2013年6月14日 (金) 掲載

◎「ドライマッシュルーム」開発 「とかちマッシュ」使用

 合同会社オーガニックケルプ(函館市桔梗町、吉川誠代表)が、ばん馬の厩肥(きゅうひ)を利用して栽培した十勝産マッシュルームを使った「ドライマッシュルーム」を商品化した。道産のうま味を手軽に味わえるのが特徴で、函館と十勝両地域で展開しているクラスター事業が連携した初の商品だ。

 同社は、窯だき海水塩と海藻を使ったシーズニング(風味付け)ソルトを製造・販売する。ノーステック財団(札幌)の新商品に関する研究開発を2年前に手掛けていた際、とかち財団(帯広)を通じて「とかちマッシュ」を栽培する鎌田きのこ(同)を紹介してもらった。

 とかちマッシュから上品なうま味が出る点に着目、自社で独自の加工・乾燥技術を開発して製造。とかち財団が試作品を分析・評価し、道立工業技術センター(桔梗町)が乾燥の技術相談に乗った。

 生で食べるより、うま味と風味をより一層引き出すことに成功。昨年度から売り出し、「水戻し不要で、スープやパスタ、ピザなどによく合う」と吉川さん(37)。具にも、うま味(だし)にもなるのが魅力だ。

 同社ホームページ(http://organickelp.jp)で購入できるほか、飲食店への販売、道産食材直売の「HUG(ハグ)マート」(札幌)で常設販売。ドライマッシュルームは25c入り630円。「海藻ふりかけ(マッシュルームといなきび風味)」(35c入り525円)、「マッシュルームと発芽雑穀ごはんの素(もと)」(35c入り368円)もあり、吉川さんは「今後も連携を促進するような商品の企画・開発を進めていきたい」と話す。

 文科省の地域イノベーション戦略支援プログラムとして、函館マリンバイオクラスター(中核機関・函館地域産業振興財団)、とかちABCプロジェクト(同・とかち財団)、札幌では北大リサーチ&ビジネスパーク(同・ノーステック財団)を進めており、3地域の連携を推進している。

 ドライマッシュルームの問い合わせはケルプ社(電話0138・86・5585)へ。(山崎大和)



◎来月GLAYコンサート 交通規制など説明

 7月27、28日に緑の島(函館市大町)で開かれる函館出身のロックバンドGLAYのコンサート(午後3時半開演、同7時半終演予定)に向け、会場周辺の住民に対する説明会が13日、金森ホールで開かれた。関係者が当日の交通規制案を提示し、無事故への協力を求めた。

 コンサートをサポートする市西部地域振興協議会(二本柳慶一会長)が主催。13町会の20人が出席。プロモート会社のウエス(札幌)の若林良三常務が「約2万5000人(1日)が安全に入退場するために、皆さまの協力をお願いしたい」と呼び掛けた。

 計画案では、各日とも約1万5000人が函館以外から訪れると予想。ツアーバス発着場の西ふ頭(弁天町)と、JR函館駅から緑の島へは、徒歩で行き来してもらう。このため、両日とも午前11時半〜午後3時と午後7〜9時に、ベイエリアの市道(函館臨港通)で、七財橋(豊川町)から弁天町の一部まで通行止めとする。同区間の住民には通行証を発行し、規制を免除する。約200人の警備員、ボランティアスタッフが誘導する。

 出席者の「ごみが捨てられる心配がある」に対し、若林常務は「GLAYのファンは会場でごみを拾うほどマナーが良く、メンバーの故郷は汚さないと予想している。迷惑駐車や音量問題などに関して対策本部を設ける予定」と話した。

 今後は各町会が提示案に対して協議し、意義がなければ地元警察などに規制実施の要望を行う。 (山崎純一)



◎「黒船」ことしは2日間 

 音楽とファッション、食の催しを融合させたフェスティバル「HAKODATE黒船2013」(函館黒船地域活性化協議会主催)が10月26、27の両日、末広町のベイエリアを中心に開かれる。入場無料の新たな飲食スペースや、家族や障害者が気軽に集えるショーなども計画している。

 地域活性化を目的に開催し、今年で5回目。今月13日に同協議会の小林一輝会長(32)ら役員3人が市役所で記者会見し、概要を発表した。

 会期は集客増と地域の魅力再発見なども視野に初めて2日間に拡大。道南の食材を生かした独自の飲食物が味わえる「道南ソウルフードフェスティバル」は屋外で無料開放(飲食代は別途)。人気歌手やモデルをゲストに招いた恒例のライブ、ショーは金森ホールを初めて会場に、各日2部構成とする。ダンスステージも加える。

 昨夏は3500人が来場したが、アンケートでは「チケットを安く」との声が多かった。そこで屋内の企画は各部とも2500円に引き下げる。フェス全体を旅行ツアーに組み込み、2日間で1万人の集客を目指す。

 テーマは「地域の新たな魅力を発見と共に夢を育む総合イベント」で、小林会長は「これまでとは違った楽しい雰囲気になりそう。ステージを通じて子どもや高齢者、障害者も夢を実現できるきっかけになるのでは」と話している。

 詳細は今後、公式ホームページ(www.kurofune|h.com)で公表。市民も出演できるボーカル、モデルのオーディションは8月に開く。ボランティアスタッフも募る考え。(長内 健)


◎空港にアトリエとギャラリー=@大西さんの風景画人気呼ぶ

 愛知県出身の画家、大西翔さん(29)が営む「プチギャラリーこぐま座」がこの春、函館市末広町から函館空港に移転した。函館の風景に魅せられて移住した大西さんは、物産コーナーの一角をアトリエにして水彩画を描き、その場で販売する。優しいタッチで描かれた函館の風景画は、全国から訪れる観光客やビジネスマンから人気を集めている。

 大西さんは美しい風景のある移住先を探し、札幌をはじめ、富良野や美瑛、小樽など道内各地を回った中で、最も函館に魅了され、移住することを決めた。「坂道や夜景など、絵になる題材が多く、住みやすいことも決め手」という。

 昨年4月に末広町にギャラリーをオープン。より多くの人に作品に見てもらおうと、今年4月に空港内に移転した。アトリエ兼ギャラリーは物産コーナーの中にあり、広さは約10坪(約33平方b)。空港利用客が見守る中、1日1点のペースで作品を完成させる。「見られながら描くのはパフォーマンをしている気分」と笑う。

 作品は函館の夜景や赤レンガ倉庫群、元町の教会や坂など。「観光で見た場所の思い出として買っていく人が多い」と大西さん。函館空港ビルデングでは「アトリエとギャラリーがある空港は国内では珍しいのでは」と話している。

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 函館空港ビルデングは29日、大西さんを講師に迎え、空港イベント会場で絵画のワークショップを開く。テーマは暑中見舞いのポストカード。大西さんから絵の描き方などを学ぶ。

 参加は無料。時間は午前11時、午後1時、同2時半の3回。各回定員は20人。先着順で定員になり次第、締め切る。当日は駐車場が2時間無料。ワークショップの申し込みは同社営業企画部(TEL0138・57・8886)へ。 (松宮一郎)