2013年5月16日 (木) 掲載

◎給食に米粉パン「おいしい」 ふっくりんこ使用

 【北斗】道南産ブランド米「ふっくりんこ」の米粉で作ったパンが15日、北斗市内の小中学校の給食に初めて登場した。16校約4800個の米粉パンが出され、児童、生徒らは小麦粉のパンとは違った食味や食感を味わった。

 市側の「ふっくりんこをパン食でも楽しませたい」との要望を受け、JA新はこだてが2年ほど前から開発に着手。昨年12月から、静岡県のパン製造会社の協力を得て試作を重ねてきた。出来上がった米粉パンは米粉7割、小麦粉3割の配合割合で、ほんのり甘みのあるもちもちとした食感。

 このうち、北斗石別小学校(木村孝校長、児童13人)は食育学習の公開授業日となっていて、児童は学校給食で使われている北斗市産の野菜や米について学んだ後、来校した地域住民や近隣校の教職員とともに米粉パンを味わった。4年生の高橋拓海君(9)は「おいしい。また給食で食べたい」と笑顔。

 市教委の学校給食センターは「今後、徐々に回数を増やしていきたい」としている。開発を担当した同JAの田山光幸営農センター長は「米がパンにもなるんだということを分かってほしかった。将来、ふっくりんこで商品開発を手掛けてみたいと思ってくれればいいですね」と話していた。(鈴木 潤)



◎法亀寺のしだれ桜 見ごろ

 【北斗】8日から夜間ライトアップをしている北斗市向野の「法亀寺のしだれ桜」は15日、ようやく見ごろを迎えた。淡い光に照らされたサクラが幻想的な雰囲気を演出し、見物客を楽しませている。

 会場では、市の観光PR用のブースが設けられ、市のサクラの名所、桜回廊や北海道新幹線のパネルが展示されている。たい焼きやホットドックの露店も出店し、ライトアップ時間中、市や市観光協会が常駐している。

 15日は午後7時すぎから、市内外から見物人が訪れ、サクラを観賞したり、写真撮影していた。友人3人とともに近くに住む男性(48)は「昨年の見事な印象が残っている。明日(16日)以降、もっと咲くと思うのでまた見に来ます」と話しいていた。

 法亀寺、大野川沿いともライトアップは17日まで。(鈴木 潤)



◎長引く低温と日照不足 生育遅れ 農家ため息

 長引く低温と日照不足の影響で、農作物の生育が遅れて作業もずれ込むなどし、道南の農家が困惑している。15日も雨交じりの曇天で肌寒かった。「いつになったら気温が上がるのか…」。心配する声が強まっている。

 「今の時期は平年ならリンゴの花が咲き始めるが、今年はまだ咲かない。平年より1週間〜10日遅れではないか」。七飯町本町の成田悌一さん(61)=七飯町果樹組合組合長=はため息をつく。開花遅れは必至で「このまま冷夏になれば、実が小ぶりになる」と懸念。それでも「夏に好天が続けば挽回できる」と期待を込める。

 北斗市清水川の森隆志さん(48)=JA新はこだて大野稲作振興会会長=は育苗中の水稲について「播種(はしゅ)後の低温、日照不足で出芽が遅れ、苗の生育も2、3日遅れている」と話す。「雨の影響で田起こしが14日に終わったばかり。水引き、代かき、田植えと後ろの作業に響く」と気をもむ。

 七飯町中島の浅野宏隆さん(51)=町野菜生産出荷組合組合長=は「朝晩が寒いので、露地トンネルマルチ栽培ニンジンの生育が止まっている。6月下旬の早出しには、今が大事な時期なのに…」。ニンジンの間引き作業が進まず、例年5月から始まる長ネギの定植も遅れているという。「こんな年はめったにない。早く気温が上がってほしい」と願う。

 函館海洋気象台によると、函館の今月1〜14日の平均気温は平年より2・2度低い8・6度。17日は最高気温が19度と暖かくなる見通し。(山崎大和)


◎看護週間 健康チェック

 看護週間(12〜18日)に合わせて15日、函館市内の2つの病院が院内やスーパーの店舗内にコーナーを設けて健康相談会を開いた。市民は血圧などを測定し、看護師や栄養士から食事や運動などのアドバイスを受けていた。(金子真人)

 ○…国立病院機構函館病院(伊藤一輔院長)は、函館市内のスーパー4店舗で同病院の看護師や管理栄養士による健康相談会を実施した。

 毎年開催しており、買い物客が気軽に立ち寄れるようスーパーを会場に選んだ。同病院の看護師による血圧と血糖測定のほか、管理栄養士などによる栄養相談を行った。

 コープさっぽろ湯川店では買い物を終えた約70人の市民が測定を受け、栄養管理室が作った生活習慣病予防に役立つゴマのクッキーを受け取った。

 同病院の看護師、香取弘子さんは「相談会をきっかけに少しでも健康を意識してもらえたら」と話していた。

 ○…函館赤十字病院(赤澤修吾院長)は、同病院の正面玄関ホールにブースを設置し、メタボリックシンドロームのチェック、健康や栄養に関する相談会を開いた。

 来院者を対象に血圧や身長のほか、体成分分析器を使用して体脂肪や筋肉量などを測定。数値が気になった人には保健師のアドバイスや管理栄養士が塩分を控えたレシピを紹介した。

 また、やけどや切り傷に対する応急処置法の講習を行ったほか、ハザードマップや防災グッズなどを展示し、災害に対する備えを呼び掛けた。

 同病院の看護師、松谷由佳さんは「市民の方々があらためて自身の健康に目を向ける手助けをしていきたい」と話していた。