2013年4月18日 (木) 掲載

◎入山時は鈴など携帯 クマに遭わない配慮を

 せたな町で発生したヒグマに襲われた死亡事故を受け、桧山振興局や渡島総合振興局は17日、山菜採りに行く人にあらためて対策を強化するよう注意を喚起した。事故防止には「ヒグマと出会わないこと」と強調。函館市内のホームセンターでも、鈴などクマよけグッズの携帯を呼び掛けている。

 桧山振興局は16日、せたな町とヒグマが生息しない奥尻町を除く管内5町に、事故を知らせる緊急文書を電子メールで送ったほか、17日には同振興局ホームページ上に、山に入る際の注意点をまとめたサイトを開設。また、環境生活課と、道総研環境科学研究センター道南地区野生生物室(江差)の研究者ら計3人を現地に派遣、町やせたな署から聞き取りを行った。23日には対策会議を開き、情報を共有する。

 渡島総合振興局は19日まで、合同庁舎でヒグマパネル展を開催中。出会った場合は、走って逃げない▽クマを刺激しない▽クマから視線をそらさず、ゆっくりと後退▽リュックなど持ち物を取られたら諦める—ことを挙げ、「ヒグマ対策に『絶対安全』はなく、できるだけ出会わないよう細心の注意を払って」と環境生活課。

 渡島管内では、ヒグマに襲われたとみられる死亡事故が平成に入ってから4件発生。桧山管内では、2011年4月に上ノ国町で死亡事故が起きている。

 重大事故を防ごうと、ジャンボイエロー港店(港町3)では、3月下旬からクマよけの鈴やホイッスルなどを陳列。特に鈴は鉄製(980円)や、より音が響く真ちゅう製(1380円)が人気で、いずれもベルトやバッグなどに簡単に装着できる。例年4月下旬から売れ始めるという。

 後藤崇生店長は「今年は既にギョウジャニンニクを採ろうと入山する人が買い求めている。音を出せば、クマは警戒して近付いてこない。しっかり備えてもらえれば」と話している。(山崎大和、長内 健)



◎立体駐車場 6月にも着工 道新幹線新駅前

 【北斗】2015年度に開業する北海道新幹線の新函館駅(仮称)前に建設する市の立体駐車場が6月にも着工される見通しだ。市が駅南側で行う土地区画整理事業の区画としては最初の大型施設となる。駐車場の南側にある観光バスの駐車場や散策路もこのほど完成し、市は「駅前の形が目に見え、新幹線開業の意識も高まるはず」としている。

 立体駐車場は鉄骨造り2階建てで、屋上にも駐車スペースを設ける3層構造。約580台を収容する。

 駐車場整備は、昨年度の実施予定で、国の交付金が削減され見送った経緯があったが、現政権の緊急経済対策の一環で予算が復活した。

 市は10日、2工区に分けて本体工事の入札を実施し、いずれも北斗市内の業者でつくる2つの特定共同企業体(JV)が計6億9800万円で落札した。23日開会の臨時市議会の議決を経て業者と正式に工事契約を結ぶ。

 土地区画整理事業は本年度、立体駐車場のほか、駅前通りや商業用地5・1ヘクタール分を整備。同年度末には9・7ヘクタール、全体の72%を完了する計画となっている。(鈴木 潤)



◎未来大生と連携しご当地キャラ制作

 【北斗】北斗市は本年度、2015年度の北海道新幹線開業に向けて、公立はこだて未来大学と連携してご当地キャラクターの制作を計画している。同大3年生の必修科目、プロジェクト学習の1科目となっており、来年3月の完成、お披露目を目指す。17日、同大で学生向けの説明会が開かれた。

 プロジェクト学習は、地域や企業などと連携し、学生が1年間かけて問題解決の過程を体験。1プロジェクトを10〜15人の学生が受講し、成果を地域や企業に還元する。本年度は20余りのプロジェクトが行われる。市のキャラクター制作は情報アーキテクチャー学科の安井重哉准教授(46)が担当する。

 説明会には、市企画財政課の職員も参加し、市内で製造されたトマトジュースを学生に配るなどしてPR。集まった学生に対し、安井准教授がプロジェクトの内容や目的、年間スケジュールを説明し、「市の価値を高めるキャラクターをつくるのが大きな目的。熊本県のくまモンに負けないキャラクターをつくろう」と呼び掛けた。

 説明を聞いた友広歩季さん(20)は「自分のつくったものが社会で使われるのは魅力。将来的に自分の力になると思う」と話し、寺田純希さん(20)は「やってみたいという思いと重大な仕事というプレッシャーが交差しています」と感想を話していた。

 4月下旬までに受講学生を決定し、大型連休後にプロジェクト活動をスタート。市内の観光地や特産品などを学びながら複数の案を創作し、市民投票でキャラクターを決定する。着ぐるみのほか、グッズやプロモーションビデオなどの制作も検討する。

 同課は「学生ならでは発想と大学で学んだ技術、知識を生かして市民に親しまれるキャラクターをつくってほしい」としている。(鈴木 潤)


◎五勝手屋本舗「さくら羊羹」登場 創業以来初の新作

 【江差】筒型羊かんでおなじみの五勝手屋本舗(江差町本町38)は17日、サクラにちなんだ新商品「五勝手屋さくら羊羹(かん)」を発売した。主力の羊かんの新作は1872(明治3)年の創業以来初めてで、5月の大型連休ごろまで限定販売する。

 新商品は、道内産の希少な白インゲン豆「大福豆(おおふくまめ)」を原料に小笠原敏文専務が考案。主力商品とは若干違う羊かんを食べたいという客の要望に応えて年明けから試作を繰り返し、「淡い色合いであっさりとしたほど良い甘さに仕上がった。春のさわやかさをイメージした」と小笠原専務。

 主力の五勝手屋羊羹も高級金時豆を使っているが、「さらに高級豆を使用することで上品な味わいになった」と同店。パッケージもサクラ色の愛らしい花びら模様で、「サクラ咲く季節に、2つの羊かんを食べ比べて味の違いを楽しんでもらいたい」とPRする。値段はともに1本(103グラム)368円。

 新商品は、函館市本町32の丸井今井函館店6階で22日まで開催中の「はこだてスウイーツフェア」でも販売中。問い合わせは同本舗(電話0139・52・0022)へ。(田中陽介)