2013年4月14日 (日) 掲載

◎声の表現力で 魅力伝えたい…読み語りの会「花音」26、28日に初公演

 函館市内で朗読講座の講師を務めている犬童いづみさん(57)が、読み語りの会「花音(かおん)」を立ち上げ、26、28両日、函館市民会館大会議室(湯川町1)で初公演を開く。犬童さんは「ずっとやりたかった公演。朗読を通じ、文学作品を声で表現する魅力を伝えていきたい」と張り切っている。

 犬童さんは20年ほど前から数年に1回、市内で朗読会を開催。来場者から好評だったが、近年、司会業などを手掛ける「オフィスK」(藤本恭子代表)の仕事が忙しくなり、活動を休止。だが、朗読への思いが募り、2年前から準備を本格化。同僚で、共に活動していた安澤智子さんや朗読を学ぶ仲間約30人も会員に加わる。

 公演はオフィスKとの共催で、26日は午後6時半から、28日は同1時半から。それぞれ犬童さんと安澤さんらが出演。朗読や、本を使わずに物語を語り聞かせるストーリテリングで芥川龍之介の「蜘蛛の糸」や函館出身の小説家久生十蘭の「春雪」などを披露する。

 犬童さんは、会員と一緒に幼稚園や社会福祉施設などに出向き、ボランティアで読み語りもしてみたいといい、「小さな喫茶店や個人宅が会場でもいい。作品も日時も、聞き手に合わせて活動し、互いの心を共有できるようになれば」と話している。

 公演は入場無料。問い合わせは犬童さん(TEL090.3115・9830)へ。(虎谷綾子)



◎遺愛学院に花のじゅうたん

 函館市杉並町23の遺愛学院の旧遺愛女学校宣教師館(通称・ホワイトハウス)周辺で、クロッカスが華やかに咲き誇っている。

 クロッカスは、1950年に来函した米国の宣教師が数株を植えたのが始まり。群生した白と紫のじゅうたん≠ヘ市民にすっかり定着、毎年この時期、同校生徒だけでなく、待ちわびた愛好者が多く訪れている。

 13日に妻(38)と訪れた函館市大川町の大野敬さん(38)は「きれいだし、異国情緒ある雰囲気がいい。本当にぜいたくな気分だ」と満足そうに話していた。

 見ごろは21日前後まで。自由に観賞できる。(長内 健)



◎啄木忌 妻・節子の関係語る

 函館ゆかりの歌人、石川啄木(1886〜1912年)の命日に当たる13日、函館啄木会(岡田弘子代表理事)による「啄木忌」が函館市住吉町の東海山地蔵堂で営まれた。追悼講演では石川啄木記念館(盛岡市)の学芸員、山本玲子さんが、啄木と妻・節子の関係について語った。

 啄木の102回忌に当たるこの日は、関係者や市民ら約50人が参列。法要は参列者一人一人が焼香した後「石川啄木一族の墓」へ移り、墓前に花を手向け、手を合わせた。

 山本さんは講演で、啄木と節子が13歳のときに出会い、恋愛が御法度だった時世の中で互いに思いを募らせたと紹介。「節子さんは女学校に通うモダンな女性。新しいことが好きな啄木の目に留まったのだろう」とした。

 1905(明治38)年の結婚後に啄木が節子への愛情をローマ字でつづっていたことや、上京後に節子が家出し、啄木が恩師に当てた書簡で、家出にうろたえる心情を吐露していたことを説明。「啄木は節子さんを通じて、自分自身の思いを確認していたのではないか。節子さんがいてこそ、啄木は素晴らしい作品が残せたのでは」と結んだ。(千葉卓陽)


◎布目 新工場の完成祝う…市と野外劇の会に各500万円寄付

 水産加工の布目(石黒義男社長)は13日、函館市浅野町の新工場が完成したことを記念して市内のホテルで祝賀会を開いた。約230人が出席。新たな生産拠点の完成を祝った。

 同社は、弁天町の本社工場と第2工場で操業していたが、工場の集約化と労働環境を充実させるため、昨年から浅野町で新工場の建設を進め、今月1日に本格稼働させた。生産能力は2割ほど増え、年間3000トンまで製造可能になるという。

 式典で石黒社長は「昭和16年の創業から歴史を刻んできた西部地区を離れるが、安心、安全な食品を作るためにも移転は不可欠だった」とし、「100年を目指すとともに、今後も地場産業の発展に尽くしていく」と力強く語った。

 また、新工場完成記念として、函館国際水産・海洋都市構想の推進と芸術、文化振興のため、函館市とNPO法人市民創作「函館野外劇」の会にそれぞれ500万円ずつ寄付。石黒社長が工藤寿樹市長と同会の中村由紀夫理事長に目録を手渡した。(松宮一郎)


◎松前藩屋敷 今期もオープン

 【松前】城下町として栄えた江戸時代の町並みを再現したテーマパーク「松前藩屋敷」(町西舘)が13日、冬期休業を終え営業を再開した。開館式には関係者ら約120人が出席、石山英雄町長らのテープカットで開門した。

 藩政時代の松前の姿を今に伝える施設としてオープン。町の人気観光名所として毎年大勢が足を運んでいる。館内には武家屋敷や商家など14軒が軒を連ねる。

 開館式では、神事の後に関係者によるテープカットが行われ、開門すると来場者が館内に歩を進めた。記念品として「大漁くん絵馬」もプレゼントされ、子どもたちも大喜びだった。

 10月末までの期間中は無休。開館時間は午前9時から午後5時まで(最終入館時間は同4時半)。入館料は大人350円。小中学生230円、幼児は無料。10人以上の団体は大人280円、小中学生180円。(小杉貴洋)