2013年6月28日 (金) 掲載

◎路面電車100年の歴史PR BAYはこだて 写真やグッズ展示

 路面電車開業100周年を記念した展示会が、函館市末広町の金森赤レンガ倉庫BAYはこだて内のギャラリーで開かれている。1913(大正2)年の開業当初からの歴史を飾った車両などの写真20点や、市交通部所蔵の市電グッズを展示し、観光客らに1世紀の歴史をPRしている。7月25日まで。

 金森赤レンガ倉庫の開業25周年を記念し、市交通部に会場を提供。金森商船の笹井完一さんは「赤レンガ倉庫の建物も100年を越え、電車とともに長い歴史がある。修学旅行生や観光客にも好評です」と話す。

 会場では、女性キャラクター「鉄道むすめ」の「柏木ゆの」「松風かれん」の2人が出迎える。500形車両の操作盤や昭和40年代ごろに使用された両替機、青函トンネル貫通記念に販売した一日乗車券などのグッズを並べた。

 写真では大正期の花電車や、歴代車両、34(昭和9)年の函館大火で被災した車両の様子などを紹介している。

 市交通部事業課の今野慎太郎さんは「大正時代からの古い写真で路面電車の長い歴史を知ってほしい。市民の皆さんにも足を運んでいただければ」と話している。(今井正一)



◎初来函者…夜景楽しみ、リピーター…食や歴史建造物 市観光アンケート

 函館市と函館国際観光コンベンション協会は2012年度に実施した観光アンケート調査の結果をまとめた。観光客の地域別、年代別の傾向が得られるよう集計方法を見直した結果、初来函者は夜景を楽しみにする割合が多く、6割を占めるリピーターでは、グルメや歴史的建造物などを目的にしている人が多いことがつかめた。

 調査は昨年4月から今年3月まで、函館山や元町など主要観光スポットでの聞き取りなどを行い、1279人から回答を得た。回答数は前年度と比較し、700件ほど減少したが、設問項目を追加し、集計方法も見直した。

 地域別では、道内客21・6%、道外客78・4%(東北19・7%、関東33・9%、中部・北陸10・5%など)。年代別では60歳以上が約38%と最も多かった。

 来函回数では、関東より西にいくほど初来函者が多くなり、東北地方は77%がリピーター。函館以外の道内訪問先を聞くと、東北の人は半数以上が函館近郊のみを目的としていた。市観光振興課は「函館の人が札幌に遊びに行く感覚で、東北の人にとって、お手軽な旅行スポットになっているのでは」と分析する。

 新たに追加した市内での移動手段では、市電が43・4%と最も多く、バス41・3%、徒歩28・1%と続いた。市電沿線に主要スポットが点在し、利便性が高いことがうかがえる。一方で、移動方法の分かりにくさや、市電沿線や中心部から離れた観光スポットへの行きにくさなどに不満を感じる意見が寄せられた。

 また、観光消費額は宿泊客2万9568円、日帰り客9309円で、全体の平均は2万9001円。宿泊客の60歳以上に限れば、総消費額は3万9692円と平均より1万円以上高い。過去5年間の平均値などを基にした経済波及効果は1564億円規模となった。

 同課の小笠原聡課長は「現状を再認識することで強みの部分をより伸ばし、弱い部分は質の高いものに変えていく必要がある」と話し、本年度に策定する次期観光基本計画にもつなげたい考え。(今井正一)



◎GLAYライブまで1カ月 準備着々 関連グッズも続々

 7月27、28両日に緑の島(函館市大町)で開催される函館出身のロックバンド「GLAY」の野外ライブまであと1カ月に迫った。地元は歓迎ムードに包まれ、ライブを成功させようとフラッグの掲示や関連イベントの開催などの準備を進ている。

 7月初旬から、市や地元の商工団体などが協力してJR函館駅前から緑の島にかけてライブをPRするフラッグを掲示。駅や空港などでは、GLAYの曲を流すなど、函館史上最大の野外イベントを成功させようと計画している。

 商品やイベントも続々発表。GLAYのオフィシャルスペース「G4Space」(函館市松風町6)などでは、7月25日から5日間、オリジナルメニューの提供やグッズの販売をする「GLAY LIBCAFE 2013」を開催。ポッカサッポロフード&ビバレッジは7月1日にメンバー4人の顔写真とリーダー・TAKUROさんのメッセージが書かれた「キレートレモン シーリモーネ GLAYボトル」を、サッポロビールは同2日に凱旋ライブのロゴが入った「サッポロ生ビール黒ラベル SOUND OF HOKKAIDO缶」をともに北海道限定で販売する。

 会場近隣の住民もイベント成功に期待する。弁天町会の上田栄吉会長(75)は「2日間の騒音は気にしない。人が集まることは街の活性化につながる」と歓迎。一方で、1日に2万5000人の来場が予想される状況に西部地区の住民は「興奮して海に飛び込む人もいるのでは」「交通渋滞で家に帰れなくなるのでは」といった不安の声も上がっている。

 ライブを主催する「GLAY Live in HAKODATE協議会」(渡邉兼一会長)は、函館海保の協力を得て、巡視艇を待機させるなどの対策を検討。両日とも午前11時半〜午後3時と午後7〜9時に、ベイエリアの市道で豊川町から弁天町の一部で通行止めを予定。同協議会は「会場周辺に地域住民以外の車が入り渋滞すると、歩行者へ危険やツアー客へ影響が出る。チケット購入者には車での来場や送迎を控えてもらうことを呼び掛ける」と話している。(金子真人)


◎海の情報メールで配信 1日から函館海保

 函館海上保安部は26日、津波の発生や気象注意報など、海の情報をメールで配信する「緊急情報配信サービス」の周知活動を函館市内のマリーナ施設で行った。

 同サービスは、マリンレジャー愛好者らを対象に、全国の海上保安部などから、リアルタイムで海に関する情報を配信。気象情報のほか、安全情報として、船舶海難、航行制限なども予定し、7月1日から情報提供を開始する。

 この日は、同海保職員が同市港町1の「一映マリーナ」(和高弘武会長)を訪れ、登録方法をレクチャー。施設利用者にチラシを配り利用を呼び掛けた。同海保の高桑靖典交通課長は「ラジオなどがなくてもリアルタイムの情報が分かるので、海での安全に役立ててほしい」と話していた。

 利用登録受付は緊急情報配信サービス登録ページ(http://www7.kaiho.mlit.go.jp/micsmail/reg/touroku.html)へ。(柏渕祐二)