2013年5月12日 (日) 掲載

◎松前高など書道パフォーマンス

 【松前】松前高と近隣の7校の書道部が11日、松城小学校体育館で3回目となる「書道パフォーマンス」(文化の香り漂う書のまちづくり推進協議会など主催)を行った。約300人の観衆を前に、各校が巨大な紙に向って若さあふれるエネルギッシュな作品をしたためた。

 近代詩文書の父と呼ばれる書家、金子●亭氏の生誕地である同町では、「書のまち」として書道教育が盛んに行われている。今回の参加校は昨年から引き続き、松前高、函館西高、函館中部高、市立函館高、函館白百合学園高の5校と、函館大妻高、桧山北高、南茅部高の3校が初めて加わった。

 テーマは「墨と筆の奇跡」。雨天のため屋外から会場が変更になったが、各校は大きな筆とモップなど変わった書道具を用い、軽快な音楽に合わせてダイナミックな筆さばきを披露。松前高は松前中吹奏楽部などとコラボレーションし、「墨奏」と力強く書き上げると大きな拍手が起こった。

 町内の男性(71)は「こちらまで楽しい気持ちになった」と笑顔だった。(小杉貴洋)

 



◎函館護國神社例大祭本祭、戦没者を慰霊

 函館市青柳町9の函館護國神社(真崎不二彦宮司)の例大祭本祭が11日に行われた。道南の遺族会などから約200人が参列。社殿で献花や詩歌、江差追分などの奉納が行われ、戦没者を慰霊した。

 同神社は1869(明治2)年5月11日、箱館戦争で新政府軍の勝利が決まった日に創建。箱館戦争から第二次世界大戦までで、道南出身の戦没者計約1万3000柱が祭られている。

 この日はあいにくの雨となり、恒例の函館楽所(がくそ)による舞楽や松前神楽保存会の舞踊は中止となったが、日本舞踊の花泉舞衛さんが「九段の母」を奉納し、大きな拍手が送られた。

 最後に春山拓夫祭典委員長が「戦争を知らない世代に史実をしっかり伝え、東日本大震災や最近の地震での被災地復興を念じてきたい。戦後約70年で参列者は高齢化しているが、来年も例大祭にお集まりください」と話した。(山崎純一)



◎看護の日を前に講演会「かかりつけ医見つけて」

 看護の日(12日)を前に、道看護協会道南南支部(印牧順子支部長)は11日、ロワジールホテル函館で記念講演会を開いた。北美原クリニック(石川町)理事長の岡田晋吾さんが「かしこい病院のかかりかた〜病院から在宅、看取(みと)りまで」と題して講演。「良いかかりつけ医を見つけて、何でも相談できることが大切」と強調した。

 看護やケア、助け合いの心を広く知ってもらおうと、看護の日に合わせて毎年開催。この日は看護師や一般市民も合わせて約500人が参加した。

 岡田さんは病院や医師の選び方について「病院の雰囲気が大事で、看護師が非常にフォローしているところがある。セカンドオピニオン(別の医師の意見)も上手に活用を。医者との相性も重要」と述べた。

 在宅医療では、地域の多職種のチームワークがあるからこそ実行できると指摘した。

 在宅でのみとりについては、延命治療など「本人が望まないことはやらないことも選択肢の一つ」と話し、「われわれの役割は最後の友人として最後の夢をかなえるお手伝い」とかかりつけ医を持つ大切さを説いた。(山崎大和)


◎内閣府副大臣、地域経済団体代表らと懇談

 地域の経済団体から地元経済の現況や問題点を聞き、国の成長戦略に反映させる、内閣府の「地域経済に関する懇談会」が11日、ロワジールホテル函館で開かれた。西村康稔内閣府副大臣が来函し、渡島、桧山管内の商工団体、水産加工、観光などの代表らと意見交換した。

 同懇談会は、安倍晋三首相の指示を受けて行われ、浜松市、松山市に続き3カ所目。渡島管内商工会連合会の宮崎高志会長や桧山管内商工会連合会の飯田隆一会長ら8人が出席した。

 それぞれ地元経済の現況や商工会組織を取り巻く課題を説明。安倍政権の経済政策「アベノミクス」に対して「地方は依然、効果を実感できない」、「円安による原材料や燃料の高騰で中小企業がさらに厳しい状況に追い込まれている」と、懸念の声が相次いだ。

 このほか、「函館・江差自動車道の木古内以降の見通しを示してほしい」「ノルウェーでやっている管理型漁業の導入を検討してほしい」「厚労省の若者チャレンジ奨励金をもう少し使いやすくしてほしい。補助金の周知、募集期間が短い」など要望や意見も寄せられた。

 西村副大臣は「大変厳しい状況と認識し、いくつか宿題もいただいた。皆さんの声を成長戦略や地域活性化に生かしていきたい」とし、今後の経済状況には「これから執行される補正予算や円高是正の効果で夏以降、地方の景気回復を期待したい」と述べた。(鈴木 潤)