2013年7月15日 (月) 掲載

◎夏の夜空彩る3000発、函館港花火大会

 函館新聞社主催の第17回函館港花火大会が14日夜、函館港豊川埠頭(ふとう)をメーン会場に開かれた。約3000発の大輪の花が函館の夜空を焦がし、観客は今夏最初の感動と興奮を楽しんだ。

 同紙の創刊と海の日制定記念として1997年から毎年開催、函館に夏の訪れを告げるイベント。打ち上げに先立ち、小笠原金哉社長が「今後もさらに読者の意見を参考にした紙面を作っていきます。本日はご来場ありがとうございます」とあいさつ。

 「リバイタライズ(新しい活力)」と「未来へ」の2部構成で、光と音楽を駆使した14プログラム。1部は最大5カ所から打ち上げるコンピューター制御のワイドスターマインで幕開け。6、7、8、10号の大玉が順に打ち上げられ、洋上からの打ち上げ花火と水中花火の競演、傘などをかたどった型物花火、6月23日に急逝した小笠原金悦会長をしのぶ幻想的な花火などに、客席から何度も拍手が沸き起こった。

 2部も独創性あふれるワイドスターマインなど趣向を凝らした花火ショーで楽しませ、最後は約5分にわたって打ち上げが続き、圧倒的なスケールで観客を魅了した。

 大会には約6万人(主催者発表)が来場。FMいるかとニューメディア函館センター(NCV)が生中継した。(山崎大和)



◎函水高生らが新島襄の寸劇熱演

 函館水産高(三ッ石茂之校長、生徒470人)の生徒5人と卒業生2人が14日、函館から渡米した新島襄(同志社大創立者)の海外渡航の地碑前で、寸劇「新島襄と仲間たち」を演じた。今年で7回目となり、志を達成することの大切さを訴えた。

 西部地区(弁天地区)の活性化に取り組む笑福七福神祭実行委員会(井上清美委員長)が主催、海の日記念祈願祭の一環。

 寸劇には、初めて卒業生の小島祥さん(20)=函館臨床福祉専門学校1年=と、谷孟到(たけゆき)さん(19)=同2年=が出演。生徒は1年の米光春香さん(16)、武石彩乃さん(15)、石亀伶君(15)、3年の石山光君(17)、伊藤佑貴君(17)。

 別れの杯、逃避行、再会の3幕。再会では、新島夫妻が1887(明治20)年に北海道旅行で函館に立ち寄り、碑に刻まれている漢詩「男児志を決して千里を馳す…」を声高らかに朗詠したほか、妻八重が幼なじみの日向ユキと会うシーンを再現した。

 米光さんは「八重を演じることができて、うれしかった」と話した。福島県伊達市から旅行で訪れ、寸劇を見た社会福祉士の大泉真哉さん(34)は「NHK大河ドラマ『八重の桜』効果で福島も盛り上がっており、生徒が頑張っている姿を見て感動した」と笑顔を見せた。

 寸劇後、函館漁港で祈願祭を開き、神事に続いて生徒4人と卒業生3人が七福神に扮(ふん)して木造和船「七福神丸」に乗船。港内をパレード後、紅白餅500個をまき、海上安全と大漁を祈った。

 三ッ石校長は「市民権を得つつあるので、活動を継承したい」と話していた。(山崎大和)



◎函館空襲68年で慰霊祭

 函館空襲の犠牲者を追悼する第25回慰霊祭(函館空襲を記録する会主催)が14日、函館市船見町の称名寺で行われた。遺族や関係者約20人が参列、1945年7月14、15日、函館西部地区などが爆撃された空襲の犠牲者の霊を慰め、恒久平和を願った。

 同寺の須藤隆仙住職が読経する中、境内にある「第二次世界大戦函館空襲戦災跡地戦災者慰霊碑」の前で参列者一人一人が焼香し、手を合わせた。追悼の辞で浅利政俊代表(82)は「これからもこの日の重さを忘れず、未来を継ぐ子どもたちのために平和の受け皿をつくっていきたい」と誓った。

 空襲で父を亡くした千葉県在住の松本絹子さん(82)は「4年前から毎年この日に函館に戻って参列している。同じことが二度と起こらないよう祈っている」と話していた。(金子真人)


◎市職員採用1次試験、547人が難関に挑む

 2014年度の函館市職員採用1次試験(大学卒以上)が14日、市立函館高校(柳町)で行われ、公務員を目指す547人が最初の関門に挑んだ。

 一般事務の試験分野は行政一般のほか、市が独自に設定した経済・経営、国際、水産海洋、情報の5種。加えて身体障害者対象一般事務と土木、建築、電気、化学の技術職4種を行った。

 新年度は一般事務で60人程度採る方針で、昨年に増して採用枠が広がったことから、受験者数は昨年から134人増加。受験率も昨年比2・3ポイント増の83・9%と、公務員人気健在を示している。

 今回はマークシート方式の教養試験と性格検査を実施。技術職は各専門分野の筆記試験も行った。最終的には3次試験を経て10月中に合格者を決定する。高校卒・短大以上と民間企業経験者は8月から募集し、9月22日に1次試験を行う予定。(千葉卓陽)