2013年3月23日 (土) 掲載

◎遺愛女子高放送局、原発問題の取材に挑戦

 遺愛女子高放送局(日野夏美局長、局員6人)が、原発をテーマにした作品づくりに打ち込んでいる。函館で盛んな大間原発(青森県大間町)の反対運動を受け、あえて硬派な社会問題に挑戦。局員たちは「賛否ではなく、事実を知って視野を広げたい」と意気込んでいる。

 同局は現在1、2年生6人で活動。2年生の日野さん(17)、副局長の三浦菜さん(17)、渡辺彩さん(17)、高橋雛乃さん(17)の4人が、第60回NHK杯全国高校放送コンテスト道南地区大会(高文連道南支部、NHK函館放送局主催)=5月25〜26日・函館西高=に向けて作品づくりに取り組む。4部門にエントリー、原発に関する作品はラジオドキュメント部門に出品予定。7分半以内でインタビューを入れるなどしてリアルな作品に仕上げていく。

 同部門は渡辺さんが中心となって取材を重ねている。2月7日のフォーラムでは、ゲストの歌手加藤登紀子さん、詩人アーサー・ビナードさんにインタビュー。今月10日の市民集会でも、吹雪の中で参加者約15人から声を集めた。

 これまでは原発問題に関心のある人たちのインタビューを集めており、今後はそうでない人たちの声も拾ってみたいという。

 渡辺さんは「取材するまで、大間のフルMOX(プルトニウム・ウラン混合酸化物)など、知らないことがたくさんあった。作品が原発に関心を持ってもらうきっかけになれば。高校生らしい視点でまとめたい」と話す。顧問の相川宏泰教諭は「生徒たちは積極的。活動を応援したい」と見守っている。(山崎大和)



◎洋ラン色鮮やか

 函館洋蘭倶楽部(吉田信之会長、会員46人)の「春の洋蘭展示会」が24日まで、函館市亀田福祉センター(美原1)で開かれている。色鮮やかなさまざまな種類のラン約190鉢が会場に並び、来場者を魅了している。

 同倶楽部は1968年創立の道内でも歴史の古い洋ランの愛好団体。活動のメーンとなる春の展示会は今年で46回目。会場にはカトレアやシンビジウムなどのおなじみの種類から、エピゲニュームという珍しいタイプまで、多種多様なランがずらりと並んでいる。吉田会長は「今年の冬は寒暖の差が激しく温度管理が難しかったが、展示会に合わせて会員のみなさんがうまく調節してくれた」と話す。

 期間中は随時、ベテラン会員が洋ラン栽培の相談に乗るほか、最終日の24日には、札幌の「えるむ花園」の川面豊樹園主による栽培講習会も予定されている。

 入場無料。開催時間は午前9時半〜午後5時(最終日は午後4時まで)。問い合わせは同倶楽部事務局(TEL090・7050・3855)へ。(小川俊之)



◎新函館—五稜郭アクセス列車走行で、JRが月内にも電化着工

 JR北海道は今月末にも、北海道新幹線開業後にアクセス列車が走る新函館(仮称)—函館間の電化工事に着手する。同区間(17・9キロ)のうち、電化が済んでいない14・5キロが対象。新たに在来線駅舎を建設するほか、電線を通すための電柱や変電所を設置し、新幹線を降りた後の函館駅までの移動の利便性を高める考えだ。準備期間を経て4月から本格的な工事に入る見通し。

 国土交通省の認可が下り次第、工事を開始する予定。4月20日に七飯駅付近で起工式を行い、工事を本格化させる。工期について同社は「新幹線が開業する前の2015年度内」としている。電化工事のほか、在来線の駅舎建設が含まれており、総工費は完成までの約3年間で総額18億円を見込む。

 五稜郭—函館間は電化済みのため、新函館(現在の渡島大野)—五稜郭間が電化工事の対象となる。電線を通すための電柱を立てたり、新たに変電所を設置する。

 在来線の駅舎は2階建てで、延べ床面積は約1100平方メートル。駅舎内には在来線ホームと乗り換え用の改札、エスカレーター、エレベーターを設置。新幹線の駅舎部分については鉄道・運輸機構、在来線駅舎はJR北海道が建設する。

 アクセス列車と在来線のホームは同一の高さで、新幹線を降りた後、階段を上り下りせずに札幌方面に向かう特急や現函館駅に向かうアクセス列車に乗り継ぐことができる。工事ではアクセス列車の線路を1本新設。ホームは約70メートルとする計画で、函館へのピストン輸送は3両編成での運行になる見通しだ。

 アクセス列車をめぐっては、同社が所要時間を現在の約25分から17分に短縮する方針を示しており、車両についてもロングシートタイプを検討。一方、函館市や市議会、関係機関などは旅情を感じさせるようなリゾート列車の運行を同社に要望している。(松宮一郎)


◎函館市教委の佐藤さん、埋蔵文化財調査で被災地に派遣

 東日本大震災の復興支援として、函館市教育委員会の佐藤智雄さん(54)が4月から1年間、被災地の岩手県大船渡市に派遣される。住宅移転予定地の埋蔵文化財調査が業務内容で、「できることを精いっぱいやりたい」と意気込んでいる。

 佐藤さんは現在、生涯学習部文化財課の学芸員として遺跡調査などをしており、発掘調査歴約30年のベテラン。南茅部支所に勤務している。

 職員派遣は文化庁からの要請で、発掘調査員として同市に派遣されるのは佐藤さん含め4人。三陸町にある消防庁舎や個人住宅の高台移転予定地に縄文遺跡群があるため、発掘調査を早急に行い移転を促進することが求められている。

 22日に辞令が交付され、山本真也教育長は「経験十分なので期待している。函館の代表として全国から集まる職員さんと一緒に良い仕事をして、1年後元気に戻ってきてほしい」と激励。

 佐藤さんは「派遣場所は大学生のときに訪れたことがあり思い入れがある。復興が十分進んでいないため、頑張って力になりたい」と話している。(後藤 真)