2013年5月10日 (金) 掲載

◎海の安全守る 函館海保巡視船「おくしり」披露

 函館海上保安部の巡視船「おくしり」(335トン)の披露式が9日、函館港中央埠頭(ふとう)で開かれた。同海保職員や来賓の約70人が出席し、新造船の就役を祝った。

 同船は夜間の監視を可能にする遠隔監視採証装置や停船命令などを伝える電光掲示板を備える最新鋭。

 同海保の村田織彦部長が「海上交通の安全確保や治安維持を最重要課題に取り組み、地域の期待に応えたい」と式辞。来賓の片岡格副市長は「事故や犯罪のない美しい海の実現に尽力してください」などと祝辞を述べた。

 乗組員の紹介後は、山岡仁船長が決意表明をし、出席者は記念撮影や船内見学を楽しんでいた。

 12日には函館港西埠頭で同船を一般公開する。船内見学のほか、制服試着コーナーを設置し、数量限定で記念キーホルダーを配布する。午後0時〜同3時。問い合わせは同海保(TEL0138・42・1118)へ。(柏渕祐二)



◎ペシェ・ミニョン「日和茶房」来月オープン

 洋菓子製造販売のペシェ・ミニョン(函館市乃木町、中澤美樹社長)は、元町にある歴史的な洋風建築、通称プレーリーハウス(旧佐田邸)を利用して6月上旬にカフェ「日和茶房(ひわさぼう)」をオープンさせる。昭和初期の雰囲気が残るモダンな空間の中で、同社自慢の菓子やケーキ、軽食を味わうことができるようにする。  プレーリーハウスは、道内各地に多くの建築を残した田上義也(1899—1991年)が設計。木造2階建て、床面積163平方bで、海産物商の佐田作郎の邸宅として28(昭和3)年に建てられた。八角形の応接間や窓の格子のデザインが特徴で、市の景観形成指定建築物に指定されている。

 中澤社長が2008年に取得。これまでは映画の撮影などで使われたことはあったが、一般に公開されることはなかった。歴史的な遺産を市民にも見てもらおうと、カフェとして計画した。

 同社は洋菓子店「ペイストリースナッフルス」など多くのブランドを展開しており、カフェでは焼き菓子をはじめ、それぞれの人気商品を集めるほか、和風の甘味も初めて提供する。軽食のほか、同社が経営する若松旅館の弁当も用意する。

 八角形の応接間と和室2部屋、庭を見通せる縁側に約20人分の客席を配置。テーブルなど調度品は建築された当時のものを使用する。2階にはギャラリーを設け、地元アーティストの発表の場として無料開放する。同社の目黒さつき開発室長は「観光客だけではなく、市民に愛される店を目指したい」と話している。

 営業は11月末までで、冬季は休業する。時間は午前10時〜午後5時。 (松宮一郎)



◎道新幹線 広域観光振興へ連携

 【北斗】3年後の北海道新幹線開業を見据え、広域観光の振興や宣伝活動の連携を図っていこうと、沿線自治体や観光団体、交通機関でつくる「北海道新幹線新駅沿線協議会」が9日、発足した。北斗市役所で開いた設立総会で、周遊パスポートの実証実験などを盛り込んだ着地型観光魅力づくり推進事業の計画案を承認した。

 構成団体は、函館、北斗、七飯、森、鹿部の5市町やJR北海道、函館国際観光コンベンション協会、渡島総合振興局など15団体。

 計画では、札幌や仙台で実施する既存のグルメイベントやJR東日本などと連携して宣伝活動を展開。バスや函館市電など二次交通の検証、通年型観光の取り組みなどを進めていく。

 昨年11月〜今年2月にJR北海道が販売した共通フリー乗車券「はこだて旅するパスポート」を継続し、二次交通網活用の実証実験を実施。JRの列車や市電、バスなど多様な公共交通を組み合わせた周遊パスポートで、販売目標を500枚とした。アンケート結果を検証して次年度以降の商品化を目指す。

 このほか、観光客が落ち込む冬期観光の発掘や函館市や沿線自治体を結ぶバスの運行の実証実験も計画している。

 同協議会の石田優会長(北斗市経済部長)は「各市町にある観光素材を生かし、新幹線の開業効果を道南全体に広げていきたい」と述べた。  (鈴木 潤)


◎昨年の市内高校生 進学率 過去最高41%

 函館市などが行った調査によると、昨年3月に卒業した市内高校生の大学・短大などへの進学率は41・4%と、過去最高になったことが分かった。2年連続の上昇で、前年比0・9ポイント増。景気低迷による厳しい就職状況などが影響しているとみられる。

 昨年の市内高卒者は2711人で、このうち1122人(男533人、女589人)が大学や短大などに進学した。

 男女別の進学率は、男子が同2・5ポイント増の40・9%で2年連続の上昇。女子は同0・8ポイント減の41・8%と2年ぶりに低下した。  道と比較すると函館は2010年まで下回っていたが、11年に0・1ポイント、12年は1・2ポイント上回った。全国比では例年10%以上の差があり、12年は12・1ポイント下回った。

 市内のある私立高では10年ほど前まで就職と進学希望者が半々だったが、ここ数年は進学希望が6〜8割を占めているという。

 同校の進路担当教諭は「厳しい就職環境が影響しているが、少子化で以前より大学に入りやすくなったことも考えられる」と説明。また「就職が決まらず、やむを得なく進学に切り替えるケースもある」とし、「不景気のときは進学者が増える。今後も率は上がるのでは」と予測する。

 同調査によると、昨年の市内高卒者で就職した生徒の割合は22・2%(男24・1%、女20・5%)で、08年比で2・4ポイント低下。函館公共職業安定所がまとめた今春の渡島・桧山管内高卒者の就職率(希望者に対する決定率)は92・1%と、16年ぶりに90%台に達している。 (後藤 真)


◎出来秋願い種まき 神山の老人菜園が開園

 函館市社会福祉協議会(奥野秀雄会長)が開設する神山町地区老人花園菜園の開園式が9日、同園で行われた。菜園活動に参加する老人クラブ会員や市社協職員など約40人が出席し、秋の収穫に向けて豊作を祈った。

 高齢者の生きがいや健康づくりを目的に1973年から始めた取り組みで、本年度は市内の老人クラブ4団体から25人が参加する。

 開園式は神事にのっとって行われ、出席者は記念の種まきをした後、玉串をささげて豊作を願った。

 奥野会長は「炎天下や雨天での作業など苦労もたくさんあると思うが、皆さんで力を合わせて立派な野菜ができることを期待しています」とあいさつした。

 1500平方bの畑にトウモロコシなどを植えて栽培し、8月下旬に収穫。採れた野菜は市内の特別養護老人ホームに寄贈する。(金子真人)