2013年4月10日 (水) 掲載

◎GLAY野外ライブ会場 整備順調

 函館市が大型イベントの開催を見据えて整備を進めている港湾緑地「緑の島」(8ヘクタール)の基盤整備工事が本格化している。7月27、28両日には函館出身の人気ロックバンド、GLAY(グレイ)の野外ライブが予定されており、6月末までに既存多目的広場(1・5ヘクタール)に隣接する盛土部分(0・6ヘクタール)を切り崩し、平面で一体的な利用ができる広場となる予定だ。

 緑の島は1980年に浚渫(しゅんせつ)土砂処分場として建設が始まり、91年から緑地工事が進められた。北側の3・2fが未整備だが、暫定的に未舗装の駐車場や芝生広場として開放していた。今回の整備事業は昨年度からの3カ年計画で総予算額は5億円。財源には合併特例債を充てる。

 市港湾課によると、多目的広場と芝生広場を分断していた0・6f分の盛土部分を切り崩す工事が3月上旬から始まり、作業は順調に進んでいる。7月のGLAYのライブをはじめとするイベントでの利用が一段落する秋以降に、芝生への塩害を防ぐための築山の造成、給排水設備の整備などを行う予定。来年度には、大型バスの乗り入れを可能とする駐車場整備などを実施する。

 同課は「将来的には広場を多面的に組み合わせて活用することができる。利便性が広がるのでさまざまなイベントで利用してもらえれば」としている。 (今井正一)



◎吉田さん 全国菓子大博に初出品

 19日に広島県で開幕する「全国菓子大博覧会(ひろしま菓子博2013)」の工芸菓子部門に、吉田食品(函館市高盛町)の吉田貴之社長(42)が初めて出品する。道内から挑戦するのは吉田さんだけで、道南からの出品も実に15年ぶりとなる。何度も作り直して完成させた力作。吉田さんは「持っている技術の全てを出し切り、存在感のある作品に仕上げることかできた」と話している。

 同博覧会は、1911年に始まった国内最大の菓子の祭典。ほぼ4年おきに、全国各地で開かれ、今回は5月12日まで旧広島市民球場跡地などを会場に行われる。工芸菓子部門には約150点のエントリーがあった。

 工芸菓子は高い技術が必要で、道南で作ることができるのはごくわずかしかいないという。吉田さんは工芸菓子の繊細さに魅了され、10年前から一流の作品を見るなどして独学で技術を修得した。

 「北海道、道南から出品が途切れていて、悔しさと寂しさがあった」と吉田さん。前回の博覧会があった4年前に出品を決意し、2年前から作品の構想を温めてきた。

 題名は「春風絢爛(しゅんぷうけんらん)」。花が咲き乱れる春の風景をイメージした、高さ120a、幅80a、奥行き75aの大作だ。中心に大きな岩を置き、周囲にバランス良くフジとシャクナゲ、ボタンの花、枝にはシジュウカラを配置した。材料はもちとあんこ、砂糖で、色づけや仕上げには着色料や落雁の粉を使っているだけ。

 葉っぱを作るための金型や木型は、業者に頼むのが一般的だが、吉田さんのこだわりは、それらの道具を自分で作っているところ。「作品の自由度が格段に増す」という。作品に取り掛かる前の観察やデッサンも重要で、フジは五稜郭公園に足繁く通い、スケッチを繰り返した成果だ。

 作品づくりは2月からスタートし、連日夜中まで作業して完成にこぎつけた。吉田さんは「博覧会に出品することでようやくスタートラインに立つことができた。これからも作品を作り続けていつかこの世界で一番になりたい」と目を輝かせた。 (松宮一郎)



◎WAKO再開発、マンション部の業者決定

 函館市中心市街地活性化基本計画の中核事業であるWAKOビル(若松町)の再開発で、マンション部分の開発・分譲を手がける事業者に「フージャースコーポレーション」(東京、藤井幸雄社長)が決定した。同社は主に首都圏での事業を展開し、道内初進出。商業施設併設の複合ビルの5〜16階が約80戸のマンションとなる予定で、2016年度内の完成を目指す。

 複合ビルは、現ビルの周辺約2800平方bの敷地に、鉄筋コンクリート造、地上16階、地下1階で、延べ床面積は約1万7000平方b、高さは約60bとなる見通し。4階以下の商業施設部分にはテナント店舗などが入り、3、4階は市が「子育て世代活動支援プラザ」などを整備する。

 同社再開発プロジェクト室は「新幹線開業を控えていることや市の熱心な施策などをかんがみて、函館駅前には十分なポテンシャル(潜在能力)があると考えている」としている。マンションの主な購入層に、子育て世代と高齢者を見据える。

 同社は、主に埼玉や千葉県など、首都圏でマンション事業を手がける中堅デベロッパーで、2004年に東証1部に上場。昨年、仙台などに支店を設置するなど積極的な地方展開を図り、現在、札幌市内への拠点開設の準備を進めている。

 中活におけるWAKOの再開発は「NAアーバンデベロップメント」(布村隆二社長)が実施主体。市街地の居住人口増や集客施設により、駅前・大門地区ににぎわいを創出する狙い。総事業費は約46億円を見込んでいる。 (今井正一)


◎友達たくさんつくる 高丘幼稚園で入園・始業式

 園児たちの1年も仲良くスタート—。函館市高丘町27の高丘幼稚園(玉利達人園長、園児110人)で9日、本年度の入園式・始業式が開かれた。新入園児50人を新たに迎え、在園児や教職員らが祝福した。

 初めに玉利園長が「たくさんのお友達が来たけど、心配でどきどきしているかもしれない。お兄さん、お姉さん、たくさん遊んで仲良くしてくださいね」と笑顔であいさつ。次いで在園児2人が歓迎の言葉を披露。「幼稚園にはブランコや積み木などがあります。今日から楽しく遊びましょうね」と元気良く呼び掛けた。

 この後、「チューリップ」の歌を歌ったほか、保護者を交えて記念写真を撮った。新入園児の山崎紗彩ちゃん(4)は「幼稚園に来るのは楽しみだった。お友達をたくさんつくりたい」と話していた。 (長内 健)