2013年5月30日 (木) 掲載

◎「工事いよいよ最終章」木古内駅舎建設 本格化

 【木古内】2015年度末に開業する北海道新幹線木古内駅舎の起工式が29日、木古内町の建設予定地で開かれた。15年5月の完成を目指し本道で最初の新幹線駅の建設が本格的に始まった。全工区の工事の進ちょく率は事業費ベースで80%に達しており、開業に向けて新幹線関連工事はいよいよ最終盤を迎えた。

 木古内駅工事は昨年12月に発注。総工費は約22億5000万円。鉄筋コンクリート造り2階建て。駅舎部分の延べ床面積は1850平方メートル。ホームは2階にあり、3本の線路を間に挟む相対式。真ん中の線路は速度を落とさずに走行するための通過線になる。窓枠や天井部には地元から要望があった道南スギを利用するほか、ホームにはフル規格となる車両10両分の上屋を掛ける。

 式には地元関係者ら約70人が参加。安全祈願に続いて大森伊佐緒町長らが、掛け声と同時に据え付けられた柱にナットを差し込んだり、スパナで締めたりする所作をして工事の安全を祈った。

 発注者を代表して同機構北海道新幹線建設局の金山洋一局長が「木古内駅は町の玄関であると同時に北海道全体の玄関口でもある。地元の要望に応えることができるように立派な駅にしたい」とあいさつ。

 来賓の大森町長は「木古内駅建設が始まり工事はいよいと最終章。うれしさも倍増で、町民の期待、夢も今まで以上に膨らんでいく」と声を弾ませた。本道最初の駅となることから、「駅周辺整備をしっかりと進め、近隣自治体とも連携を図っていく」と述べた。

 同機構によると、年内に駅の外観が姿を現すという。駅舎建設は木古内駅を皮切りに、6月4日に本州側の青森県今別町の奥津軽(仮称)駅、15日には北斗市で新函館(仮称)駅の安全祈願が行われ、工事が本格化する。(松宮一郎)



◎大輪のトンネル 石崎地主海神社でヤエザクラ満開

 函館市白石町248の石崎地主海(いしざきじぬしかい)神社でヤエザクラが満開になった。今年は低温の影響で、見ごろは例年より10日ほど遅れており、訪れた人はようやくできた大輪のトンネルを楽しんでいる。

 1968年に神社が現在地に移転した際、参道に約170本の「関山」が植えられた。約300メートルにわたる濃紅色の桜並木の美しさは全道的に有名で、毎年、市外からも見物に来る人が多い。江別市の自営業田崎伸吾さん(52)は「札幌の知人から紹介してもらい、初めて来た。迫力ありますね」と話していた。

 同神社によると、来週の中ごろまで見ごろという。(山崎純一)

 



◎ツチクジラ定食いかが 魚いち亭で1日から提供

 函館市水産物地方卸売市場(豊川町)2階の魚市場食堂「魚いち亭」(佐々木博樹代表)は6月1日から、ツチクジラ肉を使った照り焼き丼と、竜田揚げ定食を安価で提供する。

 クジラ肉を、しょうがじょうゆに漬け込んで片栗粉をまぶして油で揚げた竜田揚げは、軟らかくて懐かしさを感じる味。

 昨年メニュー化し好評だった照り焼き丼は竜田揚げに甘辛いたれをからめて焼き、ご飯によく合う。ボリューム満点で、みそ汁、小鉢、漬物がついて500円(肉の大盛り700円)。

 道南日本海で25日からツチクジラの商業捕鯨(函館は10頭まで)が始まったのに合わせ、毎年この時期に函館水産連合協議会鯨(くじら)普及部会(利波英樹会長)と協力、市民にクジラメニューを提供。利波会長は「ツチクジラの赤肉はヘルシーで、バレニンという栄養分も豊富で健康にも良い。若い人もこの機会に食べてみてほしい」と話している。

 6月末まで。休市日の日・水曜は休み。午前7時〜午後2時。問い合わせは同店(TEL0138・22・0136)へ。(虎谷綾子)

 


◎春の高校野球 函大柏稜も全道初勝利

 【札幌】第52回春季道高校野球大会(高野連など主催)第3日は29日、札幌円山球場で1回戦2試合と準々決勝1試合を行った。第1試合は3季連続の代表となった函大柏稜が帯広北と対戦。延長10回1死3塁に成田大希(3年)が左前打を放って2−1のサヨナラで道大会初勝利を飾った。準々決勝に進出したラ・サールは、駒大苫小牧と対戦。食らいついた序盤の健闘も及ばず、終盤に崩れて8回コールド負けを喫した。

 函大柏稜は第4日の30日第3試合で準決勝進出を懸けて、3月の春の甲子園でベスト8入りした強豪・北照と対戦する。


◎クリーンエネルギー 森町を発信拠点に

 【森】衣料品小売業の岩島商店(岩島隆幸社長)は29日、町姫川に計画を進めている町内初の大規模太陽光発電所(メガソーラー)の建設工事安全を願い、地鎮祭を執り行った。

 この日は関係者約30人が出席。岩島社長(61)は「森町は少雪、少雨である上、気温が安定し、日照率も良い場所であることを利用し、クリーンエネルギーの発信拠点として(建設に)着手した」と意気込みを語った。

 建設予定地ではすでに敷地の造成工事が始まっており、10月の完成・運用開始を目指す。投資額は約3億6000万円。3840枚のパネルを設置し、出力は約1000キロワットとなる。発電量は一般家庭の333世帯分に相当し、全量を北海道電力に販売する。施設の設計はNTTファシリティーズ(東京)、建設は日比谷総合設備(東京)が担当する。

 岩島社長は一昨年の東日本大震災をきっかけに自然エネルギーの重要性を再認識したといい、「(発電所の建設により)皆さんがクリーンエネルギーに関心を持ち、小規模でも太陽光発電を設置する契機となれば」と話している。(森裕次郎)