2013年5月17日 (金) 掲載

◎市営競輪「りんりん」冬眠からお目覚め

 妹と一緒に頑張るよ—。昨年度の来場者目標に届かず、昨年11月から充電していた市営函館競輪のPRキャラクター「りんりん」が、16日に復活した。ユニホームと靴を一新してパワーアップし、妹のキャラクター「ぷりりん」も新たに登場。冬眠から目覚め、二人三脚で競輪を広くアピールする。

 りんりんはクマの競輪選手という設定。昨年度は市営競輪の入場者や売り上げ回復に向けて、「来場者目標を達成できなければ活動休止」という試練が与えられた。インターネット上での激励コメントを入場者にカウントする“特別ルール”で活動休止は逃れたが、本来の目標数は達成できず、充電に入っていた。

 この間、色あせたユニホームとぼろぼろの靴の新デザインをファンから募集し、計76件の応募が寄せられた。新ユニホームは岩見沢市の主婦がデザインしたもので、オレンジをベースに、函館特産のイカや函館山をあしらった。

 昨年度に続き、「お客さんの要望を聞き、可能な限り対応していく」という特別任務も与えられた。市外のイベントにも積極的に出かけ、6月29日に福島町で開かれるゆるキャラ尻相撲大会に参加する。

 妹のぷりりんは、りんりんとは似ても似つかぬ風貌ながら、歌とダンスが得意な“しっかり者のクマ”のキャラ。6月2日の函館記念(GV)でファンの前にお披露目される。

 りんりんは会見で「充電期間が7カ月あったのでパワーは抜群。函館から飛び出して競輪場を盛り上げていく」、ぷりりんは「お兄ちゃんのサポートを一生懸命頑張ります」と意気込んでいる。 (千葉卓陽)



◎道市長会春季総会、大間建設中止など決議

 北海道市長会(会長・田岡克介石狩市長)は16日、春季定期総会を函館国際ホテルで開いた。昨年工事を再開した大間原子力発電所(青森県大間町)の建設中止や、TPP(環太平洋連携協定)に関して、コメなど6品目を関税撤廃対象から除外することなどを国に求める決議を行った。

 函館開催は2006年秋季定期総会以来、7年ぶり。全道35市中33市が出席した。

 大間原発をめぐっては、昨年の秋季大会で「市長会としての意思表示が必要」との提案を受けて大会後に決議に加えられ、単独で国に要請している。決議文では函館、北斗など道内自治体への説明がなく、福島第一原発の事故原因も究明されていないとして、建設中止を求めることを盛り込んだ。

 併せて、国が地方公務員の給与削減を求め、地方交付税を削減することについて、市町村と十分協議するよう要望。TPPに関しては単独で決議し、国内農業や農村振興を損なわない対応などを求めた。

 役員改選では田岡会長が留任。閉会後は市縄文文化交流センターの阿部千春館長が講演したほか、箱館奉行所などを視察した。(千葉卓陽)



◎道南でも円安で明暗

 急激な円安による影響が、じわりと道南でも出ている。海外から函館への観光客は増えていて、ホテルや飲食店はにぎわっている。一方で食料品などの輸入品に値上げの動きがあり、市民生活への不安が広がる。加工原料の多くを輸入に頼る水産加工業からも「もう限界」との声が漏れている。

 1ドル102円台に下落し、進行に歯止めが掛からない円安。株価上昇と合わせて景気回復への期待が高まる一方、多方面に影響が広がる。

 函館市本通1のパン店「よつ葉のレシピ」(広沢実代表)は、バターや小麦粉などパンの原材料の仕入れ値の高騰を懸念。販売価格への転嫁もあり得るためで、広沢代表は「すぐに値上げはしないが、いずれは考えなければならないかも」と話す。

 道南の水産加工会社では、加工原料に使うイカなどの輸入価格が約6割も上昇。「小売り価格の値上げを検討しているが、簡単にはできない。今は限界に近い状態だ」と漏らす。

 食用油や小麦粉など食料品の値上がりも相次ぐ。家族4人で暮らす函館市の主婦森祥子さん(47)は「毎日のことなので食品の値上げは痛い。光熱費を減らす努力をするしかないが、できることは限られている」と嘆く。

 一方、海外から日本への旅行は割安になり、外国人観光客増加で恩恵を受けるホテルや飲食店などの声は明るい。

 函館ビヤホール(末広町、後藤敏一総支配人)では、今月6日から1週間でアジア系の団体客300人が入った。30〜50人で推移する例年の同時期の10倍に上るといい、後藤総支配人は「円安が後押ししている。6月も既に90人の予約が入っている」と上機嫌だ。

 函館国際ホテル(大手町、柴田陽子社長)ではマレーシア、シンガポールなどからの予約問い合わせが続いているという。「6、7月の予約も前年同期に比べ増えていて、団体客が多い。円安を追い風に、観光客増が期待できる」と話している。 (平尾美陽子、長内 健)


◎来月1日、映画「そこのみにて光輝く」出演者オーディション

 来年夏に公開を予定している映画「そこのみにて光輝く」の出演者オーディションが6月1日、函館市市域交流まちづくりセンター(末広町4)で行われる。製作事務局ではプロ・アマを問わず、参加者を募集している。

 「そこのみにて—」は、函館出身の作家・佐藤泰志(1949〜90年)の同名小説が原作。函館の街を舞台に愛を見失った男と愛を諦めた女の恋愛物語。2010年に映画化された「海炭市叙景」に続く函館発信の市民映画で、撮影は今年6月下旬から7月中旬まで、すべて函館で行う予定。

 対象は5歳から70歳ぐらいまでの男女で、主要人物の小学生の弟・妹、植木屋の従業員、飲み屋のママ、水産加工業の社長など20人程度を募集。書類選考のうえ、監督の呉美保(おみぽ)さんとプロデューサーの菅原和博さんらが審査する。

 応募は履歴書、全身と上半身の写真、「函館発信映画」をテーマにした自己アピール文(字数制限なし)を添えて、〒041・0011、函館市本町22の11グリーンエステート1階 シネマアイリス「そこのみにて光輝く」オーディション係まで。5月27日必着。問い合わせはEメール(sokonomi2013@yahoo.co.jp)まで。(金子真人)