2013年6月16日 (日) 掲載

◎「新函館」駅工事に着手 15年6月完成

 【北斗】2016年3月開業予定の北海道新幹線新函館(仮称)駅舎の安全祈願式が15日、北斗市市渡の建設予定地で開かれた。15年6月の完成を目指し工事が本格化する。新駅は1日あたり約1万人の利用が見込まれており、本道の新たな玄関口の完成に向けて期待が一気に高まった。

 式典には関係者約100人が出席。来賓の高橋はるみ知事や高谷寿峰北斗市長、JR北海道の小池明夫社長らが、据え付けられた柱にナットを差し込んだり、スパナで締めたりする所作をして工事の安全を祈願した。

 高橋知事は「工事は順調に進んでおり、新幹線時代の幕開けが間近であることを道民のみなさんに実感してもらえる」とあいさつ。高谷市長は「市のランドマーク、広域観光の拠点であり、駅のできるまちの責任として周辺整備を行っていく」と力を込めた。

 駅舎工事は鉄道・運輸機構が今年2月に発注。函館市内の企業を含む共同企業体が施工する。総工費は37億2750万円。鉄骨3階建て延べ5350平方メートル。そのうち駅舎に併設する付帯施設は、延べ1100平方メートル。店舗や観光案内所、イベントスペースを配置する。

 ホームは1階、改札が2階の橋上式駅。2面あるホームの1面は在来線ホームと床続き。階段を上り下りせずに改札を通り、行き来することができるようにする。柱はポプラ並木をイメージしたデザインで、改札周辺にはレンガ、地元木材を使用するなど北海道らしさを表現する工夫が随所に施されている。

 併設する在来線の駅はJR北海道が建設する。函館駅までは17・9キロで、ピストン輸送するアクセス列車を走らせるため、同社が電化工事を進めている。開業時には所要時間が現在の約25分から17分に短縮する。(松宮一郎)



◎9月1日まで24日間 函館競馬開幕ファンも熱く

 日本中央競馬会(JRA)の函館競馬が15日、函館競馬場(駒場町12)で開幕した。午前中はあいにくの雨となったが、市内や全国からファンが訪れ、迫力のレースを堪能した。

 同競馬場は1896(明治29)年開設。JRAでは最古で、スタンドから唯一、海(津軽海峡)が見える。今年は改修工事中の札幌競馬場(札幌市中央区)のレースを振り替えるため、道内では唯一のJRA開催。9月1日まで、昨年の2倍に当たる24日間行う。

 函館競馬が24日間開催されるのは、同様に札幌競馬場の改修工事のあった1989年以来。97年から道内での開催順が入れ替わったため、7月後半から8月にかけては96年以来。17年ぶりに本州方面の夏休みシーズンと重なるため、地元の観光、飲食業からは売り上げ増に期待している。

 重賞レースは、函館初GUの「札幌記念」(8月18日)など8レース。6月30日には競馬中継の名実況で知られる杉本清さん、8月18日はモデルの益若つばささんがそれぞれ来場する。

 市内本通の無職池田友章さん(66)は「楽しめる期間が長くなりうれしいが、使えるお金は変わらないので、毎週よく考えて勝ち馬投票券を買わなければ」と話していた。(山崎純一)



◎ユニバーサル映画祭七飯上映会開幕

 【七飯】手話通訳や音声ガイドなどを配置して、障害の有無、年齢に関わらず誰もが映画鑑賞を楽しめるイベント「ユニバーサル上映映画祭七飯上映会」が15日、七飯町文化センターで始まった。初日は映画作品上映のほか、シアターフォーラムが開かれた。16日まで。

 同映画祭実行委(島信一朗代表)主催。フォーラムでは東日本大震災の被害を受けた宮城県名取市の佐々木一十郎市長と中宮安一七飯町長が「ユニバーサルデザインの視点から復興と防災を考える」をテーマに意見交換。

 佐々木市長は同震災による被害状況、非常時の情報伝達についてラジオの大切さについて説明。名取市で多くの犠牲者が出た原因について「津波が来ないという思い込みが被害を拡大させた」と分析。ユニバーサルデザインの視点から津波や避難ビルなど、一目でわかる統一したピクトグラム(絵文字)の設置の必要性を伝えた。

 中宮町長は七飯町の防災計画や公共施設の改築について説明。「災害は必ずやってくる。震災後に防災計画を見直し、ハザードマップを配布するなどしているが、でも大事なのは日ごろの訓練なのではないか」と話した。

 16日は午後0時20分から上映会を行う。入場料は一般1000円、高校生500円、中学生以下無料。(平尾美陽子)


◎日本文化体験 楽しみ 道国際交流センター夏期セミナー開講

 北海道国際交流センター(山崎文雄代表理事)主催の日本語・日本文化講座夏期セミナーの開講式が15日、函館国際ホテルで開かれた。ハーバード大学など33大学の学生54人が、これから始まる北海道での生活に期待を膨らませた。

 同セミナーは1986年から始まり、今年で28回目。留学生は8月10日まで、函館や七飯、北斗でホームステイをし、日本語文化を学ぶ。

 開講式で山崎代表理事は「文化の違いを体験しながら、たくさんの人と友達になってください」とあいさつ。学生を代表してブリンマウル大学(アメリカ)のエリザベス・ロックさんが「イカを食べてみた。毎日、いろいろなことを教えていただけるのを楽しみにしてます」と話した。

 その後は対面式が行われ、学生はホストファミリーと握手や抱き合いながら「よろしくお願いします」と互いにあいさつを交わした。(平尾美陽子)