2013年6月2日 (日) 掲載

◎駒ケ岳の登山解禁

 【森】本年度の駒ケ岳(1131b)登山が1日、解禁となり、大勢の登山客が森町の赤井川登山道から標高900bの「馬の背」までの行程を思い思いのペースで楽しんだ。

 駒ケ岳は1998年以降、火山活動の活発化に伴って入山規制が続いていたが、近年は静穏な状態が続いていることから、2010年に規制が緩和され、制限付きでの入山が可能になった。町農林課によると同年は7891人、昨年は6607人が登山に訪れた。本年度も昨年同様、同町の赤井川登山道からのみ入山が可能となる。

 この日は、解禁を待ちわびた登山客が午前中から訪れ、6合目駐車場はほぼ満杯に。晴天に恵まれたため、登山道の各所から大沼や小沼をはっきりと見通すことができ、眼下の景色を写真に収めながら登山を楽しむ姿が目立った。札幌市から友人と訪れた中原豊司さんは「大沼を『上から』見たのは初めて。素晴らしい景色ですね」と満足げだった。

 登山期間は10月末までの午前9時から午後3時まで(降雪状況により変更の場合あり)。登山道の全域、馬の背地点では携帯各社の携帯電話が利用可能で、6合目駐車場付近にはトイレがある。入山する場合には6合目登山口で届出書を投函しなければならない。町防災交通課は、サイレンが聞こえた場合には直ちに下山することや、大雨や雷などの悪天候時には十分注意することを呼びかけている。問い合わせは同課(TEL01374・7・1282)まで。(森裕次郎)



◎スパ・ヴィサージュ、エステで全国V

 函館市湯川町1のエステティックサロン「スパ・ヴィサージュ」(ホテル平成館しおさい亭4階、神崎光枝社長)が、4月下旬に横浜で開かれた「第3回エステティックグランプリ」のモデルサロン部門グランプリファイナルで優勝した。一次審査に応募した549店舗の中の頂点で、神崎社長(37)は「日本一の自覚を持って仕事していく」と気持ちを新たにしている。

 同大会は一般社団法人エステティックグランプリ(東京)が主催。同店は「自分たちの接遇はどのレベルにあるのか」を知ろうと初挑戦し、昨秋から4カ月間、覆面調査員による顧客の満足度調査、書類とビデオによる3分間のプレゼンテーション審査を受けた。今年2月末、上位3組に与えられるファイナル出場権を射止めた。

 店の取り組みやエステへの思いをスピーチする本番に向け、同店では約2カ月前から台本を制作。1カ月前からの練習は、勤務終了後の深夜から翌日の午前2〜3時に及ぶ日々が続いた。

 ファイナルは業界関係者や一般市民、専門学校生ら約5000人の前で行い、投票で順位を決める。2番目に出場した神崎社長らは、自分に真剣に向き合うとともに、常に客の目線に立って接客することなどを訴えた。神崎社長は「全力を尽くしたし、これまでにない出来だった。それでも優勝は信じられなかった」と振り返る。

 神崎社長は高校卒業と同時にエステの世界に飛び込み、経験を積み上げ2004年、同店を開業させた。顧客に信頼されるまで苦労もあったが、スタッフとともに惜しみないサービスを続け、努力が結実した。神崎社長は「百人いれば百通りの接客がある。初心を忘れることなく、お客様一人一人に真剣に向き合っていきたい」と話している。(長内 健)



◎菜の花まつりにぎわう

 「第8回はこだて菜の花まつり」が1日、函館酪農公社あいす118(中野町)で開かれた。大勢の市民が来場。菜の花を生かしたそばなどを味わったほか、満開を迎えた菜の花畑で観賞を楽しんだ。

 江戸時代の豪商・高田屋嘉兵衛が愛し、人家の明かりをともすなどかつて人々の暮らしを支えていた菜の花。その恵みを実感してもらおうと、はこだて菜の花プロジェクト(石塚大代表)が毎年開催している。

 会場では、敷地内で栽培する広さ約3300平方bの菜の花畑から摘み取った菜の花や、菜の花を具材にした手打ちそば、たこ焼きを販売。市民の列ができ「これは珍しい」とおいしそうに頬張っていた。

 甘い香りが漂う畑では、来場者が次々に記念写真。青空の下に咲き誇る黄色のじゅうたんに歓声を上げていた。改行 畑の中に入るなどして楽しんだ松井友里恵さん(11)と竹内苑佳さん(11)は「初めての景色。色鮮やかできれい」と笑顔で話していた。

 菜の花畑は6月9日ごろまで見ごろという。(長内 健)


◎明治の函館と現代版の写真展示

 函館国際観光コンベンション協会が管理、運営する函館市写真歴史館(元町)で1日、「函館の町並み、今昔」と題した新設展示が始まったことを記念したトークイベントが開かれた。幕末、明治期の写真師、田本研造が撮影した函館の様子を、同じ場所で現代版≠撮影するという企画。市内の写真家、及川雅夫さん(64)が撮影時の苦労や田本の写真について語った。

 函館の写真文化に親しんでもらおうと、今回の展示を企画した。写真の日に合わせ、トークイベントを開いた。同館に展示していた田本の写真は25点。及川さんは昨年1月から1年以上をかけて同じ場所を訪ね、同じ構図で撮影を試みた。

 展示しているのは明治時代の元町の基坂や英国領事館、函館町会所(旧函館区公会堂)、函館公園など。及川さんの作品を並べ、まちの様子の移り変わりを紹介している。

 この日のトークイベントで及川さんは「湯川など場所を特定するのが難航した場所もあったが、地元住民の話を聞いたり、古い地図と照合したりしてようやくポイントを割り出すことができた」と撮影秘話を紹介。また、「田本の時代は記録を残すという重い使命があった」などと語った。(松宮一郎)