2013年5月3日 (金) 掲載

◎函館出身ピアニスト岡田さん 音楽コン「エリザベート」本選に

 函館出身のピアニスト岡田奏さん(22)=パリ在住=が、5月6日にベルギー・ブリュッセルで始まる「エリザベート王妃国際音楽コンクール」本選に出場する。同コンクール優勝者の下で研さんを重ねて丸2年。「今の自分がどこまで演奏できるか」との思いで本選に挑む。

 同コンクールは、ショパン国際ピアノコンクール、チャイコフスキー国際コンクールと並び、権威ある世界三大音楽コンクールの一つ。ピアノ、バイオリン、作曲、声楽計4部門の中から毎年1部門を実施する。ピアノ部門の今年は過去最多の283人が予選に応募。書類とDVD審査を通過した75人が一次、セミファイナル、ファイナルへ臨む。

 今年6月にパリ国立高等音楽院修士課程2年を修了予定の岡田さんは、2年前から、1991年のエリザベート王妃国際音楽コンクール優勝者、フランク・ブラレイさんにピアノを師事。ブラレイさんのレッスンや交流を通じ、同コンクール挑戦を考えたという。

 一次では、ショパンやリストの練習曲、自由曲など7曲。セミファイナルでは、課題曲を含むリサイタル・プログラムと、モーツァルトのピアノ協奏曲が課される。ファイナル出場が決まれば、現地の城に1週間滞在し、その時発表される新曲を本番に向けて仕上げるほか、ピアノ協奏曲とピアノソナタ全楽章の演奏準備もしなければならない。

 今年2月、フランスであった「第12回ピアノキャンパス国際コンクール」で優勝した岡田さん。この2年間は、ブラレイさんのレッスンで楽譜にある作曲者の意図をどう読み取り、どう表現するかを研究してきた。コンクール直前の今、演奏曲へのイメージを損なわないよう、練習の合間に読書したり、まちを歩いたりしている。

 岡田さんは「ブラレイ先生は今の自分と同じ22歳で優勝した。ご縁を感じるし、修了前に何かに挑戦したかった」と思いを語り、「コンクール出場は本当に幸せなこと。舞台上では一瞬一瞬を大切に、楽しみながら演奏したい」と意気込んでいる。(長内 健)



◎GLAYのアイテム展示「G4 Space」松風に移転

 7月に緑の島(函館市大町)で野外コンサートを開催する函館出身の4人組ロックバンドGLAYの貴重なアイテムを展示している「G4 Space」が2日、松風町6の洋服店「SODAPOP」内に移転した。展示スペースを大幅に拡大し、限定グッズなどの販売もしている。

 「G4—」は、函館に訪れたファンが気軽に立ち寄れる場所を作ろうと2011年7月、GLAYのリーダー・TAKUROさんと親交がある齋藤輝さんがオーナーを務めるSODAPOP(当時は梁川町)の店内に開設。同店の松風町移転に伴い、リニューアルオープンした。

 場内には、メンバーがコンサートで使用した衣装、ノベルティグッズ、デビュー前のライブチラシなどを展示。また、ボーカルのTERUさんがデザインしたキャラクター「ズラー」のここでしか買えないタオルやキーホルダーなどの販売も行っている。

 「G4—」を運営するGLAYのマネジメント会社ラバーソールの岡村智仁事業部長は「夏のライブに合わせて、ファン同士がこの場所で交流できるようなイベントを考えていきたい」。SODAPOPの齋藤代表は「市外から訪れたGLAYファンが函館の街を好きになってもらえるよう取り組んでいきたい」と話している。(金子真人)



◎GW前半寒い道南 天候回復後半に期待

 肌寒さを感じる日が続く中で、3日から大型連休後半に突入する。4連休も曇りがちの天気が続き、気温はそれほど上がらない見通しだ。函館市内では肩をすぼめながら歩く観光客の姿が目立つ一方、宿泊施設の予約は順調。サクラの名所、五稜郭公園ではジンギスカンを囲みながら開花の便りを心待ちにする市民が増え始めている。

 函館海洋気象台によると、オホーツク海上空の低気圧の影響で道内は寒気が入りやすい状態という。例年であれば、市内は15度前後まで気温が上がるが、最高気温は1日は6・8度、2日は12・4度と肌寒い。3日の午前は雨が降りやすく最高気温は10度、4〜6日は13〜15度と気温は平年並みとなるが、4、6日は時折、雨が混じるという。

 市内西部地区では厚手のコートやストールを首に巻いた観光客が目立った。元町のソフトクリーム販売店「ハコダテソフトハウス」の宮本昌典オーナー(64)は「店内ではストーブを使っている。15度くらいまで上がってくれないとなかなか売れない」と、天候回復を願う。名古屋市から夫婦で観光に来た男性(55)は「昨日はサクラを楽しみに松前公園に行きましたが咲いてなくて残念。名古屋の冬の寒さみたい」と話し、持参したダウンジャケットが役に立ったと苦笑いする。

 ただ、市内観光施設の入り込みはほぼ前年並みの状況だ。市文化・スポーツ振興財団によると、市芸術ホール脇の駐車場は例年より1割程度(約500台)利用が少ないが、花見客の動きが鈍いためとみられる。五稜郭タワーは4月27日からの3日間の入場者数は1万2378人で「サクラが咲いていない分、昨年よりは少ない状況」とし、「開花に合わせて多くのお客さまに来てもらいたい」と期待を込める。函館山ロープウェイは、3日間で2万1528人で「天候は心配だが、書き入れ時は後半にと期待している」とする。

 市観光振興課の小笠原聡課長は「宿泊施設の予約は順調のようで、観光客を迎え入れる準備は整っている。桜が咲けば、道内客も函館に行こうかという気になるのがこの時期。後半の4連休は期待したい」と話していた。(今井正一、松宮一郎)


◎道新幹線開業へ機運盛り上げ 棒二森屋でパネル展

 2016年3月の北海道新幹線新函館(仮称)開業に向けて住民の機運を高めようと、棒二森屋(若松町)の7階催事場で2日、「北海道新幹線パネル展」が始まった。パネルで工事の進捗(しんちょく)状況や沿線自治体の取り組みを紹介しているほか、新幹線関連グッズを販売するなどして、開業ムードを盛り上げている。7日まで。

 同店で新幹線開業に関連し催事を行うのは今回が初めて。開業に向けた自治体などの取り組みを知ってもらうのが狙い。渡島総合振興局や北斗市、木古内町、七飯町、函館市や函館商工会議所などでつくる北海道新幹線新函館開業対策推進機構などがパネルを提供するなどして協力した。

 会場には20枚以上のパネル、のぼり、ポスターを展示。パネルは高架橋の工事の進み具合を写真でわかりやすく紹介。また、北斗市に建設される新駅の完成予想図、七飯町にできる総合車両基地の計画図もあり、3年後のまちの様子を伝えている。また、同推進機構は、函館市内の小学生から募集した「夢乗せて走れ! 北海道新幹線はこだて絵画コンクール」の力作を並べた。

 グッズコーナーには、新幹線をあしらった文房具をはじめ、座席のシートの生地を再利用したクッションなどを販売。列車の模型などは子どもたちに人気だった。

 同店の担当者は「大人から子どもまで楽しめる企画。現在の工事の状況や自治体の取り組みを確認してもらえれば」と話している。(松宮一郎)