2013年3月30日 (土) 掲載

◎黒米ランチ召し上がれ 辺見旅館提供

 函館市若松町の「辺見旅館」(長谷川千鶴子女将)は27日から、福島町産の黒米「きたのむらさき」を取り入れたランチメニューの提供を始めた。独自の色合いと食感が好評で、長谷川さんは「栄養価が高くおいしい黒米を少しでもPRできれば」と話している。

 黒米は古代米の一種でビタミンやミネラルなどを多く含むことで知られる。2007年から福島町内で試験栽培が始まり、町の特産品としてのブランド化を目指している。 長谷川さんは今月16日に函館市内で行われた、黒米を使った料理の試食会に参加し、そのおいしさに注目。さっそく宿泊客用の夕食のご飯に黒米を混ぜて提供したところ評判が良かったため、ランチメニューにも取り入れることにした。 ランチは水曜日と金曜日の週2回、10食限定750円で提供。魚と野菜が中心のヘルシーメニューが評判で、常連客の利用が多い。この日はブリの照り焼きをメーンに3種の小鉢が付き、黒米をブレンドした桜色のご飯が添えられた。初めて黒米を食べたという市内の会社員、高山知さん(49)は「思ったより柔らかくておいしい。栄養価も高いというので家庭でも取り入れてみたい」と話していた。

 長谷川さんは「今後はご飯だけでなく、さまざまな料理にも活用していきたい。道南独自のブランドを盛り上げていければ」と意欲を見せている。 黒米は道南地区のコープさっぽろ各店などで販売している。(小川俊之)



◎開業効果 最大限に 「新幹線観光対策室」設置

 【江差】桧山振興局は新年度から、広域観光対策の専門チームによる「新幹線観光対策室」を立ち上げる。管内各町や関係団体との連携を一層強め、最大限の開業効果の創出を目指す。また、江差町をモデルに町民がメンバーの官民横断組織も立ち上げ、地元住民ならではの柔軟な発想を生かして誘客などの取り組みを強化していく。

 活動の最重点課題は、交流人口の拡大による地域経済活性化。同室は同振興局の商工労働観光課内に新設、従来の担当職員4人から6人体制とする。

 各町や観光協会、商工会などと「新幹線観光推進委員会」(仮称)を運営し、広域観光の掘り起こしや磨き上げ、東北・北関東へのPR策検討のほか、管内観光PRビデオ作成、ご当地弁当の開発などに当たる。

 対策室に合わせて、官民横断組織の「江差町やわらかネット」を立ち上げる。役場や観光と商工関係者のほか一般町民も交え、「2週間に1回夕方に集い、毎回テーマを絞って意見を交わしたい。堅苦しい雰囲気ではなく気軽な集いの中から斬新なアイデアなどを生みだしたい」(関係者)とし、江差での実践を踏まえて、他町でも同様の組織づくりを展開したい考え。

 室長の佐藤正人・桧山振興局商工労働観光課長は「関係機関との協力、住民との意見交換などで、2015年度の北海道新幹線開業の大きなチャンスを最大限に享受できるよう各種事業に力を入れたい」としている。 (田中陽介)



◎国が中活計画認定 WAKO再開発など

 函館市が申請していた函館市中心市街地活性化(中活)基本計画が29日付で、内閣総理大臣の認定を受けた。道内では旭川などに続いて10番目。4月から2018年3月までの5年間、国から重点支援を受け、55の計画事業に取り組み、新年度には、若松町のWAKOビルの再開発、市電函館駅前電停の改築などを展開。官民総力を挙げた函館再生への一歩を踏み出す。

 同日、函館市など5市の計画と、帯広市や青森県八戸市など12市の第2期計画が認定された。計画は、函館駅前・大門地区と本町・五稜郭・梁川地区を結ぶ主に市電沿線が対象エリア。市や民間が主体となる各計画事業で、商店街の活性、回遊性の向上などを図り、地域に新たなにぎわいを創出する。

 中核事業のうち、分譲マンション併設の複合ビルに生まれ変わるWAKOビル(若松町)は、5〜16階部分のマンション開発事業者が近く決定する。実施設計に入り、秋ごろには現ビルの解体が始まる。本町地区では、旧グルメシティ五稜郭店の再開発に向けて、特定目的会社「SPC函館本町開発」が基本設計に取り組む。両ビルには市の施設が入居予定で、新幹線開業時に部分供用を開始したい考えだ。

 駅前・大門地区の再整備案「中心市街地トータルデザイン」は27日に開かれた検討委員会で、近日中に最終成果品がまとまる見通しとなった。市が駅前電停改築に着手するほか、函館開発建設部に駅前通整備を要望する。

 ソフト事業では、居住人口増加を図る子育て世帯家賃補助事業、新規出店促進対策として、函館商工会議所の利子補給事業や、市が店舗改装費などを補助する制度などが4月に始まる。

 工藤寿樹市長は「正式認定は喜ばしい。大門や本町の再生に動き出せる。新幹線開業までにできるだけの形をつくってまいりたい」と述べ、市経済部は「地元商店街や経済界と連携し、にぎわいのある街を目指していきたい」と話している。 (今井正一)


◎郷土色ある優良土産品 最高賞3点選出

 郷土色のある優れた道南の観光土産品を選定する第57回函館圏優良土産品推奨会が28日、函館市内のホテルで開かれた。最高賞にあたる函館市長賞には昭和製菓の「はこだてがぎゅうさんのろーるけーき」とかくまんの「一夜干し焼いか」、ウエノヤマ技巧の「ジンギスカン鍋」の3点が選ばれた。

 市や函館商工会議所、函館国際観光コンベンション協会などでつくる実行委(名取明彦委員長)の主催。毎年観光シーズンが本格化する前のこの時期に行っている。

 新幹線開業が3年後に迫り各業者とも新商品の開発、販売に力を入れており、今年は渡島・桧山管内の土産品の製造、販売メーカー20社から菓子、農水産品、民工芸品の3部門に昨年よりも多い計74点の応募があった。

 この日は消費者団体のメンバーや観光、行政関係者ら14人が審査にあたった。審査項目は原材料や消費期限の表示などで、審査員は一つ一つ手に取り、試食をしながらチェックしていった。  推奨品に選ばれた商品は「函館圏優良土産品」として推薦されるほか、全国観光土産品公正取引協議会などの「認定証シール」を貼って販売することができる。 (松宮一郎)

 市長賞以外の入賞品は次の通り。

 ◇函館商工会議所会頭賞 はこだて雪んこ(カドウフーズ)、黒豚カレー(不二屋本店)

 ◇函館国際観光コンベンション協会会長賞 函館活活いかせんべい(不二屋本店)、ほっけすり身(滝川鮮魚店)

 ◇みなみ北海道地区観光土産品公正取引協議会会長賞 桜の五稜郭(かいせい)、燻製たまご函館物語(笹川)

 ◇奨励賞 五島軒欧風カレーおかき(北海道製菓)、ミルク餅(天狗堂宝船)、黒胡椒たらこ(丸鮮道場水産)、いかわさびふりかけ(不二屋本店)