2013年3月20日 (水) 掲載

◎学校給食に魚料理を 水産物卸売市場普及対策協が試食会

 函館市水産物地方卸売市場魚食普及対策協議会(松山征史会長)は19日、函館短大付設調理製菓専門学校で、学校給食向け魚料理をPRする試食会を開いた。イナダのムニエルなど13品が登場し、味わった栄養教諭から好評を得た。

 市は新年度、給食メニューにブリ、イナダを2回、サケを1回出す予定。このため予算案に経費474万円を計上しており、旬を迎える2学期に食材として使う。

 給食での使用を見据え、プロがメニュー提案することで献立づくりの参考にしてもらう狙い。市栄養教育研究会(見澤敏弘会長、会員26人)に呼び掛け、栄養教諭7人が参加した。

 食材に使ったのはイナダのほか、ドンコ(エゾイソアイナメ)やマダラなどのすり身。同校の吉田徹教頭が洋食7品、北川陸雄日本料理研究室長が和食6品を作った。

 同研究会の水山薫副会長(湯川小栄養教諭)は「魚料理はこれまで揚げ物しかなかったので、一度揚げたものを炒めたり、煮たりしてアレンジすれば使える」、鈴木みどり幹事長(大川中栄養教諭)は「イナダやブリは給食に使ったことがない。食べたら魚臭くなく、おいしい。地域が潤うことも考えて、積極的に使えれば」と話していた。

 市農林水産部は「栄養教諭との意見交換の場を増やし、食材の最適な利用方法を探っていきたい」としている。(山崎大和)



◎待ち時間 ひと目で 五稜郭病院が表示モニター設置

 函館五稜郭病院(老松寛院長)は、院内に設置されたモニターで診察までの待ち時間を表示するシステムを導入した。各科の外来窓口や総合案内などに20台のモニターを設置し、診察の進行状況を表示することで待ち時間の目安を伝えている。

 同病院ではサービス向上のため、2007年度から患者への不満足度調査を実施しており、待ち時間に関する不満が多いという。その改善を図ろうと導入した。

 診察を予約している患者は、新棟1階にある受付機へ診察券を挿入し呼出番号券を受け取る。その後、受診する科の外来窓口に診察券を提示すると、30分以内に呼び出される番号がモニターに表示される。

 予約をしていない患者は、新患受け付けで職員から呼出番号券とカルテを受け取り、カルテを外来窓口に提出する。

 携帯電話で呼出番号券に表示されているQRコードを読み込み、メールアドレスを登録すると診察予定時間の約30分前にメールで通知させることもできる。登録されたメールアドレスの情報はその日限りで消去される。

 同病院医療総合サービスセンターの船山俊介センター長は「患者様の感覚的な待ち時間を軽減することができる。また、名前ではなく番号で呼び出しをするので個人情報の保護にもつながる」と話している。(金子真人)



◎若手講談師の宝井駿之介さん 流ちょうな語りで魅了

 若手講談師の宝井駿之介さん(34)を招いた講談と落語の会「ふきのRとうく演芸会」が19日、函館市地域交流まちづくりセンターで開かれた。宝井さんは張扇(はりおうぎ)で釈台をたたいて調子を取り、流ちょうな語りで伝統話芸の魅力を伝えた。

 宝井さんは、故田辺一鶴氏に師事し9歳でデビュー。2001年に駿之介に改名し、08年に講談協会の二ツ目に昇進。道南落語倶楽部の荒到夢形(本名・荒井到)さんとの縁で、初めて来函した。

 この日は昼夜2公演で、ともに函館在往の落語家・東家夢助さんらが出演した後、トリで登場。昼の部では、はじめに「三方ケ原(みかたがはら)軍記」の聞かせどころを高座から降り、来場者と握手しながら読み聞かせた。続いて師である「田辺一鶴伝」を演じた。吃音(きつおん)を治そうと講談の世界に入った一鶴氏の苦労や、名作「東京オリンピック」の誕生秘話を交えた物語に、観客は引き付けられた。

 「また何度も函館に来たい」と話した宝井さんに来場者は大喜び。市内湯川町の主婦岡田康恵さん(52)は「宝井さんの熱い語りで元気をもらった気分。また落語や講談の機会があれば出掛けたい」と話していた。(山崎純一)


◎道南全体で連携 道新幹線開業効果

 【北斗】道南の市町や経済団体などで構成する「北海道新幹線の開業を活(い)かした地域づくり懇談会」(座長・中西猛雄渡島総合振興局長)の本年度第2回会合が19日、北斗市総合文化センターで開かれ、道南地域の2015年度開業に向けた行動計画(アクションプラン)をまとめた。計画期間は本年度から16年度までの5カ年で、新年度からプランに沿った活動を進める。(鈴木 潤)

 開業に向けオール道南で取り組む体制をつくるとともに、各市町や団体が足並みをそろえながら戦略的に取り組めるよう、道が昨年11月にまとめたカウントダウン・プログラム(全道版)に沿ってプランを策定した。

 プランは、「開業効果を道南全域の振興・発展に結び付ける」「不断に、地域資源の磨き上げや交流・連携の拡大を進める」「民間の知恵や創意工夫を活かす」の3つの視点に立って策定。@普及啓発・開業PR・情報発信A観光振興B2次交通アクセス網の整備C産業振興—の4項目を重点分野に掲げた。

 各項目の施策は@が開業記念切手の発行や統一キャッチコピー、ロゴ、キャラクターなどの作製、ホームページやブログなどの情報発信の一元化などを盛り込んだ。Aは既存の観光資源の磨き上げと新たな魅力発掘をし、縄文文化遺跡や江差追分など文化的な遺産も観光資源に活用。東北や後志地域との広域観光も推進する。

 Bは新函館駅(仮称)—JR函館駅間の鉄道アクセスを充実させ、並行在来線の観光目的での利用、観光列車の運行も検討していく。さらに函館空港やフェリーターミナルへのアクセスも高める。

 Cは道南産品の販路拡大やブランド化、地域の食材を生かした料理創作、土産品開発、企業誘致、コンベンション・スポーツ合宿の誘致などを搭載した。

 各施策は市町、団体ごとに実施するもの、国や道などと連携するものがあり、渡島総合振興局や桧山振興局が必要に応じて支援し、関係機関と調整しながらプランを進めていく。

 渡島総合振興局地域政策部は「開業に向けた取り組みは市町、団体によって差がある。プランをきっかけに足並みをそろえ、道南全体で開業効果を享受できるようプランを実行したい」としている。