2013年4月19日 (金) 掲載

◎快適! 大函丸就航

 津軽海峡フェリー(石丸周象社長)の函館—大間航路の新造船「大函丸」(1912トン、定員478人)が18日、就航した。大間発の初便には船出を待ちわびた259人が乗船し、快適さの増した真新しい船内を満喫した。

 津大函丸は老朽化した「ばあゆ」の後継船。大間町が約26億円かけて建造し、約40`の航路を10分短縮の90分で結ぶ。トイレやエスカレーターに最新のバリアフリー設備を設け、横揺れを軽減する機能も備えている。

 津この日は午前7時の出発に合わせ大間ターミナルで就航セレモニーが開かれ、船長らに花束が贈呈された。同フェリー函館ターミナル(港町3)には8時半に到着し、関係者や市民ら約50人が手を振りながら歓迎。下船したバスには「祝初就航」などと書かれた紙が貼られ、徒歩で降りた乗客も満足そうな表情を浮かべていた。

 津大間町の団体職員、白鳥静江子さん(50)は「前より窓が大きくて景色がはっきり見えた。静かさや乗り心地も今までと全然違う。また乗るのが楽しみ」と笑顔だった。 (後藤 真)



◎ほたて炙り丼が弁当に…きょうから全道のキヨスクで販売

 【木古内】町内の飲食店が提供する「木古内海山どんぶりほたて炙(あぶ)り丼」のレシピをアレンジした弁当が19日から、全道のキヨスクで販売される。町商工会が監修し、同じ具材を詰め込んだおにぎりも同時に並ぶ。また、炙り丼を提供する町内の7店舗に弁当の掛け紙を持ち込むと、スイーツをサービスする取り組み開始。“ご当地グルメ”を通じて2015年度の北海道新幹線開業を盛り上げる。

北海道キヨスクがオリジナル弁当「北海道ご当地グルメの旅」シリーズの第5弾として「木古内海山どんぶりほたて炙り丼風弁当」を売り出す。木古内、函館、札幌駅などの全道17店舗で販売。香ばしく炙った道産ホタテや野菜に魚介の隠し味を効かせたあんかけが特徴で、価格は550円(税込み)。おにぎりも240円(同)で全道のキヨスク69店舗に約2カ月間の予定で並ぶ。

町商工会の伊藤光雄事務局長は「ご当地グルメの弁当をきっかけに木古内町を多くの人たちに知ってもらえれば」と話す。

ほたて炙り丼を提供する町内の飲食店も盛り上げに一役買う。弁当の購入特典として、寒中みそぎ祭りのイメージキャラクター「みぞぎボーイ四人衆」が記載された掛け紙を持参すると各店でスイーツ1品が無料で食べられる。提供店は「そば処石川屋」「和洋亭苑あおき」「居酒屋おかめ」「キャベツ倶楽部」「食事処のとや」「浜焼ヤママル」「喫茶ドン・ボーイ」の7店。期間は8月末まで。問い合わせは町商工会(TEL01392・2・2046)へ。(小杉貴洋)



◎「夜景」と「教会」で函館の魅力伝える…市が観光ポスター発表

 函館市は18日、2013年度版の観光ポスターを発表した。デザインタイトルは「眠っているのが、惜しくなる。函館」。朝焼けのハリストス正教会をメーンにした「教会編」、日没時間帯の函館山からの夜景を撮影した「夜景編」の2種類で、函館のイメージを喚起しやすい作品に仕上がった。  ポスターは毎年、2枚1組で公募し、本年度は8組16枚の応募があった。市や函館国際観光コンベンション協会、函館商工会議所、大学教授らによる審査会で昨年8月に決定。出版事業などを手がける北海道アート社(札幌市)の作品が選ばれた。  写真は横浜在住の写真家阿部伸治さんが昨年4月に撮影したもの。教会編は朝日に照らされたハリストス正教会の尖塔(せんとう)の奥に摩周丸が浮かぶ函館港を見渡す構図。夜景編は雲の切れ間に明るさが残る日没時間帯の空と眼下の景色が印象的な作品。「街が起き出す前に、旅が始まる。」「街が眠りにつくまで、旅は続く。」と対になるキャッチコピーが付けられた。  市ブランド推進課は「函館のイメージを強く訴えるポスターに仕上がった。見てくれた人が、函館に行ってみたいという意識を持ってもらえれば」としている。  B1判(縦103センチ、横72・8センチ)で、計1万枚作製。市内外の旅行会社や交通機関、市内公共施設などに配布。全国の観光物産展会場でもPRする。 (今井正一)


◎大妻高福祉科 全員が「介護福祉士」合格…3年連続

 函館大妻高校(池田延己校長、生徒436人)を今春卒業した福祉科の全生徒が、1月に実施された「第25回介護福祉士国家試験」に合格した。合格率100%は3年連続で、同校によると、福祉科がある全道3校の中でも初の快挙という。

 試験は、介護の基本や生活支援技術、心身の仕組みなどを問う筆記と、専門的技能を問う実技の2科目。同校福祉科は、「社会福祉基礎」「こころとからだの理解」「介護実習」など、実技試験が免除となる独自の専門科目を3年間で学んでおり、受験は1月下旬の筆記のみだった。受験は23年連続で、全員合格は通算4回目。

 今回の卒業生19人も、外部講師を含む専門家による授業に加え、試験直前の冬休みに開かれた18日間の特別講習などで学習。受験に向けてクラスの結束も徐々に深まり、日々連絡を取り合って勉強し合う生徒が増えたという。

 高校受験時から資格取得を目指してきた宮下なつ乃さん(18)は、3年進級時から勉強を本格化し、難関を突破。4月から市内の施設で働いており、「利用者と接することにやりがいを感じる。身に付けてきた知識と経験を生かしたい」とほほ笑む。

 また、市内の別の施設に就職した加藤初実さん(18)は「友人や教員だけでなく、親の支えもあったから厳しい勉強を乗り越えられた。仕事は楽しい」、加藤さんと同じ施設に勤め始めた石岡莉奈さん(18)は「利用者とうまく接していくためにどうすればいいのか、介護は奥深さがある。ケアマネジャーの資格も取れれば」と前向きだ。

 品川聡美さん(18)は、さらに「上」を目指そうと市内の看護学校へ進学し、「クラスみんなで築いた絆を大切に、看護師になりたい」と張り切っている。

 池田校長は「研修と実践を何度も繰り返し、真の専門家になってほしい」と期待している。

 主催した社会福祉振興・試験センター(東京)によると、今回、全国で13万6375人が受験し、合格率は64・4%。福祉系高校では70・6%だった。(長内 健)