2013年6月30日 (日) 掲載

◎市電開業100年 花電車運行、市民ら祝福

 函館市民が愛する路面電車が29日、1913(大正2)年の開業から1世紀の節目を迎えた。大正から昭和にかけて襲った大火や、函館空襲といった幾多の困難を乗り越えながら、市民とともに走り続けた100年。函館市企業局交通部は同日から復刻花電車「箱館ハイカラ號」の運行を開始し、駒場車庫には多くの市民や電車ファンが集まり、未来へのスタートを見守った。

 式典で、工藤寿樹市長は「貴重な文化財と言うべき市電をもっと市民の皆さんに愛していただき、これからも末永く運行させていきたい」とあいさつ。秋田孝企業局長は「路面電車は市民の日常生活に根付き、函館の原風景になっている。路面電車の走るこの函館の街に感謝申し上げたい」と述べ、記念ロゴマークなどの制作に携わった関係者に感謝状を贈った。

 花電車は大正時代から慶事に合わせて運行してきた伝統を継承したもので、22(大正11)年の市制施行記念の電車をモデルに復刻。工藤市長ら関係者が除幕式を行い、造花や日の丸、市旗をあしらい、華やかな雰囲気となったハイカラ號がお目見えし、大きな拍手に包まれた。

 記念大行進として、花電車が駒場車庫を出発した後、100年の歴史を彩ったササラ電車、らっくる号、530号車、723号車が続き、松風町電停までを走行。各電停や交差点などの撮影スポットではファンがカメラを構えて、特別な一日を楽しんでいた。

 京都市から訪れた会社員吉岡昌平さん(27)は「100年間走り続けた歴史を感じます。花電車と『臨100系統』を楽しみに来ました。電車に乗って、撮って、歩いて楽しみたい」と話していた。

 30日も記念行事として、早朝に530号車など4両よるモーニング電車大行進が行われるほか、谷地頭—函館どつく前電停間を往復する「臨100系統」を運行する。花電車は8月19日まで。(今井正一)



◎「GLAY」チケット即日完売、看板や本…市内ライブ一色

 函館出身のロックバンド「GLAY」が7月27、28両日に緑の島(函館市大町)で開く野外ライブのチケット一般販売が29日始まった。開始時間の午前10時から各プレイガイドに申し込みが殺到。午前中に予定枚数に達し、受け付けが締め切られた。また、チケット発売に合わせ、GLAYと函館をテーマにした本が発売されたほか、ライブをPRする看板などを掲げたコンビニも市内に登場するなど、盛り上がっている。

 工藤寿樹函館市長とリーダー・TAKUROさんの対談やメンバーが函館の思い出を語った座談会などを収録した「GLAY Walker 函館」(角川マガジンズ、980円)が市内の書店に一斉に並んだ。

 また、函館市内にある大手コンビニエンスストア「ローソン」の4店舗では、ライブをPRする装飾をした「GLAY LAWSON」が登場した。改行 実施しているのは、函館東雲町店、函館五稜郭店(本町)、函館漁火通店(宇賀浦町)、函館北浜町南店。窓にメンバーやロゴのラッピングをし、一部の店には縦2・5b・横2bの看板も設置。店内ではタペストリーなどを掲げている。改行 北海道ローソン支社道運営担当の野西康介さんは「お客さまは写真を撮るなどし喜んでいる。函館の盛り上がりにつながってほしい」と話している。ラッピングなどは8月中旬までの予定。(山崎純一、金子真人)



◎函館産ハーブでアイス、あす発売

 函館ハーブ研究会(会長・美馬のゆり公立はこだて未来大教授)は7月1日、道南に自生する多年草「クルマバソウ」を使った商品第1弾「クルンバッソアイスクリーム」を発売する。さわやかな香りが特徴で、函館の香りとして売り込む。

 函館酪農公社(中野町、柴田満雄社長)と3年かけて開発。道立工業技術センターや未来大と共同研究した。

 クルマバソウは函館山や七飯町軍川周辺に自生。ハーブとしての認知度は低いが、採取して醸成することで独特の香りを放つ。アイスは、クマリン(桜餅の香り)とリナノール(フルーティーな香り)を牛乳で煮出して引き立てた。すっきりとした清涼感ある味が楽しめる。

 同会は「クルンバッソ」の商標登録を済ませ、今後も商品を展開して地域ブランド化を目指す。日本初のクルマバソウを活用した商品の誕生について、美馬会長は「産学官連携の研究の成果が実ってうれしい。函館で自生する植物を自然のまま活用した商品を今後も発信していきたい」と力を込める。

 製造・販売を担う函館酪農公社のあいす118や、移動販売車などで販売。100ミリg入り210円。問い合わせは同社(TEL0138・58・4460)へ。(虎谷綾子)


◎函館労基署5月末現在、労災193件で大幅増加

 函館労働基準監督署は、今年1月から5月末現在の管内休業4日以上の労働災害(労災)の発生状況をまとめた。全産業では死亡労災2人を含む193件(前年同期比20件増)と大幅な増加となった。同労基署では「機械設備の安全基準や作業手順などの基本的なルールの順守を」と呼び掛けている。

 函館労基署によると、過去10年の全産業の労災件数は減少傾向だったが、本年度(5月末現在)の件数は前年同期に比べ11・6%増。主な業種では建設業が26件(前年同期比8件増)、製造業が46件(同3件増)、道路貨物運送業が19件(同2件増)、卸売・小売業が20件(同3件増)だった。

 製造業では、機械によるはさまれ、巻き込まれ災害が多発。建設業では、足場やはしごからの墜落、建設機械と接触する災害が発生している。

 また、7月からは「高めよう 一人ひとりの安全意識 みんなの力でゼロ災害」をスローガンに全国安全週間(1〜7日)が始まる。函館労基署は「夏を迎える前に熱中症対策の準備を行い、熱中症の発症リスク低減を図ってほしい」としている。(柏渕祐二)