2013年5月25日 (土) 掲載

◎低い水温影響? 資源量少ない? 恵山バキバキ大不漁 

 春の盛漁期を迎えた函館市恵山地区のブランドホッケ「海峡根ボッケ・バキバキ」の刺し網漁が、今季も不振だ。不漁と言われた昨年同期の漁獲量を大幅に下回り、漁業者は「大不漁だ」と困り顔。専門家は「資源量が少ないのではないか」と推測している。

 「ここまで捕れないのは近年で経験がない。お客の期待に応えたいという思いは強いが、量が少なくて…」。えさん漁協(高島武俊組合長)の尻岸内ほっけ刺網部会(9人)の佐藤光行部会長(42)は嘆く。佐藤さんの23日の漁獲はわずか1匹といい、極度の不漁。「今季は型がいい。これから水温が上がって漁模様も上向いてほしい」と期待を込める。

 高島信幸さん(63)は「1回の漁で数匹しかかからない日もある。水温が平年より2、3度低いため、魚の活性が悪くて沿岸に寄ってこないのでは」。 同漁協によると、4月中旬から始まった今季の水揚げ(23日まで)は、今月7日の116枚(1枚=5`入り発泡スチロール箱)が最多。23日は42枚だった。「巻き網漁、1本釣りホッケも捕れない」と同漁協。一方、戸井地区での刺し網漁は量があり、単価的にも苦戦しているという。

 道総研函館水試(湯川町)の藤岡崇主査は「要因の一つに2009、10年級群の資源状態が良くないことが挙げられる」と話す。  バキバキは、第45回恵山つつじまつりイベント(26日)で即売を予定している。(山崎大和)



◎流山温泉駅の「新幹線」撤去へ 

 【七飯】JR北海道は24日、流山温泉駅に展示している東北新幹線として使われた200系車両を、6月末までに解体し、撤去すると発表した。同車両は北海道新幹線が早期に開通することなどを願って、2002年に設置されたもので、同社は「当初の目的だった北海道新幹線の札幌延伸が決定し、一定の役割を終えた」としている。

 撤去が決まったのは、同駅前広場に設置されている先頭車両2両とグリーン車1両の計3両。同車両は1981年に製造され、東北新幹線「やまびこ」「あおば」として2001年に現役を退くまでに延べ811万`を走行。02年に流山温泉駅が開業したのに合わせ、第2の人生として静態保存が始まった。

 設置に際しては、新幹線に乗る機会の少ない道内の子どもたちに夢を与えることや、北海道新幹線開業への懸け橋的存在となるように願いが込められたという。

 同社は「(車両には)『本当にありがとうございました』と言いたい。今後は着々と工事が進む北海道新幹線の開業を楽しみにしていただければ」としている。撤去に伴う工事は今月下旬から始まり、車両の解体は6月に実施される。 (森裕次郎)



◎市教委に中学再編答申書 

 函館市学校教育審議会(高村昭三会長)は24日、市教委に「市立小・中学校再編計画」第1期再編の答申書を提出した。対象となった第2グループの中学7校を3校とする統廃合について、的場(全校生徒332人)・凌雲(193人)・光成(90人)を1校にして校舎位置を的場に、桐花(303人)・五稜(178人)・大川(177人)を1校にして校舎位置を桐花に定めた。港(250人)は統廃合しない。

 統合校の位置は対象校の通学区域内の中心であることを優先し、校地面積や教室数などを考慮し決定。港中はJR線で分断される地理的条件や、通学区域内で現在、宅地造成が行われ将来的に再編基準とする9学級以上を確保できる可能性があることから現状通りとした。

 統廃合後は通学区域も変更。▽宇賀の浦中に行く北星小児童は的場中へ▽五稜中に行く柏野小児童は的場中へ▽凌雲中に行く千代田小児童は桐花中へ▽五稜中に行く本通小児童は本通中へ▽桐花中に行く北昭和小児童は亀田中へ—とする。

 統廃合後の学校規模の推計は、的場・凌雲・光成の統合校が2016年で16学級579人。桐花・五稜・大川は16年では16学級569人としている。

 答申書を山本真也教育長に手渡した高村会長は「統合校は4校にすることも検討したが、近いうちに再び統廃合が必要となることが想定されることから3校にした」と説明した。

 山本教育長は「地域の実情を十分に踏まえた内容だと思う。地域住民の理解を得ながら統廃合を速やかに進めたい」と述べた。

 今後はPTAや町会を対象にした説明会を開催し、同意を得てから年度内にも正式決定する。校名や校歌の設定、耐震改修などの施設整備を経て、統合校の開校は16〜19年度を予定する。

 第2期再編の検討は第1期の同意を得てから開始。第1グループの中学3校(西、潮見、宇賀の浦)を1校へ、第2グループの小学12校(中部、北星、八幡、万年橋、港、高盛、千代ヶ岱、中島、千代田、柏野、金堀、亀田)を7校に統廃合する方針。  (後藤 真)


◎奥尻町が入島税検討へ

 【奥尻、札幌】新村卓実町長は24日、道庁で高橋はるみ知事と会い、観光振興と自然環境保全を目的に、奥尻島に入る人に対して1人100円ほどの「入島税」の徴収体制を整えたい意向を伝えた。対象は観光客のほか、島をいったん出て帰ってくる町民も視野に検討。6月の定例町議会と各種会合で町民に理解を求め、数年後の導入を目指したい考え。

 7月の南西沖地震20周年追悼式典への出席依頼の中で、今後の振興策の一つとして知事に入島税構想を明かした。入島税は法定外目的税で、導入には総務省の同意が必要だが、沖縄県の3離島ですでに導入されている。関係者によると懇談で高橋知事は、賛成反対の姿勢を示さず「クリアすべきことが多くある」と述べたという。

 奥尻島観光協会によると、同島への観光客は、2003年度の約5万8000人をピークに年々減少、近年は約3万人で推移しているという。

 新村町長は函館新聞の取材に対し、「入島税の導入は島民から反対の声が出てくると思うが、公平な徴収で振興策の財源確保を図りたい。構想をじっくり練り、奥尻の将来を見据えて十分意見を交わしていきたい」としている。 (田中陽介)