2013年7月22日 (月) 掲載

◎天然マコンブ漁始まる

 函館市南茅部地区の天然マコンブ漁が、解禁から4日後の21日に始まった。不漁見通しで、浜では「厳しい年になる」との声が強い。

 南かやべ漁協(鎌田光夫組合長)のトップを切ったのは尾札部支所。初漁は午前5時〜同7時半。前浜に200隻以上の磯舟が一斉に繰り出し、「マッカ」という先が二股に割れた漁具で根元をねじり取った。漁港に戻り、軽トラックへ積み込んで自宅などの干し場に運んだ。

 初日はまずまずの水揚げだったが、尾札部町の杉林信行さん(37)は「今年はあと3、4日採取したら、その後は水揚げがないかもしれない。来年は順調にいけば、量はあると思う」と話した。

 日本一の品質で知られる「白口浜真昆布」は、献上昆布と称される。

 道総研函館水試(湯川町)の赤池章一研究主幹は不漁の理由について、@昨秋の高水温の影響で、コンブが枯れて流されたA大量に繁茂した雑海藻が場所を占有し、コンブの着生を阻害B今年が不漁年に当たる—ことを指摘している。(山崎大和)



◎自民歓喜 民主複雑【参院選2013】

 現新6人が改選2議席を争った参院選道選挙区は、自民党の伊達忠一さん(74)と民主党の小川勝也さん(50)がともに議席を守り、3年前の前回に続いて両政党が議席を分け合った。自民は全国各地の選挙区でも勝利し、衆参で多数派が異なる「ねじれ国会」の解消を果たし地元関係者も歓喜に沸いた一方、民主は改選前議席を大幅に下回り、関係者は複雑な表情を浮かべた。共産党や新党大地、みんなの党も“指定席”を崩すことはできなかった。

 自民党道8区支部の事務所(函館市美原)では、同支部幹事長の佐々木俊雄道議や支部関係者、支持者が集まり、テレビで開票結果が出るのを待った。

 投票時間終了直後の午後8時すぎにはテレビの開票速報で早々と伊達さんの当確が打たれ、自民党の大勝が伝えられると、関係者は拍手をして喜んだ。

 全国的な追い風から、道選挙区も伊達さん優位と伝えられていただけに3選が決定的になると、幹部や支持者も安どの表情。伊達さんに続き、比例代表の橋本聖子さんの当確も出て、事務所内に大きな歓声が響いた。同8時半ごろ、札幌の道連本部で伊達さんが万歳をした後、関係者らは函館の8区支部事務所でも万歳をして喜び合った。

 札幌市の道連本部で開票を見守った前田一男支部長は「安倍政権の実績や経済政策アベノミクスが有権者に評価された」と勝因を分析。「ねじれ解消で政治の全責任を負うことになる。一層緊張感を持ち、国益にかなった判断を慎重にしていく」と気を引き締めていた。

 民主党道8区合同選対本部は逢坂誠二本部長や函館地区連合会の荒木敏安会長をはじめ、道議ら関係者約20人が道南労働福祉会館(函館市新川町)に集まった。早々に小川勝也さんの当選確実が伝えられ、安堵(あんど)に包まれたが、党勢が大きく後退する結果に、関係者は厳しい表情で開票状況を見守った。

 逢坂本部長は「相当厳しいと言われていた小川さんが当確を決めたのは、安倍政権への不安の表れ」と総括。党全体では依然として厳しい結果となったが「全国の1人区をみても、自民が必ずしも過半数を取れているわけではない。受け皿となる野党が地域ごとに丁寧に共闘していれば、自民の大勝とはならなかったのではないか」と述べた。

 また、選対委員長を務めた荒木会長は、昨年の衆院選時と比べ、与党政策に対する組織の危機意識をまとめた戦いができたと評価したが、「自民党が争点をあいまいにして分かりにくい選挙だった。中小企業はますます厳しくなるだろうが、そういう点が論点化されなかった」とした。(参院選取材班)

 



◎参院選投票率 函館50%割れ

 全国的に投票率が低迷した21日の参院選。道南全体の投票率(選挙区)は前回参院選(2010年7月)よりも6・69ポイントダウンの51・84%で、18市町すべてで前回を下回り、低調に終わった。

 函館市の投票率は49・29%と50%を割り、前回の同選挙よりも6・51ポイント下回る結果となった。道内35市の中では32位で、前回同様、最下位を免れたが、低迷した。

 北斗市も6・99ポイント減の49・61%で、同31位だった。

 道選管渡島支所管内9町の投票率は55・60%と前回より7・12ポイントダウンし、14振興局の中で最下位に沈んだ。参院選での最下位は2004年から4回連続となった。

 9町の中で最も投票率が高かったのは長万部町の64・15%で、次いで木古内町の59・34%、松前町の59・25%。

 最も低かったのは、森町で前回よりも9・85ポイント落として52・13%にとどまった。

 桧山支所管内は、江差町、上ノ国町以外の5町で60%台をキープしたが、前回よりも6・08ポイント減の62・36%。最も高かったのは、奥尻町の68・68%で、次いで厚沢部町の67・88、乙部町の67・45%と続いた。最も低かったのは上ノ国町の55・16%。前回が町長選と同時選挙だった江差町は14・05ポイント落とし、56・28%だった。

 投票日当日の渡島・桧山の有権者数(選挙区)は39万3676人。(鈴木 潤)