2013年5月18日 (土) 掲載

◎新幹線レール 北海道へ 敷設工事始まる

 【北斗】2015年度末に開業する北海道新幹線新青森—新函館(仮称)間(149キロ)のうち、本道側の新幹線専用区間(木古内町大谷地—新函館)37キロにレールを敷設する工事が17日、始まった。北斗市三好の万太郎トンネル出口前でレール発進式が行われ、工事関係者や自治体関係者ら約70人が安全を祈った。

 発進式では、事業主体の鉄道建設・運輸施設整備支援機構(鉄道・運輸機構)北海道新幹線建設局の金山洋一局長が「道民の期待に応える新幹線になるよう全力で工事を進める」とあいさつ。渡島総合振興局の小林敏克副局長も「早期開業と札幌延伸の早期実現を目指し関係機関と密に取り組んでいく」と述べた。

 次いで、金山局長や沿線自治体の首長9人が装置のボタンを押すと、長さ約200bのレールがゆっくり前方に約10b送りこまれた。最後に北斗市の高谷寿峰市長の発声で万歳三唱をし、工事スタートを祝った。

 高谷市長は「駅前の企業誘致は苦戦気味だが、こうして注目されることで弾みがつけば」と期待感を示し、木古内町の大森伊佐緒町長も「駅前の周辺整備や近隣町との広域観光構築をしっかり進めていく」と気持ちを引き締めた。

 同機構によると、同区間の敷設工事は14年8月に完了予定。今月29日には、新幹線が停車する木古内駅、6月15日には新函館駅の駅舎建設工事が着工する。



◎「あじさい」監修しお冷やしラーメン サンクスで21日から再販

 大手コンビニエンスストアのサークルKサンクス(東京)は21日、昨年に続き、函館の人気ラーメン店「函館麺厨房(ちゅうぼう)あじさい」(本店・五稜郭町、東秀一代表)が監修した「しお冷しらーめん」(450円)と「ばくだんむすびチャーシューマヨマスタード」(240円)を全道191店舗で再販売する。。

 あじさいの監修商品は2009年のカップ麺を皮切りに、今回で第6弾目。生麺タイプのラーメンを全国販売した昨年、道外では1週間で在庫が切れる「異例の人気ぶり」(同社)だった。。

 ラーメンには、レタス、ダイコン、パプリカなど彩りある生野菜と、ゆで卵、アイガモ肉を載せた。スープはあっさりで、中太麺との相性は抜群だ。おにぎりは、かつお節を加えた炊き込みご飯に、マヨネーズとマスタードを絡めたチャーシューを入れた。米は通常タイプの倍あり、ボリュームたっぷりだ。。

 同社北日本商品部の北崎潤二バイヤーは「もうすぐ暑い季節。ラーメンとおにぎりの相性の良さを楽しんで」、あじさい紅店の川島康平副店長も「当店のラーメンを忠実に再現した仕上がり」と太鼓判を押している。。

 6月4日からは全国6200店で販売。7月中旬まで。(長内 健)



◎「アリーナ」「日吉グラウンド」活用 大会・合宿誘致に本腰

 函館市教委は本年度、2015年8月のオープンを目指す「函館アリーナ」と「日吉多目的グラウンド(仮称)」を活用した大規模大会や合宿の開催に向け、道内外で本格的な誘致活動を展開する。多くの競技者を招き、宿泊や観光を伴う経済効果を取り込むことが狙いだ。

 訪問先は札幌と東京を予定。同グラウンドにサッカーとラグビーが兼用できるグラウンドを2面設けるため、両競技の協会を6月以降に訪れる。アリーナでは弓道場を新設するほか、各競技の使用スペースを現状より増やすため、両競技以外の誘致も目指す。

 道弓道連盟西部地区の寺沢輝義理事長は「アリーナの完成によって、屋内で全道規模の競技会を開催できるようになるので誘致しやすくなる」と期待する。

 訪問時はより施設の魅力を伝えるために、地元の競技団体の同行も想定。大規模大会や合宿開催に見合う設備の充実度や、北海道新幹線開業による交通アクセスの充実を伝える考え。

 市教委スポーツ振興課は「オープンまでの2年間は施設の存在と魅力を伝える重要な期間。利用の可能性が高い競技に対しては直接的にプロモーションをしていきたい」と意気込む。

 同課によると、市の補助金制度を利用した昨年度の合宿件数はサッカーが2件で、ラグビーはゼロ。両競技が全道大会を開催する場合は面数の不足から北斗市や七飯町のグラウンドを借りる必要があった。

 同課は「他都市ではスポーツ施設の新設後、合宿の補助実績が約1年で10倍以上に増えた例もある。函館は日本屈指の観光地でもあるので誘致の優位性はあるはず」と話している。 (後藤 真)


◎1〜3月期の道南経済「住宅建設」を上方修正

 函館財務事務所(武本雅臣所長)は17日、1〜3月期の経済概況「道南経済レポート」を発表した。「住宅建設」が前年を上回って推移している一方、企業倒産が前年に比べて増えたことから総括判断を3期連続で据え置き、「依然として力強さに欠けているものの、緩やかに持ち直しの動きを続けている」とした。

 個別の項目で判断を変えたのが「住宅建設」と「企業倒産」。住宅建設は2期連続で上方修正。企業倒産は判断を引き下げた。

 住宅建設は、函館市と北斗市の住宅着工戸数が前年を上回る状況が続いている。サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)を含む貸家、分譲住宅が好調で、持ち家も堅調。ただ、「消費税増税を控えた駆け込みが本格化するのはもう少し先になるのではないか」との見方を示した。

 「個人消費」は「引き続き力強さに欠ける」のまま。大型小売店の売上高は、一部の催事に集客効果がみられたものの、春物衣料の動きが鈍く、食料品の不振が続き、全体でも前年を下回った。高額商品についても目立った動きはないという。 主力の観光は、道外からの団体客や台湾からの入り込みが好調で、引き続き持ち直している。今後については公共事業の発注が控えていることから、「管内経済は上向いていく」とした。 (松宮一郎)