2013年5月27日 (月) 掲載

◎ツチクジラ初水揚げ

 道南日本海でのツチクジラの商業捕鯨が25日に始まり、函館港豊川埠頭(ふとう)に26日未明、初水揚げがあった。ツチクジラ捕獲は今年全国で初めて。27日に競りを行い、新鮮なクジラ肉が店頭に登場する。

 雌で体長約10メートル、体重6・5トン。函館で操業する太地町漁協(和歌山県)の小型捕鯨船正和丸(15・2トン)が、6月30日まで計10頭を捕獲する。

 25日は午前3時15分に松前港を出港。午後2時5分に2つの群れ16頭を発見、同4時20分に松前沖約41キロで捕った。鮮度保持のため腹を割いて海水で冷やしながら曳航、26日午前0時20分ごろ入港した。接岸後、クレーンで魚体をつり上げ、トレーラーに載せて市内の処理場へ運んだ。

 陸上で作業した太地町のクジラ漁師、坂口充則さん(46)は「この時期としては標準サイズ。イカの来遊が始まれば、もっと群れが見えてくるのでは」と話していた。

 函館では、ツチクジラ肉を使った竜田揚げや刺し身などが楽しめる。ツチクジラは国際捕鯨委員会(IWC)の規制対象から外れている。(山崎大和)



◎青函交流 ラジオが一役…FMいるか・青森 共同制作番組人気

 ラジオも青函交流始めました—。函館の地域コミュニティー放送局「FMいるか」が4月から、FM青森(青森市)と共同制作している新番組「モット青函!ツイン・レディオ!」が人気だ。両地域の旬≠ネ観光情報などを紹介。肉声で青函を結ぶ橋渡し役として一役買っている。

 北海道新幹線開業を前に、両地域の魅力を発信し合おうとFM青森がFMいるかに呼び掛け、久々の復活。毎週金曜午後4時20分〜30分に各スタジオで収録、函館・近郊と青森県全域で生放送している。

 パーソナリティーはFMいるかが安川智巨(ともきよ)さん、佐藤はるかさん、FM青森が横山琢巳さん、里村好美さん。

 今月24日は横山さんらが、県をまたいで同日開園した三陸復興国立公園(八戸市〜宮城県気仙沼市)のニュースを提供。青森県での国立公園誕生は77年ぶりで、「特に、作家の司馬遼太郎さんが絶賛した種差海岸は絶景の名所」「八戸には地元で水揚げされたサバを使った『サバーガー』というご当地バーガーがあるよ」などと紹介した。

 対する安川さんらが話題にしたのは、6月2日まで開催中の「恵山つつじまつり」。ツツジ60万本が咲き誇る恵山地区の魅力を売り込んでいた。

 収録後、安川さんは「函館に興味を持ってもらえる好機。名所だけでなく、少々マニアックな情報もお届けしたい」。佐藤さんは「青函は日帰りできる距離。『函館っていいな』と気軽に来てもらえる話題を提供し続けたい」と張り切っている。(長内 健)

 



◎エビ・ツブ祭り盛況…鹿部道路開通記念 初イベント

 【鹿部】町は3月に国道278号鹿部道路(バイパス)が開通したことを記念し、鹿部公園で「鹿部!春のえびつぶ祭り」を開催した。甘エビやツブの即売イベントには近隣から大勢の買い物客が訪れた。

 同公園がバイパスに面していることから、これまで以上に公園の景観とエビやツブなどの海産物を対外的にアピールしようと初開催した。エビ(約500グラム)とツブ(1キログラム)のセットを特別価格の1000円で提供する目玉イベントには、祭り開始1時間以上前から客が列を作ったため、整理券を配布。販売を開始すると30分も経たずに用意した分が完売する人気だった。

 会場ではこのほか、ほたてギョーザやスケソ親子サンド、ほたて天ぷらうどんなどのご当地グルメも販売され、函館などから訪れた家族連れが見ごろのサクラの下で海の幸を楽しんでいた。町内の主婦(71)は「エビとツブのセットが買えてよかった。ツブは酢味噌和えにするとおいしいので楽しみ」と話していた。(森裕次郎)


◎女性の在宅就業支援…函館市がモデル事業実施へ

 函館市は国の緊急雇用対策事業を活用し、結婚や出産、子育てなどで仕事を中断している女性向けに、在宅で就業できる環境の整備に向けたモデル事業を行う。主にIT関連技術を持つ人材を登録しておくことで、必要な時に技術を生かしてもらう趣向。23日の市議会臨時会で関連議案が可決され、今後、委託事業者を募集する。

 今回の事業は、技術を持ちながら仕事を中断している女性がターゲット。子育てや介護などが一段落つき、仕事に出たい時でもフルタイム勤務が困難な場合があるためで、仕事と生活の調和を取る「ワーク・ライフ・バランス」の考え方に基づくもので、女性の多様な働き方を後押しする狙いがある。

 具体的には、プログラミングやデータ入力、ウェブデザインなどが自宅でできる人を人材登録しておくことで、必要に応じて仕事ができる環境を整える。市労働課は「首都圏では企業の電話窓口として、在宅型コールセンター業務が盛んに行われている。モデル事業として取り組み、函館での動向を調査したい」とする。

 道の補助金で財源を賄い、本年度補正予算で関係経費1290万円を計上。臨時会での議決後、起業後10年以内の市内民間企業を対象に、委託先を公募する。同課は「6月までに事業を開始したい」としている。(千葉卓陽)


◎函館競馬場のイベントにキンタロー。さん登場

 JRA函館競馬場は26日、同日に行われた日本ダービー(G1、東京競馬場)と6月15日から始まる函館競馬を盛り上げるイベント「うまうまハッピー♪フェスタ」を開いた。多くの来場者が競馬とともに、人気タレントのゲストショーやグルメイベントなどを楽しんだ。

 スタンド前の特設ステージでは、「キンタロー。with八幡カオルの第80回日本ダービーでフライングゲット!」を開催。AKB48のものまねで人気のキンタロー。さんらがステージに登場すると、詰め掛けた親子連れらが大歓声を送った。

 また、同競馬場内西側の風の広場では、道南と札幌のご当地グルメをキッチンカーで販売したほか、函館中央署がパトカーや白バイを展示し、交通事故防止などを呼び掛けた。

 今年の函館競馬は6月15日から9月1日まで。改装工事中の札幌競馬場の開催分も行うため、昨年の2倍に当たる24日間の開催となる。(金子真人)