからの彼の成長が楽しみです」と笑顔で話していた。(平尾美陽子)


◎働ける生活保護受給者534人…函館市予算特別委

 函館市議会の予算特別委員会(佐古一夫委員長)は18日、民生常任委員会所管分を審議した。この中で市は生活保護受給者のうち、心身が働ける状態にありながら就労していない受給者が534人(2月1日現在)いることを報告した。併せて受給者を就労につなげる「就労等意欲喚起プログラム」の参加人数を新年度150人に増やして対応することを示した。  534人は65歳以上の高齢者を除いた16〜64歳の中から、医師やケースワーカーの診断をもとに判断。市によると、保護を受けている理由は「希望の仕事に就けない」「仕事が見つからない」が目立つという。

 病気などの理由で一時的に就労していないケースを含めると1078人。病気には「引きこもり」「働く意欲がない」といった理由も含まれている。1月末現在の保護者数は1万3131人。

 市は同プログラムの参加人数が本年度90人に上り、新年度は150人を目指すことを報告。工藤篤氏(市民クラブ)は90人のうち6人がNPO法人や飲食業に就職したことについて「6人は今も働いているのか」と質問し、市は「2人が辞めており、その2人は再度プログラムに入った」と答弁した。

 阿部善一氏(民主・市民ネット)は「市が就労支援した受給者の中には、就職の面接を受けてもあからさまに受からない態度をする人がいると聞いている」と指摘。市は「そういう人がいることは聞いている。本人の意識改革も含めながら、就労に向けた支援を続けていきたい」と述べた。

 このほか池亀睦子氏(公明党)は、生活保護の医療扶助に関し「病院を訪れた受給者に対して過剰な診療や処方をしている病院はあるか」と質問。

 市は過剰とされる病院の存在については明示せず、医療扶助の仕組みなどを伝える個別指導を毎年3病院ずつ行っていることを報告。また病院が医療費の請求に使う診療報酬明細書(レセプト)について「レセプトの点検は業者に委託しているが、その内容をもとに日ごろから医療機関に指導している」と話した。(後藤 真)