2013年3月3日 (日) 掲載

◎江差線 風情ある旅演出

 来年春に廃止される見通しのJR江差線木古内—江差間の風情ある旅を満喫する特別列車「乗ってみるべ〜JR江差線冬号」が2日、初めて運行され、約100人が乗車した。車内での講演、江差追分の披露、ご当地弁当、キャラクターショーなど工夫を凝らした内容で盛り上がった。

 「どうなん・追分シーニックバイウェイルート運営代表者会議」(北島孝雄会長)の主催。

 この日は雪の影響でダイヤが乱れ、当初は中止も検討されたが、函館駅出発後は好天となり、知内町の高橋豊彦学芸員が車両内で講演した。

 木古内では、ご当地弁当と鍋料理が用意され、好評。江差追分全国大会優勝者の寺島絵里佳さんのステージでは、「揺れる車内での歌は初めてですが、頑張ります」とすてきな音色を響かせてひと際盛り上がった。上ノ国駅ホームでは、地元の和太鼓が歓迎。到着地の江差駅では、ちんどん屋がにぎやかに一行を迎えた。

 函館市の会社員、倉本祥五さん(35)は「路線がなくなるのは寂しいが、特別列車で素晴らしい時間を過ごせた。函館から来て本当に良かった」と満足の様子だった。(田中陽介)



◎市電車内に力作ずらり 小学生新幹線絵画コンクール

 函館市内の小学生から募集した「夢乗せて走れ! 北海道新幹線はこだて絵画コンクール」の入賞作品が市電の車内で展示されている。3年後にやってくる新幹線への期待と夢が詰まった力作が並べられ、乗客の目を引いている。

 コンクールは北海道新幹線新函館開業対策推進機構の主催。開業に向けた市民の機運の醸成と次世代を担う子どもたちに新幹線への関心を持ってもらおうと、昨年度から行っている。今回は59点の応募があった。

 3年後に開業する北海道新幹線がテーマ。最優秀賞には花田大悟君(低学年の部、道教育大附属小2年)と松山真莉萌さん(高学年の部、同5年)の2人が選ばれた。今回展示しているのは入賞作品16点で、家族や友達と一緒に乗る姿など新幹線を思い思いに描いている。

 作品は4月7日まで「北海道新幹線PR電車」(812号車)で展示。また、棒二森屋(4月12〜21日)と五稜郭タワー(5月20〜26日)でも作品展を行い、全応募作品を紹介する。



◎町会の街路灯 LED化進む

 函館市内で消費電力の少ない発光ダイオード(LED)を使った街路灯の設置が進んでいる。市は新年度予算で水銀灯なども含めた設置補助金を引き上げる方針。函館市町会連合会でも街灯部が取りまとめて発注し、納入価格の低廉化を図ることで各町会での導入を後押し。LEDの普及に大きな弾みが付きそうだ。

 市は新年度予算案で、設置補助金を前年度比2056万円増の5235万円とした。市民部によると、市が電気代の8割を補助する街路灯は約2万3000基。本年度はLEDの新設・取り替えを約500基行い、新年度は1380基を予定している。

 LEDは電気料金の低減、二酸化炭素排出量削減効果が高いとされるが、各町会では設置コストの高さなどから導入に二の足を踏んでいた。しかし、市の補助金制度やLED化をめざす町会が多くなっていることから、本年度、同部で希望する各町会の発注を取りまとめて業者に依頼。市の補助金活用と合わせ、各町会の負担額を1灯当り5100円に抑えた。

 施工は新年度から始まり、37町会492基の設置を予定。市町連の深瀬晃一街灯部長は「LEDは虫がよらないし、電気料が少なくて済む。各町会の出費も抑えられ、これからLEDを積極的に設置する町会が増えていくと思う」と話す。

 本年度、LEDを約40基設置した陣川あさひ町会は「蛍光灯よりも明るい」と、地域での評判も上々。同町会は「補助金引き上げはありがたい。新年度も古いものから順にLEDに取り換えていく」とする。

 2009年からLEDの設置を進める東山町会は、本年度35基、新年度も35基設け、同町会が管理する354基のうち3分の1がLEDになる予定。同町会の米田知明街灯管理部長は「耐久性があり、水銀灯などに比べると明るく、防犯効果もある。順調にいけば6、7年で町会で管理する街路灯は全てLEDになる」と話す。 (平尾美陽子)


◎平和願い植樹 函館の集いを記念

 3日に函館市民会館(湯川町1)で開かれる、第29回「平和の日」函館の集い(日本ペンクラブ、実行委主催)の開催を記念した植樹式が2日、函館市芸術ホール(五稜郭町26)で開かれた。同クラブの浅田次郎会長らが参加し、イチイ(オンコ)の木に平和の願いを託した。

 同集いは、言論表現の自由を守る目的で1935年に創立した同クラブが、1984年から3月3日を「平和の日」と定め、毎年各地で行っている対談形式のイベント。今回は市制施行90周年を記念し、道内の初開催地として函館が選ばれた。「平和の日に想う 環境・ことば・歴史・まつり」をテーマに、浅田会長ら8人のゲストが、2人ずつトークバトルを行う。

 記念植樹には浅田会長をはじめ、集いに出演するタレントの中村敦夫さんや、七飯町在住の作家新井満さんら、同クラブの関係者ら約30人が参加。当初は同ホールの前庭で行う予定だったが、悪天候のためロビー内で函館市の木であるイチイの鉢に、5人ずつが交代で土をかけていった。イチイは後日、前庭に植えられる。

 浅田会長は「明日(3日)の集いには多くの市民に足を運んでもらい、平和について考える場にしてもらえるとうれしい」と話していた。(小川俊之)