2013年7月27日 (土) 掲載

◎GLAYファンどっと 早くも熱気

 待望のGLAYライブを前日に控えた26日、全国からファンが函館入りした。JR函館駅や函館空港は、大きな荷物を抱えた人で混雑。会場の緑の島やメンバーゆかりの場所に足を運ぶグループが目立ち、メンバーの故郷はにぎわった。

 函館市は、JR函館駅改札前で臨時観光案内所を開設(28日までの午前9時〜午後2時)。スタッフ6人体制で市内の観光スポットや交通の情報を提供するほか、GLAYがデザインされたコンビニエンスストア「GLAY LAWSON」(東雲町など)や、カフェイベント「GLAY LiBCafe2013」が開かれている大門グリーンプラザ(松風町など)の地図などを配布した。スタッフの土田尚史さんは「地図は3日間分として500枚を用意していたが、今日でほとんどなくなった」と反響に驚く。

 オフィシャルツアーで神奈川から訪れた小山美比都さん(26)は「GLAYが生まれた函館で曲を聴くことがずっと夢だった。とてもうれしい」と話していた。

 メンバーゆかりの場所にも多くのファンが訪れた。TERUが常連のラーメン店「かもめ食堂」(若松町)では、朝からファンの行列が絶えなかった。札幌の会社員、黒田美香さん(29)は「TERUさんがお薦めするラーメンなので一度食べてみたかった。おいしかった」と笑顔。

 会場の緑の島では午後1時から、ライブの公式グッズが販売された。午前7時ごろからファンが並び始め、同11時ごろに到着した札幌の女性は「私の前に100人ぐらいいたが、福袋などを買えて良かった。昨年の長居スタジアム(大阪)に行ったが、凱旋(がいせん)ライブ発表に体が震え、ずっと楽しみにしていた」と話していた。(金子真人)



◎福島の児童 笑顔で来函…「ほんわか」が受け入れ

 七飯町と函館市の主婦4人で活動する、被災地の子どもを応援する会「ほんわか」(田中いずみ代表)が26日、福島県内の小学4〜6年生20人を受け入れた。31日まで5泊6日の日程で、ホームステイしながら函館・道南の夏を満喫する。

 「少しでも被ばく放射線量を減らしてほしい」(同会)という思いで、今年で2年目。被災地応援プロジェクト「のびのび夏休みinはこだて」と銘打ち、七飯、函館、北斗のホストファミリー10戸が受け入れる。

 この日は、田中さんら5人がJR函館駅で横断幕を手に出迎え。元気に到着した子どもたちの笑顔があふれた。6年生の川島大知君(12)は「メロンやバーベキュー、イカを食べるのが楽しみ。外で思いっきり遊びたい」。函館山ロープウェイで函館山からの絶景を楽しみ、市青少年研修センターに泊まった。

 27日にホストファミリーとの対面式・歓迎夕食会がある。このほか、森町での農作業体験や、音楽と絵本の読み聞かせ、七飯軍川小児童との交流、大沼観光なども予定している。

 田中さんは「地域の人たちのほんわかした優しさを感じて、大自然の北海道で伸び伸びと過ごしてほしい」と話している。(山崎大和)



◎えさん小・水野教諭南極へ…観測隊教員派遣 道内小学校で初

 函館えさん小学校(佐藤幸男校長、児童106人)の水野団教諭(39)が、今年12月から南極の昭和基地で活動する「第55次南極地域観測隊」教員派遣枠の一人に選ばれた。道内の小学校教諭では初参加。現地から同小へのネット授業も予定し、水野教諭は「児童の興味を引き出す機会にしたい」と張り切っている。

 教員派遣プログラムは今年で5年目。昨年末に募集案内が各学校に届き、南極の実態に興味を抱いていた水野教諭はすぐに応募を決意。「科学、環境の面白さを児童に伝えるとともに、経験を今後の教員人生に役立てたい」と、志望書に熱意をつづった。

 昭和基地は天体、気象、生物学などを観測する施設で、さまざまなデータを収集し地球の環境変動を解析している。同観測隊は11月に日本を発ち、12月下旬の到着後から調査開始。現地の活動は観測と設営の両部門に分かれ、水野教諭は観測部門の一員として地図の作成、湖の生態を探る生物学調査などに携わる。

 プログラムには現地からの授業展開も義務付けられており、来年2月3、4の両日、インターネットを使ったリアルタイムの授業を行い、えさん小児童と交流する。帰国は同3月。

 水野教諭は横浜市出身。横浜国立大教育学部を卒業し、函館赤川小、磨光小を経てえさん小へ赴任した。旅行やスキューバーダイビング、写真撮影など趣味は多彩で、訪れた国は45カ国ほどに上る無類の旅行好きだ。日ごろは授業のほか児童にサッカーを教えており、体力にも自信があるという。

 「南極がどうなっているのか、そんな好奇心を抑えられなかった」と、応募前の心境を振り返る水野教諭。一番の楽しみは、ペンギンのすみかや氷河の観察といい、「正直選ばれるとは思わなかったが、日増しに行くんだという実感を強くしている。出発までにまだまだ勉強を重ねたい」と目を輝かせている。(長内 健)



◎岡田さんリサイタル 550人魅了

 函館出身のピアニスト岡田奏さん(22)=パリ在住=のリサイタル(河合楽器製作所主催)が26日、市芸術ホールで開かれた。岡田さんは海外で磨いた技術を存分に発揮し、550人を魅了した。

 岡田さんは函館本通中卒業後にパリ国立高等音楽院に入り、今年6月に修士課程を修了。同2月に第12回ピアノ・キャンバス国際コンクールで優勝したほか、5月にはエリザベート王妃国際音楽コンクールでセミファイナルに進むなど、活躍している。地元での演奏は「ずっと楽しみにしていた」という。

 プログラムはいずれも同コンクールで選曲した作品。ラモーの「ソローニュのひなどり」を軽快に奏でると、ラフマニノフの「コレルリの主題による変奏曲 作品42」では、力強く、繊細なタッチで鮮やかなハーモニーを引き出した。

 続く現代作曲家デュティユーの「ピアノソナタ第3楽章コラールと変奏曲」では、ジャズのリズムやフランス音楽独特の優雅さを余すことなく表現。会場では万雷の拍手とともに「ブラボー!」も聴かれた。(長内 健)