2013年5月11日 (土) 掲載

◎「ふじ丸」 最後の函館寄港

 日本チャータークルーズの豪華客船「ふじ丸」(2万3235トン)が10日、函館港に寄港した。6月の引退を控え、函館での最後の勇姿を写真に収めようと市民らも西ふ頭を訪れ、乗客281人は午後9時まで市内近郊の観光を楽しんだ。

 同船は国内初の本格的クルーズ客船として1989年に就航。全長167メートル、全幅24メートル、客室数163室を備える。函館には就航年の初寄港から通算21回目の入港となった。

 今回は7日に神戸を出港し、東京、石巻を経て日本海側に抜ける「初夏の日本一周クルーズ」の最中。歓迎セレモニーで片岡格副市長は函館の港湾振興に貢献した同船に感謝し、「函館の街なみや名所、食を堪能して思い出を残して」とあいさつ。ミスはこだての近江あずささんらから乗客の代表者に花束が贈られた。

 この日は、船内でコース料理が楽しめる市民見学会も催され、ステージショーなどのイベントを堪能。デッキでの記念撮影を楽しむなど、つかの間のクルーズ気分を味わった。

 これまで「にっぽん丸」の乗船を中心にクルーズ旅行を十数回楽しんでいるという愛知県の秦勝康さん(79)は「函館にクルーズ船で来るのは初めて。荷物を持ち歩くこともなく、ぜいたくだとは思うが、ゆっくりできることが船旅の魅力。船内は楽しむところもあり、食事もいいですよ」と話していた。(今井正一)

 



◎七飯の特産品の良さPR JR大沼公園駅内アンテナショップ開設

 【七飯】北海道新幹線開業を見据えた特産品や土産物のPRを図ろうと、町は10日、JR大沼公園駅内にアンテナショップをオープンさせた。町商工観光課は「将来的には新商品の試作品を置き、モニター調査の場としても活用したい」としている。

 同駅舎内の旧売店スペースを利用したアンテナショップにはローストビーフサンドや牛めし、ジャムなど約20種が並ぶ。3月下旬に誕生した「ななえ町物産振興協議会」(山川俊郎会長)の会員が生産、製造した商品が中心で、山川会長は「大沼を訪れた人に地元産品を見てもらえる貴重な場。我々もさまざまな可能性を試していくので、ぜひ多くのひとに立ち寄ってほしい」と話す。

 この日は町のマスコットキャラクター「ポロトくん」と「ポントちゃん」が開店に合わせて駆け付け、オープンを祝った。同課は「地元産品の良さをPRすることが1番の目的。ショップを活用し、埋もれている特産品の掘り起こしにつなげたい」としている。営業時間は毎日午前9時〜午後5時。設置期間は10月27日まで。(森裕次郎)



◎ミント電車運行 市企業局がサッポロビールとタイアップ

 函館市企業局交通部はサッポロビールとタイアップして、723号車を企画電車「ミント電車」として運行している。ミントの葉を使用するラムカクテル商品のPRを兼ねて、車内にミントの植木を配置したり、ほのかに香りがする整理券など、癒やしの空間を交えた楽しい車両に仕上げた。

 路面電車開業100周年に向けて、ビール電車の運行で縁のある同社道南支社(函館市梁川町)の古川光偉千(こういち)支社長が「電車に乗った時にわくわくすることができないだろうか」と提案。同社が昨年4月から販売するキューバ生まれのラムブランド商品「バカルディモヒート」のイメージに合わせて準備を進めた。

 車内にはグラスに入れたミントの木を配置。発券機の中にミントの芳香剤を置き、整理券にほのかな香りを付けた。アイボリーとライトグリーンに塗り分けられた723号車の車体も商品イメージにマッチし、外側板にはミントの葉のイラストを掲示した。

 同部事業課は「植物を置いたり、香り付き整理券も初めての試み。環境に優しい乗り物のコンセプトにも合致し、見かけたら是非乗ってみてほしい」とする。

 また、同社が全国で提案する「ご当地モヒート」の函館版で、桜を添えた「五稜郭モヒート」を提供する市内飲食店名を乗せたマップも掲示。掲載店名は随時更新していくという。

 古川支社長は「観光客や地元の方も車内で香りを楽しんでもらい、話題になれば。モヒートはさっぱりしておいしいので、お花見にも合いますよ」とPRしている。運行は7月末まで。1日6往復ほど走行している。(今井正一)


◎昨年度の函館市 公共工事発注127億

 函館市はこのほど、2012年度の公共工事実績(財務部調度課、企業局、病院局発注分)をまとめた。市全体の発注件数と総額は569件、127億1584万円となり、金額で11年度比87・4%増と大幅に上回った。100億円超えは2年ぶり。本年度までの2カ年で整備する函館国際・海洋総合研究センター関連工事の発注が増加の要因となっている。

 昨年度の調度課発注分工事は計421件、86億4324万円で、金額は前年度比76・8%増。総事業費45億円の同センター関連工事の影響が大きい。

 調度課発注分の受注金額上位10社のうち、8社が同センターの関連工事を受注した。1位の高橋組は5位の三光工業、10位の工藤組と共同企業体(JV)を組んで本館棟新築工事の1工区を受注。2位の高木組も4位の平林組、7位の菅原組とのJVで同2工区を請け負った。また、6位の斉藤組と8位の日新建設は同センターの海洋調査研究棟工事を受注した。

 3位の日本電気北海道支社は消防救急無線のデジタル化施設整備、9位のタクマ北海道支店は日乃出清掃工場の修繕工事に携わった。16社が受注金額1億円を超えており、工事1件あたりの平均受注額は2053万円と、前年度比で707万円増加した。

 12年度の企業局発注分は138件、37億4141万円で、金額は前年度(18億9644万円)からほぼ倍増。病院局は前年度発注がなかったが、昨年度は10件、3億3119万円を発注した。

 同課によると、本年度の工事発注見通しは当初予算ベースで73億200万円。主なものでは深堀小学校の校舎耐震改修で4億1630万円、青柳小学校校舎耐震改修4億8130万円、東消防署南茅部支署庁舎新築2億2340万円など。日吉多目的グラウンド(仮称)の整備に伴う旧函館北高校の校舎解体で2億6310万円、市内小中学校の校内無線LAN整備5億1000万円なども予定されている。(千葉卓陽)