2013年6月11日 (火) 掲載

◎露地ダイコン出荷盛ん

 【七飯】トンネルとマルチで保温して栽培した露地ダイコンの収穫・出荷作業が、七飯町内で盛んだ。初夏の風を感じる畑で、農家がみずみずしいダイコンを掘り出している。

 1・8fで作る平野博章さん(48)=大川8=方では、2日から作業を開始。今年から導入した収穫機を使い、実の部分が35aほどに育ったダイコンを次々と引き抜いている。自宅の作業場で洗浄、箱詰めし、現在は日量1000箱(1箱10`入り)をJAに出荷する。

 平野さんは「融雪遅れの影響もあり、出荷は例年より5日〜1週間遅れているが、商品自体に問題はない。軟らかいので、サラダや野菜スティックで食べるとおいしい」とPRする。

 ダイコンはニンジン、白カブと並んで早出し出荷する七飯の代表的な野菜。(山崎大和)



◎本場イタリア料理に挑戦、清尚学院高で講習会

 清尚学院高校(土家康宏校長、生徒303人)は10日、調理科3年生を対象にイタリア料理特別講習会を同校で開いた。講師の指導を受け、生徒74人が本場の料理づくりに挑んだ。

 講師は、外国人のためのイタリア料理研修機関「ICIF」のムッルー・シモーネさんと、ICIFを立ち上げた野沢寛夫さん。パスタやマグロのカルパッチョなど3品を題材とした。

 初めにシモーネさんが料理を実演。「フレッシュパスタ・ピーチとパンチェッタトマトソース」では、ソースと絡み合うよう玉ネギやパセリを薄く切ることや、「食材に風味をつけるには白ワインを加えること」と紹介。生徒はシモーネさんの鮮やかな手さばきを食い入るように見つめ、熱心にメモを取っていた。

 野沢さんは、イタリア人は冷凍品、レトルト食品は食べず「家で作った料理を食べる習慣がある」などと語った。蛯子幸助君(17)は「本場イタリア料理の工程を間近で学べて良かった」と話していた。(長内 健)



◎函館市立小中学校の耐震化率64%

 函館市立小中学校の耐震化率は4月現在で64%となり、前年同月より6・7ポイント上昇した。市教委によると、昨年度、凌雲中と亀田中の2校で耐震改修したことで改善。道と全国の平均よりは依然下回っているが、年々上がっている。

 耐震化率は、震度6強以上の地震でも倒壊しないとされる耐震基準を満たした校舎・体育館の割合。改行 昨年度は、凌雲中体育館(1959年建築)と亀田中体育館(69年建築)を耐震改修。また耐震診断は未実施だった小学19校、中学8校すべてで行い、当初予定の2016年度までより早く全校の耐震診断を完了させた。昨年度診断した27校のうち、校舎と体育館を合わせ一部でも補強が必要とされた学校は小学18校、中学8校に上った。

 小中の耐震化率が道と全国より低いのは、建築年数の古い建物が数多くある上、「補強工事に本格的に着手し始めた時期が全国的に比べて遅く、スピードも財政難から足りないため」(市教委)という。昨年4月現在で道は73・8%、全国は84・8%に上っている。

 本年度の耐震改修は、補強が必要と診断された青柳小校舎(1936年建築)、深堀小校舎(71年建築)、亀田小体育館(63年建築)、西中体育館(76年建築)の4校で総改修費約7億円をかけて行う。これまで耐震改修の年間の実施校数は2010年度の3校が最多だった。

 市教委は「耐震改修に向けた実施設計も今まで年間3校が最多だったが、本年度は16校で行う。学校の大半が災害時の避難所に指定されているので、スピード感を上げて改修を進めていきたい」としている。(後藤 真)


◎「いぶすきフラフェス」少女部門で道南のチーム優勝

 このほど鹿児島県で開かれた「第10回いぶすきフラフェスティバル」コンペティション部門で、函館、北斗の4カ所にあるフラ教室「フラオハナ アロヒ ヤマモト」(山本節子さん主宰)所属の小・中学生がグループカイカマヒネ部問(少女部問)で優勝した。また、同部門に出場した中原寧々さん(上磯小5年)は個人でも優勝。グループクプナ(大人部問)では3位入賞を果たし、好成績を収めた。

 8人が出場予定だったグループカイカマヒネ部門(5—14歳対象)は、メンバーの永田綾音さん(上磯小5年)が体調不良のため欠場。急なポジション変更があったが、7人は3月からチーム一丸で練習してきた成果を堂々と披露。子どもたちは母親手作りのレイやハクを身に付け、440点満点中438点の歴代最高得点で優勝した。

 出場メンバーは中原さん、佐藤亜衣子さん(上磯中3年)、江口実里さん(北中3年)、天野雅さん(赤川中1年)、三浦莉子さん(北美原小6年)、中嶋涼晏さん(昭和小5年)、岡島歌音さん(北美原小4年)。指導した山本さんは「中学生が小学生をしっかりサポートし、永田さんの分まで頑張るという気持ちが伝わってきた。よく頑張った」とたたえる。

 また、中原さんはグループ、個人で優勝したほか、個人、グループで部門を超えて最優秀を決める総合優勝にも輝いた。グループクプナには5人が出場し、大人の優雅な踊りを披露した。山本さんは「きっとハワイのクムフラ(師匠)が見守ってくれたのだと思う。子どもたちを心から誇りに思います」と話している。(平尾美陽子)


◎日銀支店120周年式典、函館の成長戦略を議論

 日本銀行函館支店(中川忍支店長)は10日、開設120周年記念式典を東雲町の同支店で開いた。経済、金融、行政、観光など各界の代表を招き、函館の成長戦略について議論を繰り広げた。出席者からは産業振興や2016年3月の北海道新幹線開業を見据え、観光面での域内連携の強化を指摘する声が上がった。

 この日は工藤寿樹函館市長をはじめ、松本栄一函館商工会議所会頭、地元金融機関のトップなど約20人が出席。中川支店長はあいさつで「次の120年に向け、地域のために今後も中央銀行業務にまい進していく」と述べた。

 支店の歴史の紹介に続き、フリーディスカッションを行った。テーマは「函館の成長戦略」。中川支店長が道南経済の疲弊や少子高齢化、生産年齢人口の減少など函館が抱える構造的な問題に言及。その上で出席者が地域活性化に向け、短期、中長期的に取り組まなければならないことについて意見を出していった。

 1次産業について「地産地消を進め、道南の産品を道内や東北に送りだすべき」などの意見が出た。観光については「新幹線開業に向け、域内で連携して足場を固めていこう」といった声のほか、「自分たちがもっと道南のことを知らなければならないのではないか」とする意見もあった。

 式典終了後に記者会見した中川支店長は「景観、歴史、食材、自然、温泉という観光の5大要素がそろっているのは国内でも函館だけ」と強みを指摘。ただ、「観光は経済情勢に影響を受けやすい。観光にだけ依存するのではなく、産業を育てていくことが重要」とした。(松宮一郎)