2013年6月1日 (土) 掲載

◎教員養成機能 存続 函教大 国際地域学科に再編

 2014年度からの組織改編を目指す北海道教育大学(本間謙二学長)は31日、文部科学省に新学科の設置認可申請書を提出した。函館校は現在の人間地域科学課程から教育学部国際地域学科に再編され、小学校の教員養成機能も存続する。

 再編案には小学校教員養成機能を持たせたコース(定員45人)とともに、国際化時代に対応したカリキュラムを組むことが示された。定員は現在の330人から45人減少し、285人となる見通し。今後、同省による審査が始まり、順調に進めば6月下旬ごろ認可される。

 同大は昨年6月に新学部再編案を見直し、新学部設置を13年度から14年度に先送りすることを発表。当初の再編案には、函館校の教員養成機能の廃止が打ち出されていたため、同校OBらが教員養成機能の存続と附属学校の維持を要望し、文科省に約3万5000人の署名を提出していた。

 今年、函館校は、3月末に本部が入学定員を50人減の280人とし、教員養成機能を持つコースの定員を40人とした案と再編時期に反発。同校は教員養成の定員の増員と組織改編の1年の先伸ばしを本部に要請した。これに対して4月、本間学長が同校を訪れ、設置に必要な書類作成を5月中にまとめるよう伝え、同校が準備を進めていた。(教育大再編問題取材班)



◎マイワシ大漁も複雑 漁具整備に経費 鮮度保持が課題

 江差】道南では珍しい初夏のマイワシが、江差近海で大量に水揚げされているが、漁師の顔はさえない。サクラマスなどを狙う定置網の網目に魚体が食い込み鮮度保持が難しく、その重みで引き揚げ時の負担になっているためで、「大漁だが素直に喜べない」。一方で「今とれる魚に目を向けて対応すべき」と前向きな声もある。

 江差でマイワシがとれ始めたのは5月下旬から。多い日には約1トンの水揚げがあった。町内のベテラン漁師は「網の中でギラギラ光ってこんなにイワシが入ったのは初めて。網から外す作業が大変だ」と話す。

 体長は20センチ前後が多く、上ノ国町でも漁があり、同時期のイルカの目撃情報から、「沖合で追われたイワシが岸辺に逃げ込んだ可能性がある」とみる。

 ひやま漁協江差支所によると、浜値は1キロ当たり2、3円で「鮮度次第では10倍高くなるが、漁具整備の経費が必要で現実的には難しい」という。ある漁協関係者は「今後イワシの漁が増えた場合、(本州からの)船団の経由地として活用できれば」とする。

 独立行政法人水産総合研究センター日本海区水産研究所(新潟県)によると、マイワシの資源は気象条件などに左右され「数十年周期で増減の波が来る」と分析。国の調査では、日本海側の漁獲量は1990年前後の約160万トンをピークに、2000年〜03年に1000トンまで落ち込んだが、11年に4万4000トンに回復。今年は新潟県の巻き網漁が好調で、2月に1600トン、3月1400トンなど日本海側で豊漁に沸いた。

 同研究所は「資源増加の兆しはあるが、今後数年の状況が判断材料となる」。日本海側のマイワシの漁獲状況をまとめる、同じく西海区水産研究所(長崎県)は「この時期のマイワシの行方を探る上で、北海道南部で水揚げがあったという情報はとても興味深い」と話している。(田中陽介)



◎北斗市 風疹予防接種に助成

 【北斗】北斗市の高谷寿峰市長は31日、市役所で定例記者会見を開いた。全国的な風疹の流行を受けて、妊娠を希望している19歳以上50歳未満の女性や妊婦の配偶者を対象に予防接種費用の一部を助成する方針を示した。6月中旬に開かれる第2回定例市議会に予防接種委託料467万2000円を盛り込んだ一般会計補正予算案を提案する。

 医療機関に支払う接種費用約1万円のうち、自己負担分3000円を除いた差額分を市が助成する。実施時期は議会議決後の7月1日から来年3月末までとする。

 妊婦のワクチン接種は胎児に影響を与える可能性があり、厳禁となっているが、妊娠中に感染すると、赤ちゃんに心疾患や難聴、白内障などの「先天性風疹症候群」が発症する恐れがある。

 国は1〜2歳と就学前の1年間の計2回を定期接種と位置付け、接種費用を公費で賄っているが、小学生以上となると自己負担となる。大人を対象とした助成は道内では苫小牧市が5月から先行して実施。渡島、桧山管内ではまだない。

 高谷市長は「生まれてくる子どもに障害を残さないよう対策を施す必要があると判断した」と述べた。

 一般会計補正予算案にこのほか、政府の地方公務員の給与削減要請に伴い、特別職や教育長、一般職員の給与費計2469万8000円を減額。職員組合との交渉妥結を経て、職員の給与を平均3%引き下げるなどした。(鈴木 潤)


◎志望大学の情報収集 説明会に受験生ら150人

 函館新聞社は31日、ベルクラシック函館で大学説明会を開いた。北海道・東北の18大学・短大がブースを設け、受験生らが進路実現に向けて真剣に耳を傾けた。

 参加したのは、公立はこだて未来大や函館大、函館短大、函館大谷短大など。ほかに酪農学園大など7大学・短大が資料参加した。保護者や高校教諭、高校生約150人が足を運んだ。

 大学側は、担当者がカリキュラムや入試方法、卒業時に取得できる資格・免許、就職実績などを説明。就職難を反映して医療、看護、栄養といった仕事に就ける学部・学科が人気を集めた。

 東北の大学を志望する遺愛女子高の生徒(17)=3年=は「国際関係学を学んで教員免許を取り、留学もしたい。函館から近いのも魅力で、行きたい気持ちが強まった」、函大付属有斗高の生徒(17)=同=は「志望校は2つ。オープンキャンパスにも参加して先輩の話を聞いて判断したい。体育教諭になるのが目標」と話していた。(山崎大和)


◎オンパク 今年は中止 新幹線開業へ内容見直し

 湯の川温泉を舞台にした体験型イベント「はこだて湯の川温泉泊覧会(オンパク)」の実行委は、8年目の今年のイベントを休止することを決めた。2016年3月に予定している北海道新幹線新函館(仮称)開業に向け企画内容を見直すためで、来年以降の再開を目指す。実行委は「内容を充実させるため、この1年間で企画をしっかりと練り直したい」としている。

 オンパクは、函館湯の川温泉旅館協同組合(22施設)でつくる実行委が温泉や地域の魅力を発信しようと、大分県の別府温泉の取り組みを参考にして06年10月にスタートした。

 すべてのプログラムに温泉入浴の特典付きで、料理教室やすし職人体験など食に関する企画のほか、まち歩きやランニング、ヨガ、エステ、メークなどの多彩なプログラムを用意。捕れたての朝イカやマグロの解体ショーなどの企画が好評だった。

 多い年には約3000人が参加。リピーターも多く、これまで8回の開催で、約1万4000人を集めた。ただ、参加者が集まらずに実施回数を減らした企画もあり、09年にはプログラムの数を約半分に減らすなどして対応。イベントのあり方の見直しを迫らせていた。

 実行委は新幹線開業を視野に入れ、内容を充実させるために今年は休止を決断。金道太朗実行委員長(湯の浜ホテル社長)は「観光客や地元客がより楽しめるコースや内容を考え、イベントをバージョンアップさせたい」としている。(松宮一郎)