2013年6月21日 (金) 掲載

◎湯ノ岱温泉に江差線臨時列車の看板展示

 【上ノ国】町営・湯ノ岱温泉(湯ノ岱517)の休憩室に20日、かつて町内で行われた人気アーティストの野外ライブなどで運行した、JR江差線臨時列車のヘッドマーク(看板)が展示された。町の特別企画で「来年5月の廃線に向けて地域を支えた鉄路への思いを共有したい」と関連写真も並べたい考えで、全国からの提供を呼び掛けている。

 このヘッドマークは、函館と上ノ国の沿線のまちおこしに携わる「北海道夢れいる倶楽部」が制作・保管していたもので、夷王山のサマーライブに出演した「シャ乱Q」(1998年)や「モーニング娘。」(99年)、「19(ジューク)」(2001年)、「山崎まさよし」(02年)など豪華面々の計10枚。列車運行時のにぎわいを伝える写真もある。

 企画担当の町住民課の奈良皓正さん(25)は「江差線への注目が増す中、一層の機運の盛り上がりを図りたい。心地よい温泉にも入ってもらいたい」。工藤昇町長も「野外ライブでは全国のファンがこのローカル線を利用した。まちに若者があふれた当時の思い出などを振り返りながら、この企画を成功させたい」としている。温泉の入浴料は大人350円、子ども100円。

 写真提供などの問い合わせは町住民課(TEL0139・55・2311)へ。(田中陽介)



◎道洋菓子作品コンで木村、繁田、舘山さん入賞

 2013北海道洋菓子作品コンテスト(道洋菓子協会主催、9〜10日・札幌)で、函館短大付設調理製菓専門学校(野又淳司校長)製菓衛生師科の木村さつきさん(21)と繁田冬舞紀(ふぶき)さん(18)が銅賞、舘山晴佳さん(19)が小樽洋菓子協会会長賞を獲得した。銅賞以上の受賞は同校初の快挙で、喜びもひとしおだ。

 学生対象の「ジュニア・マジパン部門」で、全148作品が出品。マジパン(アーモンドと砂糖を混ぜてペースト状にしたもの)を使って直径23a、高さ15a以内の作品の出来栄えを競う。

 同校は1年制のため、入学して間もなく校内選抜で出場者を決め、製作期間は1カ月。3人は短時間でデザインを考案し、練習に打ち込んだ。完成した作品を持ち込んで審査を受けた。

 作品テーマは木村さんが冒険、繁田さんが函館、舘山さんがサーカス。木村さんは「限られた時間でぎりぎりまで練習したので、その成果が形になって良かった」、繁田さんは「入賞できるとは思っていなかったので、うれしい」、舘山さんは「就職面接やアルバイトと重なって十分な手をかけられず、賞をもらって光栄」と笑顔を見せる。

 同校の小川一彦製菓技術研究室長によると、木村さんは全体のバランスやストーリー性に優れ、繁田さんは細かい丁寧な作業が目を引き、舘山さんはマジパンの特性が良く出ているといい、「それぞれに違った良さがある」と目を細める。

 コンテストでは会長賞1点、金賞1点、銀賞5点、銅賞23点のほか、ブロック会長賞7点が選ばれた。(山崎大和)



◎北斗産トマト使いアイスクリームとシャーベット…あぐりへい屋あす新発売

 【北斗】JA新はこだてのファーマーズマーケット「あぐりへい屋」(北斗市東前62、西谷顕治店長)は22日、市特産のトマト「りんか409」を使った「北斗市産トマトあいす」と「北斗市産トマトシャーベット」を新発売する。2016年3月の北海道新幹線開業に向け、トマトの良さを広く発信していく考えだ。

 同店ではこれまでトマトを使った商品は2品販売していて、1品目のゆいっこソフトクリームトマトミックス味は7000個売れた人気商品になっている。

 今回の新商品は、函館市大森町のアイスクリームとシャーベットの専門店「冨士冷菓」(中村久仁子店長)と1カ月半をかけて共同開発。アイスは牛乳のまろやかさと程よいトマトの甘みが楽しめ、シャーベットはさわやかなトマトの酸味で、すっきりと仕上げた。青臭さを消し、子どもでもおいしく食べられるよう改良を重ねた。中村さんは「トマトの良さを生かした味。新鮮でおいしいアイスやシャーベットを届けたい」と話す。

 同JA大野基幹支店の田山光幸センター長(46)は「いろいろな調理加工や組み合わせで、おいしいトマトがあることを地元の人を中心に発信していきたい」と期待を込める。

 120_g入り、アイスは300円、シャーベットは290円。午前9時半〜午後4時。毎週月曜定休。問い合わせは同店(0138・77・7779)へ。(虎谷綾子)


◎過去最大の巨大船「サン・プリンセス」初寄港…函館港

 米国のプリンセス・クルーズ社が運航する豪華客船「サン・プリンセス」(バミューダ、7万7441トン)が20日、函館港に初寄港した。港町ふ頭には函館に入港実績のある客船で過去最大を誇る巨大な船体を眺めようと、多くの市民が訪れた。同船は同日午後11時まで滞在し、乗客は函館山からの夜景をはじめ、初夏の道南を楽しんだ。

 同船は1995年に就航。全長261メートル、全高56メートル、全幅32b。船内は14階層あり、客室は全1011室。今回は、14日に横浜港を出港し、釧路やロシア・コルサコフ、小樽を経由して函館に寄港し、午前8時の接岸時には函館遺愛高校の生徒らがいか踊りで出迎えた。

 歓迎式には、工藤寿樹市長、松尾正寿市議会議長、渡邉兼一函館国際観光コンベンション協会長ら市の関係者が出席。工藤市長は「船名の通り輝く太陽のような勇姿が、函館港にマッチしている。市民も楽しみにしていた」とあいさつ。初寄港記念のプレートなどが同船に贈られた。アンドリュー・フルード船長は「歴史が深く魅力あふれる函館を訪れたいと思っていた。新鮮な海産物のレストランがあると聞いている。乗組員も楽しみたい」と応えた。

 友人夫妻ら6人で乗船している横浜市の八頭司健雄さん(78)は「船旅は楽しく、何度も客船に乗っている。行く先々の港で歓迎を受けるが、今日は高校生たちの熱心な姿がよかった」と市内観光に向かった。

 同日夜、青森港に向けて出港した同船は7月20日にも函館に寄港する。(今井正一)