2013年6月23日 (日) 掲載

◎駅前に活気 催し盛況

 函館市若松町で22日、「はこだて花と緑のフェスティバル」「函館朝市どんぶり横丁市場8周年記念感謝祭」が始まった。好天に恵まれた中、花や食に関するイベントや、ステージの催しが行われ、市民や観光客でにぎわった。両イベントは23日まで。

 函館朝市第一商業協同組合(井上敏広理事長)が開く「函館朝市どんぶり横丁市場8周年記念感謝祭」では、同市場や正面前で縁日やステージイベントを行い、震災復興や2015年度の北海道新幹線開業に向けた機運を盛り上げた。

 オープニングではYOSAKOIソーランの演舞が行われた。ゲームやフリーマーケットもあり、家族連れが楽しんだ。縁日などの収益金は「北海道〜東北・こども笑顔プロジェクト」に贈られる。

 井上理事長は「新幹線開業と、横丁市場リニューアル10周年が重なる。イベントを楽しんでもらい、これを広く周知したい」と話していた。

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 旧クイーンズポートはこだて前広場で開幕した「はこだて花と緑のフェスティバル2013」(実行委主催、函館新聞社など後援)では、花のアーチが来場者を迎え、花苗などの即売やガーデニング講座などで、「花文化」を広めた。

 会場にはハンギングバスケットマスターなどが並び、華やかな雰囲気に包まれた。造園技術のデモンストレーションや公開フラワーアレンジメントでは、愛好家が職人技に見入った。

 来場した市内昭和の主婦堀川素子さん(54)は「青空で展示作品がきれいに見え、たくさん花を買い求めた」と話していた。 (山崎純一)



◎境内に子どもの歓声響く

 函館市湯川町の湯倉神社(伊部宗博宮司)で22日、子ども向けの体験イベント「湯倉の杜(もり)」が開かれた。秘密基地づくりやキャンドル、バウムクーヘンづくりなど多彩な体験コーナーが設けられ、境内に子どもたちの歓声が響いた。

 気軽に神社に足を運んでもらおうと、同神社の氏子青年会(戸沼淳会長)が企画した。 参加した子どもたちは、段ボールや使わなくなった木材など廃材を使った秘密基地づくりに挑戦。創造力豊かな楽しいスペースを完成させていった。バウムクーヘンづくりでは、棒に生地をかけて炭火でこんがりと焼き上げた。

 夜はキャンドルナイトが行われ、入り口から本殿まで続く参道に約500個のキャンドルを並べ、幻想的な雰囲気を演出。その中で神楽やコンサートが繰り広げられた。この日は約630人が来場。戸沼会長は「子どもたちの楽しむ顔を見ることができてよかった。イベントを継続していきたい」と喜んでいた。 (松宮一郎)



◎子どもも大人も熱戦

 第40回椴法華ふれあい大運動会が22日、函館椴法華中学校グラウンドで開かれた。椴法華地区の7町会が東西に分かれて15の競技に臨み、住民たちの熱戦に威勢のいい掛け声が飛んだ。

 1973年に村民運動会として始まり、かつては町内会ごとの対抗戦として行われた。この日も100人を超える地域住民が続々と会場を訪れ、さまざまな競技に挑戦した。

 浮きの付いたロープをたぐり寄せる「背縄を張れ」など漁師町ならではの技を競ったり、「消火班」「炊事班」などの役割に応じた防災グッズをそろえてゴールを目指す「自主防災会出動」といったユニークな競技も。幼児から高齢者までの3世代が交流しながら、楽しい時間を過ごした。

 新浜町一町内会の小林幸雄さん(75)らは「昔はもっと人がたくさんいたけど、地域で一番の楽しみ。子どもたちから高齢者まで、みんな一生懸命やっているから面白いし、応援にも熱が入る」と話していた。 (今井正一)


◎夏の高校野球 支部予選開幕

 夏の甲子園につながる第95回全国高校野球選手権大会南北海道大会函館支部予選(道高野連など主催)が22日、函館市千代台町のオーシャンスタジアムで開幕した。

 沖縄県と並び、全国のトップを切っての開幕。開会式では市立函館高校の吹奏楽局の生徒による演奏と、大野農業高校の生徒が育てた花に囲まれながら26校の選手たちが入場行進した。午前10時半から始まった試合は、知内が11−1で福島商を破って開幕戦を勝利。第2試合は函大有斗が14−0で大野農を圧倒した。

 第2日以降は1日3試合ずつが行われる。29日予定の代表決定戦で、南北海道大会(7月15日開幕、札幌円山球場)に出場する3校が決まる。(小林省悟)


◎欧州は路面電車中心に街づくり

 函館日独協会(後藤曄会長)の会合が22日、五島軒本店で開かれた。道教育大学函館校の田村伊知朗教授が「中心街における路面電車」と題して、主にスイス北西部のバーゼルや旧東ドイツのハレなど、電車を中心とした街の事例を紹介した。

 路面電車の走る都市の中心街は車両の通行が制限され、公共交通としての路線網が発達。田村教授は、公害が社会問題となった旧東ドイツの都市では、環境意識の高まりから路面電車の役割が重要視されているとした。

 また、ハレの中心街は1階に店舗を置き、2階以上が住居となった建物が立ち並び、「住んでいる人が街を歩くことで、活性化につながっている」と述べた。

 バーゼルでは、中心街に広い公共駐車場を整備し、車を降りた後に電車やバスなどの公共交通の利用を誘導。電停の軌道部分を掘り下げることで、低床車両と同じ役割を持つ乗りやすさを実現するなどの工夫もあるという。

 また、宿泊先のホテルが滞在期間中の無料乗車券を配布し、切符購入の方法が分からない外国人観光客にも利用しやすい環境があると紹介した。田村教授は「欧州でも公共交通は赤字ではあるが、中心部の車を排除することなど、さまざまな努力で路線の維持につなげている」と話した。 (今井正一)