2013年4月17日 (水) 掲載

◎イカ漁逆風 円安で燃油高

 円安の進行で、函館のイカ釣り漁業者が燃油高に頭を悩ませている。6月のスルメイカ漁解禁を控え、石油製品の値上がりが続いており、漁業者は不安を抱えたまま出漁準備を進めている。

 イカ釣り漁船23隻が所属する函館市漁協(橘忠克組合長)によると、漁船に使うA重油の価格は現在、1g当たり93・3円(税別)。国際的な原油価格の高騰を受けて大幅に値上がりした前年同期より1・3円安いが「90円台は高い。イカ漁解禁に向けて下がってもらわないと困る」と同漁協。

 イカ釣り漁船は解禁直後、日本海側の松前小島付近に向かう。同100円と仮定すると、函館から松前沖の燃油代は一晩で8〜10万円となり、コストアップが経営を圧迫する。

 同漁協の函館小型イカ釣漁業部会の佐藤豊次部会長(63)は「燃油高はすごく心配。今季は何とか好漁が続いて、油も高騰しないことを願うばかり」と話す。函館市水産物地方卸売市場(豊川町)が取り扱った量、金額とも平成に入って最低だった昨季については「イカだけで食っている漁業者もおり、厳しかった」と振り返る。

 道によると、釧路港でのA重油取引価格(道漁連まとめ、税別)は、月初めで1月が同86・6円、2月が同89・6円、3月が同94・1円、4月が同93・1円と高水準。円安傾向は今後も続く見通しで、A重油価格が下がる要素はない。

 今季について、道総研函館水試(湯川町)の澤村正幸研究主任は「調査データがまだない」と前置きした上で、「長期的にみると、資源量は中〜高水準の中にあり、漁場形成がうまくいくかがポイント」と見通す。

 今季は6月1日が休漁日のため、初水揚げは同3日の予定。(山崎大和)



◎銀輪疾走 熱い声援…函館けいりん開幕

 本年度の函館けいりんが16日、市営函館競輪場で開幕した。バンクを疾走する選手を一目見ようと、1454人のファンが足を運んだ。

 開幕戦は毎年恒例となった「第8回藤巻兄弟杯争奪戦」(FT)で、初日から同けいりんの代名詞となったナイター競輪の「スターライトレース」。午後4時に第1レースが始まると、寒空の下で待ちわびたファンが熱い声援を送り、半年ぶりの函館開催を盛り上げた。

 今年は昨年同様の58日間で、目玉のレースは5月31日〜6月3日に開かれる函館記念(GV)。同記念以外の54日間すべてをナイターで開催する。年々減り続ける選手登録数に伴い、今季のFU戦のみ11レースから10レースになることも決まっている。

 開幕戦は3日間。最終日の18日は選手OB会による予想のほか、5レース終了後(午後5時40分ごろ)に1500円分の未確定車券を提示すれば、抽選会に参加できる。(小林省悟)



◎来月中旬から実態調査…給与制度改革委が初会合

 函館市の給与制度見直しに向けて議論を深める、改革検討委員会(乳井英雄会長、委員5人)の初会合が16日夜、市役所で開かれた。事務局の市総務部は5月中旬から6月にかけ、市内の民間企業の実態調査を行う意向を示した。

 市は地域の民間給与水準を反映させるとともに、年功序列の昇任制度を見直し、職責に応じてメリハリを付けた制度に改める方針で検討委を設置。川越英雄総務部長はあいさつで「国家公務員の制度を基本にし、国の改正に合わせて見直してきたが、地域の民間水準や職員のモチベーション向上に目を向けていく必要がある」と述べた。

 市人事課は現制度の問題点について「年功的に上昇し、異なる役職でも同じ給料となる場合がある」などと説明。委員会を来年1月までに6〜7回開いて工藤寿樹市長に提言し、2015年度からの新制度導入を目指す考えを示した。

 市は昨年度に試行として正職員30人以上の民間41社、延べ1750人の給与実態を調べており、本年度の調査も正職員30人以上の事業所を対象とした上で、対象者の60%強をカバーすることを申し合わせた。同課は「30人以上の事業所は市内に254社ある計算になる。3000〜5000人程度集めることが最低限必要になる」との見解を示した。(千葉卓陽)


◎新大間ターミナルが完成…大函丸あす就航

 【大間】津軽海峡フェリー(函館市港町3、石丸周象社長)は、函館—大間を結ぶ「大函(だいかん)丸」の投入に合わせて整備を進めていた大間港のターミナルを完成させた。就航を目前に控えて同社は16日、竣工(しゅんこう)式を開き、関係者らとともに完成を祝福した。大函丸の就航、利用客を迎え入れる準備を整えた。

 ターミナルは、鉄筋コンクリート造り2階建てで、延べ床面積は約660平方b。大函丸就航のために同社が約4億円をかけて建設していた。

 函館ターミナルより規模は小さいが、バリアフリー対応となっており、大函丸にはスムーズに乗り降りすることが可能。1階にオープンカウンター、2階に待合室や食堂、売店、乗下船用のブリッジを設けた。

 竣工式には関係者ら約60人が出席。石丸社長は「大函丸とともにターミナルを完成させることができたのもみなさんのおかげ」とあいさつ。また、「地域活性の場、情報発信の場として地元住民の方にも利用してもらいたい」と述べた。  大函丸(1912d)は、老朽化したばあゆの後継船。全長は約91b、1日2往復はこれまで通りだが、所要時間は10分短縮し、約40`の航路を90分で結ぶ。定員は478人。

 同社によると、18日の大間発の初便、函館発の折り返し便の予約状況(16日現在)はいずれも6割ほどという。(松宮一郎)