2013年6月28日 (金) 掲載

◎大沼の新たな交流場に 空き店舗活用「小昼庵」きょうオープン

 【七飯】JR大沼公園駅近くに28日、空き店舗を活用したコミュニティスペース「小昼庵(こびりあん)」がオープンする。運営する大沼・駒ケ岳ふるさとづくりセンターは「地元住民が立ち寄った観光客にお勧めスポットを紹介するなど、新たな交流が生まれる場になれば」と意気込んでいる。

 地域活性化を目的とした総務省の「過疎集落等自立再生緊急対策事業」の一環。事業運営は同センターが担う。「小昼庵」の名前は地元で農作業中に休憩することを「こびり」と呼ぶことから、「地域の人が集まって『こびる』空間になることを願って」(同センター)付けられた。

 同スペースは商店として使われていた空き店舗を活用。木材がふんだんに使われている内装を生かしたまま、新たに木製の棚を設置。棚には大沼や小沼、蓴菜(じゅんさい)沼をイメージした円形の意匠が施された。イスやテーブルの準備も整い、気軽な会話を楽しめる空間に。今後は地元の野菜や周辺町の特産品の販売を予定する。

 同センターは「地域の高齢者が家から出て、このスペースで『こびる』ことが理想。長いスパンで使ってもらえる施設になれば」としている。利用時間は午前9時〜午後5時。定休日は月・火。(森裕次郎)



◎新幹線新駅にツツジ植樹「憩いの場に」

 【北斗】函館トヨペット(函館市石川町、河村隆平社長)の地域緑化活動「ふれあいグリーンキャンペーン」が27日、建設中の北海道新幹線新函館(仮称)駅前で行われた。同社はエゾムラサキツツジの苗木80本を北斗市に寄贈し、観光バス駐車場の一角に苗木を植えた。

 同キャンペーンは同社が1976年から続ける地域貢献活動で、公共施設などに樹木の苗木を贈呈し、緑化や環境保全を推進。国土緑化推進機構(本部・東京)の協賛を受けながら活動している。

 苗木の寄贈式には同社や市の幹部約20人が出席。河村社長が「今後苗木が育ち、市民、観光客の心の憩いになれば幸いです」とあいさつ。2013ミス・インターナショナル日本代表で、緑の大使に任命された高橋有紀子さんが同機構のメッセージを代読し、高谷寿峰市長が謝辞を述べた。

 記念植樹に移り、高谷市長や高橋さんらがスコップを持ち苗木を植えた。(鈴木 潤)



◎道教育大再編計画を正式発表 函館校は語学に力

 【札幌】北海道教育大学の本間謙二学長は27日、札幌市内で記者会見を開き、同大函館校を国際地域学科、岩見沢校を芸術・スポーツ文化学科に改編する計画を正式に発表した。札幌、旭川、釧路校は従来の教員養成課程のまま。函館校は1課程2学科の体制で2014年度のスタートを目指す。

 計画では、5キャンパス全体の入学定員は25人減の1185人。

 函館校は国際地域学科の下に小学校の教員免許が取れる地域教育(定員45人)と地域協働(同240人)の2専攻に分かれる。国際交流協定校との英語による対面式討論授業や課題解決型の授業の強化のほか、在学生の語学教育を支援する「マルチメディア国際語学センター」のシステムを活用。国際的視野を持ち地域を活性化する人材養成を目的に、語学教育に力を入れる。

 地域教育専攻では外国語の指導に力を発揮できる人材を育成。附属校の授業の様子を記録したりしながら、教育課題を研究する。地域協働専攻は地域学を基盤に、国際協働、地域政策、地域環境科学とそれぞれ得意な領域について専門性を高める。

 また学校現場や国際報道の経験などを持った教員・外国人教師を新規採用していく予定で、留学生も積極的に受け入れる。蛇穴治夫理事は「外国人教師を活用し、1年時から語学に集中したカリキュラムを組む予定」と話す。

 同大の再編を巡っては、これまで道南地域から函館校に教員養成機能の存続を求める声が根強くあった。これに対し、蛇穴理事は「函館校は現職の教員に対しても道南の教育の核になる場。これからも地域のニーズに応えられる取り組みを進めていきたい」と話す。

 現在は文科省に設置認可申請中で、9月末に結論が出る見通し。本間学長は「国際視野を持って地域を活性化する人材を育てていきたい」と話している。(平尾美陽子)


◎函館市電あす開業100年 終日全区間100円

 函館市電は29日、1913(大正2)年6月29日に道内初の路面電車として誕生してから、開業100周年を迎える。市民生活を支える交通手段として、歴史と文化を伝える観光資源としても欠かせない存在となった。市企業局交通部は29日午前8時15分から、駒場車庫で大正期の花電車をモデルとした箱館ハイカラ號の出発式を行うほか、終日全区間100円で運行し、市民とともに節目を祝う。

 函館の路面電車は1897(明治30)年に運行を始めた馬車鉄道が前身で、現在の路線の原形を形成。函館水電が13年に東雲町—湯の川間(5・8`)で路面電車の運行を開始した。幾多の大火を乗り越え、戦中の43(昭和18)年には市営となり、戦後は経済発展を支える市民の足として活躍した。

 一方で、自動車の普及に伴い、利用者は徐々に減少し、五稜郭駅前線、東雲線、ガス会社回り線が廃止となった。現在は沿線人口の減少という悩みを抱えてはいるが、市民だけではなく、多くの観光客にも親しまれている。

 同部は100周年を記念して、29日は、出発式終了後、ハイカラ號、ササラ電車、らっくる号、530号車、723号車の5両が市内を行進。湯の川電停は午前9時6分発、松風町には同34分着を予定する。

 530、723号車は引き続き、谷地頭—函館どつく前間を往復する「臨100系統」として、車掌が乗り込むツーマン運行を再現し、車内改札などのサービスを行う(30日も)。午後4時からは、駒場車庫内で撮影会を実施する。

 30日は、モーニング電車大行進として、早朝時間帯に530、723、ハイカラ號、ササラ電車を西部地区を中心に走行させる。同部事業課は「100周年の記念日に路面電車の歴史を感じ取ってほしい。撮影時には軌道や車道上に入らないことなど、マナーを守ってもらいたい」としている。問い合わせは同課(TEL0138-52-1273)へ。(今井正一)