2013年5月28日 (火) 掲載

◎ラ・サール高金星 北海破る…春季道高校野球大会

 【札幌】夏の大会への試金石となる第52回春季道高校野球大会(道高野連など主催)が27日、札幌円山球場で開幕し、1回戦3試合を行った。第2試合で26年ぶり2度目の函館支部代表をつかんだラ・サールが、春夏合わせて47度の甲子園出場を誇る北海と対戦。3点を追う7回に打者11人で5点を挙げて逆転。8回にも1点を加えて7—5で強豪を撃破し、全道初勝利を挙げた。

 道内10支部から16校が出場し、開会式で各校の選手たちは手足をそろえて入場行進。ラ・サール、函大柏稜(初出場)の函館支部代表2校の選手たちは胸を張って元気良く登場した。

 同支部の試合は函大柏稜が第3日第1試合の1回戦で帯広北(9年ぶり11度目)と対戦。ラ・サールは同日第3試合で駒大苫小牧(4年ぶり10度目)と準決勝を懸けて戦う。(小林省悟)



◎光る影絵に園児笑顔…大谷短大生が公演

 函館大谷短大の光る影絵サークル(伊藤貴美子部長、27人)は27日、市立はこだて幼稚園(前原聡子園長、園児52人)で、本年度1回目の公演を行った。学生が演じる影絵劇に笑顔が広がった。

 1年生16人が仲間入りし、2年生11人(男性1人)と一緒に活動を開始。幼稚園や児童館から依頼を受け、年に約30回の公演をこなす。

 この日は、同園のほか、市立戸井幼稚園19人、函館共愛会千歳保育園23人、子育てサークル「にこにこ」の親子8組、はこだて幼稚園を卒業した小学生4人も参加した。

 学生は歌やマジック、バルーンショーに続き、全員黒子衣装を着て光る影絵を披露。ディズニーの音楽に合わせて暗闇に次々と人形が光って飛び出すと、大きな歓声が上がった。

 伊藤さん(19)=こども学科2年=は「みんな緊張していたけれど、子どもたちの反応が良くて楽しくできた。光る影絵に加え、今年は新たに人形劇も取り入れたい」と話していた。(山崎大和)

 



◎新駅工事 相次ぎ本格着手…あす木古内で立柱式

 【木古内、北斗】北海道新幹線工事の事業主体、鉄道・運輸機構は、29日に木古内駅、6月15日に新函館(仮称)駅の安全祈願と鉄骨の柱を初めて建てる立柱式を行い、駅舎建設工事を本格化させる。それぞれ2015年6月の完成予定。駅舎ができる北斗市と木古内町ではまちの新たなシンボルの完成と15年度末の開業に向けて期待が高まっている。

 木古内駅工事は昨年12月に発注。総工費は約22億5000万円。駅舎部分は1850平方b。窓枠や天井部には道南スギなど地域の木材を利用するほか、ホームにはフル規格となる車両10両分の上屋を掛ける。

 町は本年度、駅周辺の駐車場整備に着手し、14年度には「観光交流センター」を建設する。町まちづくり新幹線課は「駅舎の建設は町民の期待も大きく、駅周辺整備をしっかり進めていきたい」と話している。

 北斗市に建設する新駅は2月に発注された。総工費は37億2750万円。駅舎部分は4200平方b。本道の玄関口となることから、駅舎の柱は北海道らしさを表現するためポプラ並木をイメージ。天井に向かって途中で枝分かれするデザインにした。

 また、道南材とレンガを内装のアクセントに使い、駅前施設との一体感を演出する。新幹線を降りた後、階段を上り下りせずに札幌方面に向かう特急や現函館駅に向かうアクセス列車に乗り継ぐことができる。改行 駅前の土地区画整理事業は順調に進展し、本年度は商業用地の造成に着手。駅舎と合わせ駅前周辺も形成され、市は「駅前の企業誘致やまちづくりにさらに弾みをつけたい」としている。

 一方、本州側では青森県今別町で4日に奥津軽(仮称)駅の安全祈願の式典がある。


◎スルメイカ 序盤不漁?…分布密度 01年以降2番目の低さ

 松前沖から秋田県男鹿半島沖にかけての日本海側のスルメイカ分布密度が、昨年を下回り、2001年以降では2番目に低いことが道総研函館水試(湯川町)の調査で27日、分かった。道南海域にはイカの群れがまだ来遊していないとみられ、漁序盤の漁獲は厳しそうだ。

 6月1日に漁が解禁されるのを前に、同水試の試験調査船「金星丸」(151d、イカ釣り機5台、集魚灯20灯)が今月17〜24日に調査した。

 松前沖以南の5地点で分布密度を調べたところ、イカ釣り機1台1時間当たりの漁獲尾数は平均2・4匹で、昨年の3・1匹を下回り、01年以降で最低だった11年の1・5匹に次ぐ低さ。松前沖の分布密度は0・1匹(昨年8・8匹)と01年以降で最も低く、函館沖(同0・3匹)も漁獲がなかったため、開始直後は漁獲低調の可能性が出ている。

 最も多く捕れたイカの胴長(サイズ)は、昨年を1a上回る14aで、全体の魚体サイズは昨年より大きく過去5年平均並み。

 分布目安となる水深50bの水温分布は、南側は沖まで高いが、津軽海峡から松前沖にかけては昨年に比べ沿岸近くまで冷たい。

 澤村正幸研究主任は「(初水揚げが45匹だった)11年の再現があるかも。ただ、日本海全体の資源量は悪くないと予想されており、群れの北上に伴って漁獲は上向くだろう。11年も当初の低迷後は急速に漁獲が回復し、漁期前半としてはそれほど悪くない漁況だった」と話している。(山崎大和)