2013年7月19日 (金) 掲載

◎猛暑で野菜高値 家計圧迫 大手スーパー、セール展開

 7月に入ってからの猛暑で全国的に野菜が品薄状態となっている。道内でも野菜の高値が続き、市民の暮らしを圧迫していることから、大手スーパーでは野菜のセールを開始した。道内産野菜が本州に出荷されており、各店ではセール終了後、本州産、道内産とも高めの価格になると予想。消費者も価格の推移を注意深く見守っている。

 ダイエー(東京)は18日、「野菜大放出セール」を開始した。14、15の両日に関東地区120店舗で展開したが、全国的に高値が続いたことから、全国約290店舗でセール実施に踏み切った。

 ダイエー上磯店(北斗市七重浜)では21日までの4日間、日替わりで約30品目を前週の平均価格に比べ、1〜5割安く提供する。

 この日はキャベツ1玉を98円、ブロッコリーも1株98円で販売。開店から買い物客が野菜コーナーに殺到し、従業員が次々と店頭に補充していった。清水保孝店長は「道内産の本州への出荷で、道内産が値上がりするか気がかり」と不安げな表情。

 イトーヨーカドー函館店(函館市美原)では17日から19日まで高値野菜を中心としたセールを展開。17日はジャガイモ1個、ニンジン1本をそれぞれ17円で提供するなどして集客を図った。同店の担当者は「商品をかき集めるのが大変。早く価格が落ちつけば」と話した。

 ダイエー上磯店を訪れた厚沢部町の70代の主婦は「毎日食べるものなので、セールで値段が安くなるのはうれしい」。函館市内の30代の主婦は「高値の時はカットしたものやパックに入った野菜を買って家計に影響を与えないように工夫している。高値がいつまで続くのか心配」と気をもんでいた。 (松宮一郎)



◎1500人が故人しのぶ 小笠原金悦さんお別れ会

 6月23日に86歳で亡くなった、テーオー小笠原の創業者で、函館新聞社の初代社長、函館商工会議所副会頭などを務めた小笠原金悦(おがさわら・きんえつ)さんのお別れ会(テーオー小笠原主催)が18日、ホテル函館ロイヤル(大森町)で開かれた。市内外から約1500人が参列し、最後の別れを惜しんだ。

 この日は無宗派葬として、参列者は順に遺影に向かい献花し、続いて喪主でテーオー小笠原代表取締役社長、小笠原康正(やすまさ)さんら親族が出迎え、あいさつを交わした。会場には金悦さんの略歴を紹介するパネルが置かれたほか、近年に撮影された写真がスライドで上映された。

 参列した松尾正寿市議会議長は「函館の政治・経済について詳しく教えていただき、残念としか言えない」。若山直五島軒社長は「豪快な印象が強かったかもしれないが、実は大変繊細で、素晴らしい方だった」と話していた。康正さんはあいさつ状に「今後は父の意思を受け継ぎ、社業の発展に身を捧げる覚悟です。生前父が賜ったご厚諠(こうぎ)にお礼申し上げ、今後も同様に賜りますようお願い申し上げます」としたためた。



◎スルメイカ漁場予測 北大・齊藤教授がマップ開発

 北大大学院水産科学研究院の齊藤誠一教授(衛星海洋学)が、スルメイカ漁場予測図を開発しインターネット上で提供を始めた。3日先まで予測マップを見ることができる。来週からは漁協へのファクス配信も始まる予定だ。

 「計測・予測」をテーマにした函館マリンバイオクラスターの研究成果。  津軽海峡と道南日本海・太平洋の漁場の地図上に、イカがいる確率が高い場所を表示。また、3日先までの水温、塩分、流れ(水深2b、22b、50b)の予測図も閲覧できる。

 ネットのほか、函館渡島いか釣漁業協議会にメールで画像を送り、同協議会が予測図を14漁協にファクスで送る。水温、塩分、流れ(同20b、50b)も同時にファクスし、漁業者が漁場探索する際に活用してもらう。  海洋研究開発機構(ジャムステック)や京都大の協力を得て、北大が数値計算して予測図を作る。

 夜間可視衛星画像によるイカ漁船分布と、予測図を見比べて精度を検証中。齊藤教授は「漁場に直行しやすくなり、燃油代の節約につながる」と話している。

 検索エンジンに「水産海洋GIS」と入れてクリックすると見られる。(山崎大和)


◎どうなる投票率 無党派層の行方注視【参院選2013】

 21日投開票の参院選は選挙戦終盤に差し掛かり、道選挙区(改選数2)の各陣営は投票率の行方を注視している。特定の支持政党を持たない「無党派層」が多く、有権者の関心が低下すると各陣営の得票に大きく影響するためだ。道南の各政党は厳しく見積もる陣営がある一方、インターネット選挙解禁によって上昇を期待する声もある。

 函館市の参院選投票率は2001年以降50%台で推移しており、前回参院選(2010年)の函館市の投票率は55・80%と、国政選挙で12回連続していた全道市ワーストワンを返上した。北斗市は56・60%、渡島・桧山管内全体では58・53%だった。

 期日前投票は、14日までの10日間で渡島が前回参院選比0・49ポイント増、桧山が同2・31ポイント増で、前回を上回る見通し。函館市は17日現在で同9・8ポイント増の1万6270人が投票を済ませたが、市選管は「日に日に投票のペースが鈍化している」と懸念する。

 各党の受け止めはさまざま。一般的に投票率が下がれば組織票を持つ政党が有利とされるが、民主党道8区総支部の道畑克雄幹事長は近年、その傾向が当たらないとした上で「伸びる要素は見当たらず、50%台前半まで落ち込むこともあるのでは。支持者に対しても必ず投票するよう、最後まで呼び掛けていきたい」とする。

 政権与党に復帰して初の国政選挙で、衆参のねじれ解消を目指す自民党。道8区支部長の前田一男衆院議員は「前回の投票率を超えていくようにしなければ。自民に有利、不利関係なく、有権者の政治への関心を高めることが自分の仕事」と語る。

 共産党函館地区委員会は下がる可能性が高いと予想。高橋佳大委員長は「公約違反が横行する中でどの政党に入れたらいいか決められず、投票しないという選択肢を選ぶ人が多いのでは」と指摘する。

 一方でみんなの党は「ネット運動解禁の影響で、少し良くなるのでは。組織のない政党にも関心を持ってもらえる」(牧野喜代志副幹事長)、新党大地も「数字が上がれば戦況も良くなってくる。函館から自民、民主の牙城を崩したい」(函館支部関係者)と、投票率上昇に期待する。 (参院選取材班)