2013年5月2日 (木) 掲載

◎江差の観光施設巡ろう、あすから無料バス運行

 【江差】江差観光コンベンション協会と町は3日から、JR江差駅前を発着点に町内の観光施設を無料で巡る「江差周遊観光バス」の運行を始める。JR江差線木古内—江差間の廃止が来年5月12日に決まり、週末を中心に同線の乗客が増えている中、町内の観光名所にも足を運んでもらおうと初めて企画した。

 無料シャトルバスは、同協会が主体になって取り組み、JRがイベントを予定する7月を除く12月までの日曜日を基本に(連休は土日・祝日運行)、一日6便を運行する。

 基本コースは、江差駅—えさし海の駅開陽丸—横山家—中村家—旧関川家別荘—江差追分会館—えさし海の駅開陽丸—江差駅。バスは28人(最大44人)乗りで、午前9時22分から、午後4時5分の駅着まで周遊する。

 これに合わせて、同駅では土曜・日曜日に特産品や駅弁を販売する「駅なか市場」を新設。また、えさし海の駅開陽丸では、JR江差線の利用切符を持参すると入館料が割引されるサービスを始めた。

 今後は電車での中づり広告などで周知を図る。同協会は「江差駅に着いてそのまま折り返しの車両で帰る利用者も少なくなく、町内を気軽に見て回れる交通手段の確保が課題だった。時間に余裕がある場合、このバスで歴史ある町内の名所をゆっくり満喫してほしい」と利用を呼び掛けている。

 問い合わせは町追分商工観光課(TEL0139・52・6716)へ。(田中陽介)



◎3Dアート展始まる

 埼玉県のトリックアート作家服部正志さん(51)の3Dアート展が1日、丸井今井函館店(本町32)で始まった。平面に描かれているが、カメラを通すと立体に見える作品や、距離や角度で見え方が変化する作品など、楽しみ方は多彩。作品の中に入り込める大型のアート12点と、さまざまな見方で楽しめる小品14点が来場者を驚かせている。6日まで。

 目の錯覚を利用した3Dアート。壁に描かれた平面の恐竜も、カメラに収めると襲いかかってきそうな迫力ある作品になる。来場者からは「すごい」「どうしてこんなふうに見えるの」と歓声が上がっていた。初日に訪れた鍛治町の酒井亮さん(25)は「いろんなポーズが取れたり、楽しみ方がたくさんあって良かった」と不思議な魅力あふれる作品を満喫していた。

 服部さんは「どんな作品にすればお客さまが驚いたり、楽しめるのかを考えて作っている。実際に見て、体験して、楽しさを共有してもらえれば」と話している。入場料は大人500円、子ども300円。デジカメや携帯など撮影できるものがあれば、より楽しめる。問い合わせは同店(0138・32・1151)へ。 (虎谷綾子)



◎ホテルシーボーン復活、テトラ運営

 函館市内を中心に全国各地でホテルを経営するホテルテトラ(函館市梁川町、三浦孝司社長)は1日、2009年から休館していた末広町の「ホテルシーボーン」を復活、オープンさせた。ヨーロッパ風の調度品やインテリアをそのまま生かし、ターゲットとなる女性客の取り込みに力を入れていく。

 建物は市内の企業が所有しており、テトラが施設を借りて運営にあたる。テトラが運営するホテルはシーボーンで11軒目。函館市内では5軒目となる。インテリアを重視したシーボーンは、同社が運営する従来のホテルとは異なった趣で、「メーンターゲットは30代以上の女性や家族。グループとしても新たな挑戦」という。

 建物は鉄骨造り地上3階、地下1階。客室は18室で、スイート1室、デラックスダブル1室、ツインやデラックスツイン、ダブルなどがある。

 休館前から同ホテルの特徴だった全館に置かれたヨーロッパ風の調度品はそのままで、豪華な雰囲気を演出。客室はそれぞれ違ったテーマを設けており、落ちついた雰囲気、かわいらしい部屋などさまざま。調度品はテーマに合わせて部屋ごとに全て異なったものを置いている。

 現在はプレオープンで、近日中にレストランをオープンさせるなどして全面開業させる予定。(松宮一郎)


◎くらし安心110番、開設1年で相談3400件

 市民相談に関するワンストップ窓口として、函館市が昨年度開設した「くらし安心110番」の利用実績は3407件となった。東日本大震災前の2010年度の市民相談から11%、09年度からは67%増加。市の関係部局との調整を経て処理した案件が180件あり、市くらし安心課は「件数の増加分は110番効果と推測できる。一定程度市民に周知が図られた」としている。

 くらし安心110番は、市民から相談が寄せられた際に担当部局を紹介するまでの“たらい回し”を解消しようと設置。これまで複数の部局にまたがる相談内容に際しては、担当課につなぐまで時間がかかるケースがあったが、同課があらかじめ内部調整することでたらい回しを防ぐ。

 同課によると、利用は昨年10月が330件で最多となり、最少が今年1月の227件。1年間を通じて200〜300件の相談がコンスタントに寄せられた。

 11年度は東日本大震災関連の相談が多かったため単純比較はできないが、震災前の10年度比で341件増えたほか、09年度比からは1364件増加している。

 他の部局と調整して処理し、相談者に結果報告した案件では都市建設部関連が44件と最多。主なものでは市営住宅での住人トラブル、団地敷地内での花壇づくりなどを扱った。土木部関連も41件。道路・マンホールの損傷や雑草駆除、街路樹に関する内容が多かったとしている。

 同課は「市民がどこにかけたらいいか分からずに電話してくるケースがほとんどだが、何らかの処置が必要なものは迅速に対応するケースが増えている。各部局との事務的な連絡ミスがなくなる効果も生まれた」と手応えを示している。

 くらし安心110番の受け付けは平日午前8時45分から午後5時半まで。TEL0138・21・3110。(千葉卓陽)