2013年3月2日 (土) 掲載

◎福島町特産「黒米」使い料理教室

 福島町がブランド化を目指している特産の「黒米(くろまい)」を使った料理教室が1日、函館市柏木町の函館短期大学付設調理製菓専門学校(下野茂校長)で開かれた。同町内の主婦ら37人が参加し、黒米の特徴を生かした個性あふれる6品に挑戦した。

 福島町黒米生産会と福島町が主催。黒米は古代米の一種で、ビタミンやミネラルなどの栄養素を多く含む。同町では2007年から「きたのむらさき」と呼ばれる品種の栽培を開始。現在は渡島管内の「コープさっぽろ」で販売するなど、特産品としてのPRに力を入れている。

 黒米はこれまで、白米に混ぜて食べるなど、利用方法が限られていたため、さらなる消費拡大を目指そうと、同校の吉田徹教頭にレシピの開発を依頼。この日は、「黒米のクリーム煮 シイタケ詰め」「黒米のピラフ ウインナー添え」「大学イモの黒米入りシロップ添え」「黒米のチーズ包み・スパイス風味」「黒米のジュース パイン風味」の6品に挑戦した。

 参加者は吉田教頭の指導に従い、5グループに分かれて調理を開始。料理によって黒米をゆでたり、炒めたり、煮込んだりとさまざまな手順で仕上げていった。完成後は全員で試食し、「黒米の食感が楽しい。家庭でも作ってみたい」などの声が聞かれた。福島町月先の丸井啓子さん(64)は「黒米がこんなに料理に活用できるなんてびっくり。自分でもいろいろ工夫してみたい」と意欲をみせていた。

 吉田教頭は「黒米のしゃきしゃきした食感を生かすために、生の状態から直接ゆでてみたらうまくいった。まだまだ可能性を秘めた興味深い食材」と話していた。同生産会では今後も同校と協力しながらオリジナルレシピを開発して、黒米のPR活動を推進していきたいとしている。(小川俊之)



◎旧函館区公会堂で「ハイカラ衣裳館」営業開始

 気分は貴婦人—。華やかなドレスを着て館内を散策する「ハイカラ衣裳館」の営業が1日、国の重要文化財・旧函館区公会堂(元町11)で始まった。初日は観光客の男女17人が利用。「ぜいたくな気分だね」などと写真撮影を楽しんだ。

 観光客に人気の同衣裳館は1992年度から始まり、昨年(3〜12月)は前年比約2割増の1万8500人が利用した。

 来館者は好みのドレスを選び、メークもして大変身=Bレトロな館内をゆっくり歩き、階段や、函館湾が眼下に広がる2階のバルコニーなどで記念撮影していた。

 東京から卒業旅行で来ていた大学生の浅井愛弓さん(22)、上崎悠さん(22)は「ドレスだけでなく、髪飾りもメークもここまで本格的とはびっくり。初めての函館でいい思い出になった」と満足そうだった。

 衣装は1着1000円(20分間)、ヘアメイク1000円(5分)、別途入館料が掛かる。女性用ドレスは54着、男性用燕尾服などは5着。女児用ドレスは7着、男児用5着。予約不要で希望者は直接同館へ。問い合わせは同館рO138・22・1001へ。(長内 健)



◎江差線廃止案、JRが9億円支援提示

 【上ノ国】JR北海道が2014年度初頭の廃止案を示す、江差線木古内—江差間について、沿線の木古内、上ノ国、江差の3町でつくる「第4回JR江差線対策協議会」(会長・工藤昇上ノ国町長)が1日、上ノ国町内で開かれた。JR側が廃止後の地元支援として9億円を提示、各町は了承の構えで本年度内に正式合意する。これを受け、鉄路の廃止が決定的となった。

 協議会は前回の昨年12月、代替バス運行にかかる支援額について、JR側が当初示した15年間から20年間分とするよう要望。また運行路線の区間延伸や待合所の設置費用など、手厚い内容を求めた。

 第4回協議会では、協議会側が試算した15年間の支援額が7億3500万円、20年間分では10億6000万円が妥当と迫り、これに対しJR側は9億円(協議会の試算では18年間分相当)の一括拠出を伝えた。JRの小山俊幸常務は「厳しい経営状況の中で、ぎりぎりの判断をした。理解をいただきたい」と述べた。

 各町は3月の定例町議会で報告し、3月28日開催予定の第5回協議会で調印したい考え。合意後は、バス事業者を公募し、路線や停留所などの具体的な運行計画を立てる。試算項目に「地元のバス事業者」とあり、函館バスと協議に入る可能性が高い。駅舎やレールなどの関連施設は、JRと各自治体が個別協議するという。

 工藤会長は「JRの誠意を感じた。江差線を残してほしいという気持ちも分かるが、その思いだけでは解決できない。住民の交通の足を守るということが大事だ」としている。(田中陽介)


◎市電100周年キャッチコピー「100年の 歴史を乗せて 夢・未来」に

 路面電車開業100周年を記念し、函館市企業局交通部が募集していたキャッチコピーが「100年の 歴史を乗せて 夢・未来」に決定した。兵庫県の村岡孝司さん(70)の作品で、コピー入りのポスターを作製し、1日から車内などで掲示を始めた。

 コピーは全国から584点が寄せられ、職員による投票で5点に絞り込み、インターネット上などで投票を呼び掛け、96件の投票があった。同部事業課は「100周年にふさわしいコピーをつくってもらった」と話し、今後展開する記念グッズや掲示物にコピーを盛り込む考えだ。

 A2判のポスターには、市内大町の相馬株式会社前を走る超低床電車「らっくる号」を背景に、ササラ電車や530号車など4台の写真と、「鉄道むすめ」の松風かれんをあしらった。B3判ポスターには、300形や1000形など、かつて市内を走行した車両の手描きイラストを乗務員が手がけた。

 また、1日から、車内放送で次の電停を知らせる合図に使用しているチャイム音をリニューアル。記念事業で募集していたもので、37作品の中から市内上野町の片山幹雄さん(28)の作品に決まった。(今井正一)