2013年5月15日 (水) 掲載

◎稚児行列 華やか

 お釈迦(しゃか)様の誕生を祝う花まつり(函館市仏教会主催)が14日、大門グリーンプラザで開かれた。函館仏教保育協会に加盟する市内8幼稚園・保育園の園児による稚児行列など華やかな催しが会場を彩った。

 一般的に、釈迦の誕生日とされる4月8日に行われる行事だが、函館では寒さが緩むこの時期に開催している。この日は園児約250人とその両親、一般市民らが参加。紫色のはかまなど、きらびやかな衣装に身を包んだ子どもたちが元気よく街を練り歩き、釈迦の誕生を祝った。

 法要では、設置された花御堂の誕生仏の前で、同仏教会の木村清孝会長が表白文を読み上げた。その後僧侶に続き、各園の園児代表が誕生仏の頭上からひしゃくで甘茶を掛け、「おめでとうございます」と手を合わせた。

 最後は、お釈迦様の誕生を祝う歌を歌い、代表の園児2人が「お釈迦様の教えを守り、心優しい子どもになります」と誓いを述べた。孫を見に来た緒田治子さんは「子どもたちのかわいらしい姿に心がほっこりした」と話していた。(平尾美陽子)



◎「諦めないで夢追って」 市函高で植松さん講演

 宇宙開発に取り組む中小企業で知られる植松電機(赤平市)専務の植松努さんによる講演会が14日、市立函館高校(土岐均校長、生徒950人)で開かれた。「思うは招く〜夢があればなんでもできる」を演題に、植松さんは「楽は人を無能にする。夢をつかむために諦めないで努力し続けて」と熱っぽく語った。

 同校の総合学習の一環として開催。芦別市出身の植松さんは2004年、北大と共同でハイブリッドロケットの開発を開始。民間宇宙開発企業カムイスペースワークスを設立し、代表を務める。ロケット開発や小型実験用人工衛星の打ち上げなどを行っている。

 子どものころ、「お金があったら本を買いなさい」と祖母に教わり、紙飛行機の飛ばし方が書かれた本で勉強を重ねたという植松さん。それを出発点にロケットに携わる職を夢見たが、「お金がかかるし東大に入らないと無理」と周囲の大人に言われ、大きなショックを受けた。「『どうせ無理でしょ』との言葉に負けないで。諦めなければ夢はかなえられる」と強調した。

 また、知りたいこと、やりたいことが学べる進路を選ぶよう勧めたほか、社会が求める人材についても指摘。「今はゼロから物事を生み出す人が必要とされている。読書してイチロー選手や坂本龍馬など、偉人の言葉に学んでほしい」と話した。(長内 健)



◎大間原発建設断念を 訴訟の会が大間町長に要請

 【大間】大間原発訴訟の会の竹田とし子代表らは14日、青森県大間町役場を訪れ、同町で進む大間原発の建設を断念するよう金澤満春町長に要請した。

 函館、青森の5団体から15人(函館からは7人)が参加。同会として町長に直接会って要請するのは5年ぶり。要請は会議室で約30分間行われた。

 要請文では、同原発で事故が起きた場合の被害は福島第一原発事故を上回り、町民の生命を守るために建設を断念すべきだと訴えた。函館市や大間町の存立に向けて町長の決断が必要だと指摘したほか、町主催の町民対象の説明会を開くことも求めた。建設を断念した場合、同会会員約1000人が「ふるさと応援寄付金」や、地元産品の購入などで協力する方針も明記した。

 金澤町長は原子力政策の推進や、核の平和利用という考え方に変わりないことを強調。福島の事故を重く受け止め、安全対策を注視していく考えを示した。

 同会は「こちらの気持ちを伝えたいので、それぞれ意見を述べた。町長と会って話ができたのは一歩前進」としている。(山崎大和)


◎函館空港3月 3カ月連続 前年上回る

 函館空港事務所がまとめた4月の函館空港の乗降客数は、前年同月比8・2%増の10万523人となり、3カ月連続で前年同月を上回った。国内線、国際線ともに前年を上回ったほか、3月31日に就航した日本航空の函館—大阪伊丹線も好調だった。

 国内線は同5・8%増の9万4608人で5カ月ぶりに前年を上回った。函館—羽田線は同4・9%増の7万3203人。函館—関西線は同28・4%減の3806人と大幅に減らした。函館—中部線は同3・0%増の4958人だった。

 8年ぶりの再開となった日本航空の函館—伊丹線(50人乗り、1日1往復)は、2270人で、搭乗率も70%台後半となるなど好調な出だし。同社函館支店では「ターゲットのビジネス客や個人型旅行の利用客に好評」と分析。

 また、ゴールデンウイーク期間中(4月26日〜5月6日)は90%を超す搭乗率だったことから、「GLAYの屋外ライブや函館競馬の長期開催などもあり、6月以降の観光のハイシーズンについても期待できる」とした。

 国際線は全て函館—台北線。前年同月に比べ約2・7倍の9432人だった。前年は定期便が大韓航空の韓国仁川線(現在は運休中)しかなく、台北線もチャーター便だけだったが、昨年秋に台湾の2社が相次いで定期便を開設。北海道や函館人気を背景に利用客を増やしている。(松宮一郎)