2013年7月11日 (木) 掲載

◎ネット選挙解禁 道南各党も活用…有権者は賛否両論

 インターネットによる選挙活動が今参院選から解禁され、道選挙区(改選数2)に候補者を擁立している道南の各政党も、ホームページ(HP)やソーシャルネットワークサービス(SNS)などで盛んに情報を発信している。情報を受け取る側の有権者側には歓迎する声がある半面、情報の信頼度を測りかねるとの見方も出ている。

 道選挙区に出馬した6氏は各自、HPとフェイスブック(FB)の公式ページを設けており、ツイッターを使う候補者もいる。

 自民党道8区支部はFBやブログを駆使し、自党候補者の応援演説に立つ様子などを発信。道8区支部長の前田一男衆院議員は「拡散力があり、さまざまな形で政党の訴えや候補の政治スタンスを有権者に伝えられる」と評価。ただ「活動を支援する側に制約もあり、さらに活用を進めるにはもっと議論する必要がある」と話す。

 民主党8区合同選対本部長の逢坂誠二氏は、5000人の「友達」登録がある自身のFBを活用し、自党候補者の活動や政策浸透を側面から支援。逢坂氏は「支持してくれる仲間との情報共有はできている」と評価する。一方では全般的な見解として「有権者との双方向コミュニケーションが進んでいない」と、ネット選挙全体の盛り上がりが今ひとつだと指摘する。

 共産党は函館市議らがFBやブログで、候補者の動向や演説の様子を精力的に掲載。党中央委員会HPの閲覧も促している。党函館地区委員会の高橋佳大委員長は「活動する側も情報をより早く入手できるようになった。今までは党首や候補者の動きが伝わりづらい面もあったが、ネットを介することで選挙戦全体が見えるようになっている」と利点を説明する。

 有権者の反応はさまざま。市内乃木町の男性(35)は「今までの選挙に比べ、候補者や政党の主張が細かく出ていると感じる。選挙に対する関心は高まった」と好意的。一方で市内桔梗の吉田峰子さん(55)は「選挙運動に限定されるなら、わざわざ情報を入手しようとは思わない」と慎重。「ネットで投票もできればいいが」とも話す。

 選挙違反者が出ることを懸念する声も。市内末広町の三熊修さん(29)は「ネットでやっていいことに制限があり過ぎる。使い方を間違える人も出てくるのでは」と指摘する。(参院選取材班)



◎13、14日のSea級グルメ大会に「いかめし」初参戦

 海産物グルメが集う「第3回みなとオアシスSea(シー)級グルメ全国大会in苫小牧」(13〜14日・苫小牧港開港50周年記念事業実行委、みなとオアシス全国協議会主催)に、函館産スルメイカを使った「いかめし」が初参戦する。出店する「みなとまちづくり女性ネットワーク函館」(折谷久美子代表、11人)は「入賞を狙う」と意気込んでいる。

 道内初開催で、記念事業のメーンイベント。昨年7月に、みなとオアシス「函館」の登録を受け、大会への出場権を得た。

 同ネットは函館市の魚であり、イカマイスターを取得した会員6人が出前講座に力を入れているため、メニューをイカ飯に決定。新鮮なスルメイカを使い、南茅部産マコンブでだしを取るなど食材にこだわった逸品だ。

 コンテストには全国15オアシスが参加、福島・小名浜の「ジャンボカジキメンチ」、愛媛・八幡浜の「じゃこカツ・じゃこ天」など強豪ぞろい。来場者の投票により優勝、準優勝、3位など成績が決まる。同ネットはイカ飯2000個を用意、1パック2個入り300円で売る。

 今回、人気上昇中のウギャル音楽部5人が歌を披露する。魚食普及を目的に活動しており、メンバーのエリカが函館出身。同ネット会員にエリカの母親がいる縁でステージが実現する。

 折谷さんは「イカ飯の完売を目指して頑張ります」と話している。(山崎大和)



◎最上階 夜景フロアに…ロワジールホテル函館

 ロワジールホテル函館(函館市若松町、岡村匡総支配人)は、最上階の13階を「夜景」をコンセプトにしたフロアに改装し、11日にリニューアルオープンする。客室とバーが落ちついた雰囲気に生まれ変わり、地上50メートルからの夜景と快適な空間を提供する。

 今回のリニューアルは、2016年3月に予定される北海道新幹線開業で増加する需要に対応するのが狙い。「価格競争ではなく、高い付加価値の提供で差別化を目指した」(同ホテル)という。約1カ月の工期で完成させた。

 客室10室とバー「エステラード」、廊下など13階のフロア全体を改装。客室は、以前よりも落ちついた色調にしたほか、夜景に合う照明、BGM、アロマオイルを用意。夜景評論家、プロデューサーの丸々もとおさんによる監修で、「五感で夜景と部屋の雰囲気を楽しむことができるのが特徴」(同ホテル)という。

 うち1室がスイートルーム。約46平方メートルの広々とした空間で、函館山と函館湾、街なかの明かりを見下ろすことができる。オーソドックスなスタイルだったバーも夜景が似合う空間に。天井にLEDの照明を埋め込み、バー全体で夜空の雰囲気を演出する。

 夜景ルームの料金は通常の客室よりも高めに設定。同ホテルでは「快適さや眺望、雰囲気などホテルの魅力を高めることで、宿泊客にも満足してもらえるはず」と話している。(松宮一郎)


◎ミツイシコンブ初水揚げ

 函館市南茅部地区で天然コンブ漁が解禁となり、10日、南かやべ漁協(鎌田光夫組合長)大船支所管内でミツイシコンブの初水揚げがあった。

 天然で最初に採るのがミツイシコンブで、昆布巻きなどに使われる。例年だと解禁日は1日だが、今年は不漁予測のため水揚げを遅らせた。

 同支所管内では午前8時半から同11時まで、約25人が出漁。おか抜きと呼ばれる方法で、ウエットスーツを着た男性が海に入り、岩場に生えたコンブを手で引き抜いていった。陸上で待ち構えた女性が手際よく根を切り、束ねて自宅に持ち帰り乾燥作業を行った。

 不漁予測は高水温などが指摘されているためで、双見町の吉田優子さん(60)は「今までにない量の少なさ」と話していた。南茅部の天然マコンブ漁は17日に開始予定。(山崎大和)