2013年7月10日 (水) 掲載

◎高校生ものづくりコン、函工の福井君が全道2連覇

 モノをつくる技術や能力を競う「第13回高校生ものづくりコンテスト全道大会」の電気工事部門で、函館工業高校3年の福井勝行君(18)が最優秀賞を受賞し、2連覇を達成した。同部門の2連覇は同校初の快挙で、福井君は11月の全国大会に向けて「入賞を目指して頑張りたい」と意気込んでいる。

 同部門は制限時間内に1.8メートル四方の板に、配線工事を施し、その正確さや技術を競う。昨年同大会で最優秀賞を取るも、減点された箇所が多かったといい「ステップルを板に打ちつけるのが難しく、繰り返し練習した」と福井君。苦手箇所を細かく再確認し、春休みから放課後を使って腕を磨いてきた。

 道大会では会場の雰囲気に緊張し、プレッシャーもあったというが、これまでの努力を信じ、競技に没頭。福井君は「去年より良い結果が出せてうれしい。全国に向け、気持ちを切り替えてまたしっかり準備していきたい」と話す。

 指導した角谷勝教諭は「周りのプレッシャーもあったと思うがよく頑張った」とたたえる。

 同コンテストはものづくり技術、技能の継承を図ることを目的に毎年開催。各部門に分かれて工業系高校の生徒らが技術を競う。全国大会は11月に徳島県で開かれる。(平尾美陽子)



◎函館空港で航空機事故想定し訓練

 函館空港で9日、航空機事故を想定した消火救難救急医療総合訓練が行われた。函館空港事務所と函館空港緊急計画連絡協議会の主催。航空会社や警察、消防、函館市医師会など35機関から226人が参加し、本格的な訓練に臨んだ。

 着陸後にエンジンから出火し、機体へ延焼。乗客に多数の負傷者が発生したとの想定。バスを航空機に見立て、空港消防が消火活動に当たったほか、消防や自衛隊、空港職員が救助活動を迅速に行った。医師がけがの程度を見極め、負傷の度合いを区別し治療する訓練も実施した。

 金子守夫空港長は米サンフランシスコ空港であったアシアナ機事故を受け、「航空機事故はいつ、どんな形で起きるかわからない。万が一の時に的確に行動できるよう危機管理に努め、想定外の事態でも臨機応変に対応していきたい」と述べ、救助活動に参加した金子安男さん(66)は「こうした訓練を積み重ね、実績を作っていくことで、いざというときに動けるよう努力したい」と話していた。(虎谷綾子)



◎メタボ解消に一役、北大などサプリ商品化

 北大大学院水産科学研究院などは9日、函館産アカモク(褐藻)に含まれるフコキサンチンを利用したサプリメントを商品化、29日に発売すると発表した。内臓脂肪を減らす作用があり、函館発の健康食品として売り込む。

 宮下和夫教授(食品化学)、カネカ(大阪)、ノース技研(函館、布村重樹社長)などが参画する函館マリンバイオクラスター(中核機関・函館地域産業振興財団)の研究成果。

 フコキサンチンは赤い色素で、脂質に含まれる。褐藻には多いもので1c当たり4、5_c、少ないもので同1_c入っている。動物実験で脂肪を燃焼しやすくして肥満を抑制する効果があることが分かった。

 宮下教授は「人について外国の試験では、約95`の白人女性に1日2・4_cのフコキサンチンを夕食後に食べてもらうと、4週間後に体重が1割弱減り、体脂肪も同程度減るという結果が出ている」とした。

 アカモクは褐藻の中でもフコキサンチン含有量が多い上、製品化した場合の安全性と安定性が高いという。

 「フコキサンチン1000」で、価格は1瓶30粒入り5800円。先行して10日からインターネット(http://f1000.info/)、電話(0138・21・1222)、ファクス(22・0204)で予約を受け付ける。記念キャンペーンとして8月末までは3900円。(山崎大和)


◎JR特急出火で運休、観光シーズン直撃懸念

 八雲町で6日発生したJR北海道の特急列車出火事故を受け、同社が函館線などで同型列車の運転を見合わせている問題で、函館の観光関係者に運休長期化への不安が広がっている。観光繁忙期を迎え、札幌方面からの客が落ち込む恐れがあるためだ。「目立った影響はないが、これ以上長引かないでほしい」と関係者は語る。

 同社は事故原因が判明するまで、事故車両と同型エンジンの車両36両を運休する方針。札幌〜函館間の特急8本などは、少なくとも1カ月先の指定席券販売も見合わせるとしている。

 函館市内の宿泊、観光施設などは今後の影響を不安視する。ホテルニューオーテ(若松町)の斉藤利仁社長は「事故直後はキャンセルを心配したが、影響はなかった」とする一方、「書き入れ時なので減便が長引くようであれば不安。GLAYのコンサートもあるので心配している」と表情を曇らせる。

 ホテルネッツ函館(本町)の三上博総支配人は「目に見える形での影響はない」としつつも、「繁忙期に客を逃したり、新規需要の芽がつぶれたりしないか懸念はある」と話す。

 「外国人客をはじめ、朝市を訪れる観光客は減っていない、今後も影響が出ないことを祈るばかり」と話すのは函館朝市協同組合連合会の井上敏廣理事長。「ただ、新幹線開業を控えているだけにJR北海道のたび重なる事故は気がかり」としている。

 旧函館区公会堂(元町)によると、9日現在、団体客の予約キャンセルはなく、入館者数に大きな影響は見られないという。大西正光館長は、「それでも運休が長引けば7月下旬以降の需要期が心配だ」。五稜郭タワー(五稜郭町)の営業担当は「早く元通りに走ってくれれば」と願っている。(長内 健、松宮一郎)