2013年4月1日 (月) 掲載

◎日航 函館—伊丹線再開 8年ぶり 関西圏との交流拡大に期待

 日本航空(JAL)の函館—大阪伊丹線が31日、就航した。8年ぶりの運航再開で、ビジネスや少人数での観光客をメーンターゲットとし、1日1往復する。再開は函館側からの要望活動が実った結果で、関西圏からの観光客増加、経済の交流拡大に向け関係者の期待は膨らんだ。

 同路線の再開は、JALの地方路線を中心とした国内線ネットワーク拡充の一環。2005年から運航を休止していたが、昨年11月に工藤寿樹市長や松本栄一函館商工会議所会頭らが同路線再開の要望書を提出。同社はそれに応える形で再開を決めた。

 使用機材は50人乗りの小型ジェット、ボンバルディアCRJ200。全席革張りで高級感のある機内が特徴。伊丹を午後0時55分に出発し、函館到着が同2時半。同3時に函館を出発し、伊丹には同4時45分に到着する。

 この日は伊丹発、函館発ともに満席だった。同3時の伊丹行き初便の出発前に、工藤市長のほか関係者約30人が出席し記念セレモニーが開かれた。工藤市長はあいさつで「待ち望んでいた再開。この路線を大きく育てていきたい」とし、「青函両地域が連携して関西からの誘客を進めていく」と述べた。

 一方、同社の上川裕秀専務執行役員は「ビジネス、観光で利用する人にとって利便性が高い。出足の予約は順調だが、年間を通してしっかりと実績を積み上げていきたい」と抱負を語った。

 家族で函館観光を楽しんだ京都府の会社員、新宅敏さん(47)は伊丹行き初便に搭乗。「伊丹線があるととても便利。函館に来る機会があれば、また利用したい」と話していた。(松宮一郎)



◎甘さ抜群 イチゴ出荷盛ん 北斗

 【北斗】北斗市開発の日景博美さん(66)方のハウスで、イチゴ「さがほのか」の収穫作業が本格化している。妻の綾子さん(66)とともに真っ赤なイチゴを丁寧に摘み取り、「甘さには自信がある」と口をそろえる。

 甘みの強い、さがほのかをハウス4棟(計15e)で栽培。昨年9月に定植、今年1月下旬から収穫を始め、6月いっぱいJAを通じて函館市場へ出荷する。暖房のほか、畝(うね)間と土中に設置したパイプに温水を循環させ、気温27〜28度、地温15〜16度を確保している。

 博美さんは「今冬は寒くて雪も多かったため、温度管理や除雪に苦労した。また、灯油代も高騰して大変だった」と話す。

 ハウス内には甘酸っぱい香りが漂い、春らんまん。「大豆かすなどで自家製有機肥料を作って投入するので、実に甘みが出る」と博美さん。味が落ちるのを防ぐため収穫は早朝に行い、現在は日量40ケース(1ケースは300c入りパック×4)を出荷、量のピークは5〜6月という。

 北斗では、4月中旬から春イチゴ「けんたろう」の出荷も始まる。(山崎大和)



◎新本堂の完成祝う 西本願寺函館別院竣工式

 函館市東川町12の浄土真宗本願寺派(西本願寺)函館別院(田中明宏輪番)の新本堂の竣工(しゅんこう)式が31日、現地で行われた。新本堂は昭和初期に存在したレンガ造り風の建物で、関係者が待望の完成を祝った。

 新本堂建設は、2011年の親鸞聖人750回大遠忌(だいおんき)法要を機とした同別院新生事業の一環で、昨年3月4日に起工式が行われた。鉄筋コンクリート2階建て、床面積は約2500平方b。出入り口や廊下はバリアフリーで、参拝席はすべて椅子席になっている。

 式には工事関係者、門徒ら約70人が出席。僧侶の読経が流れる中、焼香するなどした。田中輪番は工事関係者への礼を述べ「全国からお参りを希望する声が聞かれている。この声に応え、末永く建物を伝えたい」とあいさつした。  終了後、出席者は建物内を見学。新本堂の落成法要は5月26日に行われる。(山崎純一)


◎函工高定時制生徒2人、ジュニアマイスターに

 合格した工業系国家試験や検定を難易度別に点数化し、高得点となった生徒を表彰する2012年度下期の「ジュニアマイスター顕彰制度」で、函館工業高校定時制(白野勝義校長、生徒86人)機械科4年の生徒2人が同マイスターに認定された。同校は「難関試験合格が認定に結び付いた」と喜んでいる。

 全国工業高等学校長協会(東京)が、専門知識を持つ生徒の育成を目的に実施。100以上ある試験などを点数化し、その合計点が30点以上で同マイスターシルバーに、45点以上でゴールドに認定。函館工業高定時制は今年1月に申請し、2月に認定証が届いた。

 今回、林崎めぐさん(18)が47点でゴールドに、勝山晴菜さん(18)がシルバーに認定。共に入学から3年間、授業前後に加え、長期の休みなどの講習で勉強を重ねた。

 林崎さんは、危険物取扱者甲種(20点)と消防設備士甲種4類(20点)、第二種電気工事士(7点)を取得。この2年間はアルバイトと勉強の両立で忙しく、過去問に毎日向き合い、眼鏡をかけなければならなくなったほど。林崎さんは「分かる喜びを実感しながら勉強した。就職活動に生かしたい」と笑顔。現在は消防設備士甲1類試験に向けて勉強中だ。

 生徒会長の勝山さんは、危険物取扱者甲種(20点)と毒劇物取扱者一般(12点)を取得。1年生から生徒会に所属する傍ら、空き時間を見つけて問題に取り組んだ。勝山さんは「どの試験も生活に密着した内容があり、楽しく挑戦できた。認定は努力の証し。私もゴールドを目指す」と張り切り、消防設備士甲種4類試験の準備をしている。

 担当の佐藤勝博教諭は「『危険物|』は工業系の高校生が腕試しで受ける難しい試験で、よく頑張った」と喜んでいる。(長内 健)


◎函館高専 新学科スタート

 函館高専(岩熊敏夫校長)は1日、学科再編して誕生した新学科(本科5年)をスタートさせる。技術を融合して課題を解決する能力を持ち、英語を駆使して国際的に活躍できる人材を育成する狙い。全国51国立高専に先駆けた改組で、新学科の成否が注目を集めそうだ。

 旧5工学科(機械、電気電子、情報、物質、環境都市)について、入学定員を200人に据え置いたまま生産システム工学科、物質環境工学科、社会基盤工学科を新設。4日の入学式で新学科1期生200人が歴史の一歩を踏みだす。新2年生以上は5学科体制のまま進級していく。

 新1年生は学科を分けず、混合学級5クラスを編成。3学科の基本や共通科目を学習、自らの関心や適正を見極める。学科に進んだ後のミスマッチを防ぐため、キャリアデザイン(人生計画)教育に力を注ぐ。

 2年進級時に3学科に配属され、さらに専門性に応じて学科内5コースを選択。4年次からは、将来展望を見据えて10の履修コースの中から1コース(20人程度)を選択する。目玉がグローバルマネジメント履修コース。英語や数学、物理、化学、生物などの科目を徹底的に学び、難関大進学のほか、企業で即戦力となる人材を育てる。

 本科卒業後の専攻科(2年)についても、現行2専攻から3専攻とする方向で、今後具体的な検討を進めていく。

 函高専副校長の浜克己教授は「社会や企業ニーズに基づく、ものづくり実践には、一つの専門分野だけでは難しくなっている。新学科に生まれ変わって良かったと評価されるよう、新入生の教育に心血を注ぐ」と話している。(山崎大和)