2013年7月17日 (水) 掲載

◎地震・津波想定し1500人避難、亀田地区近隣7校・園が合同訓練

 亀田地区近隣の保育園、幼稚園、小・中・高校の7校は16日、地域避難訓練を初めて行った。参加者約1500人は真剣な表情で訓練に臨み、非常時の態勢を確認した。

 東日本大震災を受け、駅前五稜郭保育園、若葉幼稚園、亀田小、桐花中、大川中、函館盲学校、清尚学院高校の7校が合同で初めて実施。訓練は震度6の地震が発生し、津波警報が発令されたと想定。参加者は避難先に指定された3校の最上階を小走りで目指した。

 このうち、亀田小学校(後藤愼一校長)には若葉幼稚園、大川中学校、函館盲学校の児童生徒ら約600人が集まった。9時45分に各校でサイレンが鳴らされると、亀田小の児童はグラウンドへ一時避難し、その後3階へ移動。大川中の生徒は園児と手をつないで逃げ、27分で全員の避難を完了した。

 亀田小には亀田本町第五町会と富岡一丁目町会の町会員も子どもたちの見守りとして参加し、「地域で災害の恐ろしさや災害時の行動を知ることができ、合同訓練はいい取り組み」と町会員。後藤校長は「みんな真剣に取り組み、落ち着いて行動できていた。避難場所など今回得た課題をもとに、今後の訓練を考えていきたい」と話していた。(平尾美陽子)



◎日ハム・鍵谷投手ら函館山で必勝誓う、きょう西武戦

 北海道日本ハムファイターズの中島卓也内野手(函館市応援大使)、鍵谷陽平投手(七飯町出身)、杉谷拳士内野手、大谷翔平投手の4選手が16日、函館山展望台を訪れ、17日にオーシャンスタジアム(千代台町22)で開かれる埼玉西武ライオンズ戦への意気込みを語った。

 札幌から到着直後に訪れた4人は、目前に広がる港町を見た瞬間「絶景だ」と喜び、移動の疲れも吹き飛んだ様子。大谷投手は「函館は初めて。景色がとてもきれい。精いっぱいプレーするので、ぜひ見に来てほしい」。中島内野手は「応援大使として力が入る。良い試合で勝ちたい」、鍵谷投手は「プロとして初の函館。マウンドに上がったら、成長した姿を見てもらいたい」、杉谷内野手は「父(満さん、元プロボクシング日本フェザー級王者)が函館市(旧南茅部町)出身なので、親戚の応援は鍵谷選手より多く来てくれると思う」とそれぞれ語った。

 試合は午後1時半開始(午前11時45分開場予定)。予告先発は、ファイターズは谷元圭介投手、ライオンズは野上亮磨投手。ファイターズは、腕に「函館市」の名が入った「WE LOVE HOKKAIDOシリーズ 2013」限定ユニホームを着用する。当日券は内野指定席S5000円、外野自由大人1700円など。公共交通機関での来場を呼び掛けている。問い合わせはオーシャンスタジアム(TEL0138・53・3210)へ。(山崎純一)



◎仁光電機がテクノパークに移転

 漁業用照明などの開発を進める仁光電機(柏谷和仁社長)は16日、函館市東山町から桔梗町の函館テクノパーク内に本社を移転、新工場を稼働した。省エネ型の集魚灯として注目を集める高輝度放電ランプ(HID)の開発・生産拡大を図るとともに、農業分野で活用する照明開発にも力を入れる。

 同社は2008年度にテクノパーク内の市産業支援センターインキュベータファクトリーに入居。新外環状道路の整備が進み、将来的に函館空港までの交通アクセスが向上することや道立工業技術センターが隣接する立地条件から移転を決めた。今年1月、テクノパーク内の工業用地651平方bを市から取得した。

 自動車のヘッドライトにも使用されているHIDの集魚灯は、消灯後の再点灯にも時間がかからず、燃料の消費を抑える製品。柏谷社長(47)は「海全体を照らして魚を集めるのではなく、集中させた光で魚群を囲い、動きをコントロールする。従来とは漁法そのものを変える」と説明。燃料費の高騰など、漁のコストを魚価に転嫁できない漁業者の声を聞きながら改良を進め、イカ漁だけではなく、タラ漁でも作業灯として使用されている。

 本年度は、道や中小企業基盤整備機構などの北海道中小企業応援ファンド事業に採択され、農業分野で活用する照明開発にも力を入れる。柏谷社長は「一次産業全般の手助けになれば」としている。(今井正一)


◎市功労者に石黒、森氏

 函館市は16日、2013年の市功労者に函館物産協会前会長の石黒義男氏(67)と、戸井漁業協同組合代表理事組合長の森祐氏(66)の2人が決まったと発表した。表彰式は8月1日午前10時から、市民会館小ホールで開かれる。

 石黒氏は株式会社布目の社長を務めながら、物産協会の理事、副会長、会長を歴任し今年5月から顧問。全国の百貨店との連携を強めて地域産品の販路拡大を図り、同協会の売上高を10億円台前半から20億円規模へと拡大。2010年には函館国際観光コンベンション協会副会長に就くなど、地域経済と観光振興の発展に貢献した。

 森氏は1972年から漁業に従事。88年に戸井西部漁協監事に就任後、2001年には小安漁協と合併した戸井漁協の代表監事に就き、組合財務の健全化に尽力した。07年からは戸井漁協組合長として、コンブ造成漁場の拡充や養殖施設の整備に取り組みながら、資源管理型の漁業を推し進めるなど、地元水産業の振興に貢献した。

 市功労者表彰は1939(昭和14)年から始まり、今年で65回目。市の産業経済や保健福祉、防災などに長年にわたり貢献した公益功労者が対象となる。4日に表彰審議委員会を開いて受賞者を決定した。受賞者は2人を加え、個人612人、10団体となる。(千葉卓陽)