2013年6月7日 (金) 掲載

◎自然の恵みに感謝…鯨族供養慰霊祭

 道南日本海のツチクジラ漁(5月25日〜6月30日)に合わせ、函館水産連合協議会の鯨普及部会(利波英樹会長)は6日、函館市船見町の称名寺本堂で、鯨族(げいぞく)供養慰霊祭を開いた。約30人がクジラの霊を慰め、自然の恵みに感謝した。

 須藤隆仙住職が読経中、参列者が焼香して祭壇に手を合わせた。須藤住職は函館西中生徒が4日、近くにある鯨族供養塔で清掃活動を行ったことに触れ、「生徒は感謝の心を踏まえており、大変うれしく思った」と話した。

 利波会長は「クジラ肉は懐かしいと思う人だけでなく、若者にも良さ、ありがたさを広げたい」とあいさつ。式典後、供養塔前に移動して記念撮影した。

 調査捕鯨船が2004年に函館に寄港したのを機に、05年から慰霊祭を始めた。今季は捕獲枠10頭のうち、3頭(6日現在)の水揚げがあった。(山崎大和)



◎江差線の線路を点検…高速軌道検測車が走行

 【江差】残り1年も安全運転を—。2014年5月12日に廃止が予定されているJR江差線(木古内|江差間)で6日、レールなどに異常が発生していないかを調べる高速軌道検測車が走行した。

 この車両は「マヤ34形」といわれ、JR北海道内の各路線で定期的に走行している。江差線ではこの日、今年初めて、函館|江差を1往復した。

 ディーゼル機関車にけん引され、通常の列車と同じ速度で走り、レールについて、左右の間隔や水準、高低、平面性などを調べた。

 新緑が深い江差線では、日ごろから廃線を惜しむ鉄道写真愛好家が訪れており、札幌から来たという男性(26)は「この列車を走ることは知らなかった。運が良い。残り1年弱、安全走行で役目を終えてほしい」と話していた。(山崎純一)



◎はこだて国際科学祭 概要決定

 函館市内で8月17日〜25日に開かれる「はこだて国際科学祭2013」(サイエンス・サポート函館主催)の概要が決まった。5回目となる今回のテーマは「みんなの食卓」。企画展やサイエンスカフェなど過去最多の31プログラムが五稜郭タワーを中心に市内各会場で行われる。

 同祭は、実験や講演を通し、科学に関心を寄せてほしいと2009年から毎年実施。今回は、料理を通じて科学を学ぶ大人向けの「キッチンサイエンス」や水の大切さ、秘密を探る「クイズ電車」、海藻の知識などを盛り込んだ「科学演劇」など新企画も登場。大型パネルによる企画展では生産加工の技術や昔と今の食事の違い、食卓を巡る函館の話題を紹介する。

 またテレビでおなじみのサイエンスライター・内田麻理香さんがサイエンスショーに出演するほか、ビールの香りと音楽を楽しむライブ、研究者と気軽に話す科学夜話など盛りだくさんの内容だ。

 サイエンス・サポート函館代表の美馬のゆり公立はこだて未来大教授は「子どもから大人まで楽しめるイベント。科学と社会の関係について考える機会にしてほしい」と話している。問い合わせはサイエンス・サポート函館事務局(TEL0138-34-6527)へ。(平尾美陽子)


◎函商高 団体で3連覇…道高校珠算・電卓競技大会

 函館商業高校珠算部(平館沙耶部長、部員16人)が5月30、31両日、旭川市で開かれた「第66回道高校珠算・電卓競技大会」の両競技それぞれで団体優勝を果たした。珠算の個人総合競技では、2年生の藤村園子さん(16)が優勝。同大会は8月1日の全国大会(東京)予選を兼ねており、部員8人が全国に進む。

 珠算競技には7校23人が参加、同校からは7人が出場した。個人総合競技では藤村さんが580点(600点満点)を獲得。510点の平館部長(17)も2等に入るなどした結果、各校上位3人の合計点で競う団体競技は、他校に100点差をつける1540点で3連覇を果たした。また個人総合競技では、全国出場できる上位11人の枠に京野一砂さん(17)、梅田真衣さん(16)も入った。

 平館部長は3連覇に「平日だけでなく、土日の講習でも全国大会の過去問に何度も向き合ってきた成果が出た」と喜ぶ。藤村さんも「3等だった昨年よりだいぶ点数が伸びた。先輩や先生の支えで勉強できたおかげ」と話す。

 珠算よりも解答のスピードと正確性が求められる電卓競技には8校36人が参加し、同校は9人出場。佐藤礼佳さん(17)ら3人の合計点が1600点に達し、3年ぶり2回目の団体優勝を果たした。佐藤さんは「電卓は押し間違いなどのミスが心配だったけど、正確に解答できるよう頑張ってきたかいがあった」と喜んでいる。(長内 健)


◎函館—三沢線の運航承認…HAC経営検討委

 北海道エアシステム(HAC)経営検討委員会(委員長・山谷吉宏副知事)が6日、道庁で開かれ、同社が検討していた函館—青森県三沢線の8月からの運航を承認した。これを受けて同社は10日から予約の受け付けを開始する。

 現在6往復している丘珠—函館線のうち、昼間の1便を三沢まで延伸し、丘珠—函館—三沢間を1往復する運航体制とする。7月から就航する丘珠—三沢線の直行便と合わせて、道内と三沢を結ぶのは2路線となる。

 この日開かれた委員会には同社の田村千裕社長が出席し、函館—三沢線を開設した経緯や収支見通しなどを説明し、「増収が見込める路線」と運航に理解を求めた。委員からは収支や利用見込みなどの質問が出たが、異論はなく、同社の運航計画を了承した。山谷副知事はHAC側に「三沢市、八戸市側との連携が重要なので最優先と捉え取り組んでほしい」と述べた。

 運航期間は8月1日から11月30日までの4カ月としているが、実績をみて12月以降の運航も判断する。4カ月で計約1400万円の増収を見込んでいる。

 田村社長は「青函圏のますますの発展につながることを期待している」と述べた。

 函館—三沢線は函館市や函館商工会議所、地元選出道議らがHACや道に働きかけてきた。道議会で取り上げた志賀谷隆氏(公明党)は「三沢は水産加工の需要が回復した八戸市に近く、函館にも出身者が多いことから、ビジネス関係や通常の利用客が見込める」と説明する。

 同路線の運賃は片道1万3000円(普通運賃)。(鈴木 潤)